今宵の聖書の言葉は,神様の居場所。「主の祈り」と呼ばれるクリスチャンが一番大事にしているお祈りは,「天にまします私どもの神様」とありますでしょ。神様は「天」に「天国」にいることになっています。「天」や「天国」は,上下,左右,前後などと考えたら,何となく「上」にいる感じがしませんか?
でもね,子どもとサイコセラピーをしてますでしょ。子ども達が探し出す神様は,たいてい,深い深い海の底や,谷あいの村や,森の遥か向こう…などにいることが多く,どちらかというと神様は「下」にいる場合がほとんどです。
ユングは,グノーシスの話を紹介しながら,今の神は「下」にいることを指摘しています(The Collected Works of C. G. Jung, vol9-1, p.18 §37)。
「私どもは、水の旅に出て、下に向かった旅をしなくちゃならないことは、確実なことです。私どもが宝物、あの父からの貴重な遺産を拾い上げたいと思えばね。グノーシスの魂の讃歌には、その息子は両親から、王様の王冠から零れ落ちた真珠を探すために、送り出されます。その真珠は、深い井戸の底にあり、龍に守られているんですね…その息子は、水の旅に出て、その井戸の暗い深みに突き進みます。その息子は、井戸の底で、その真珠を見つけ出し、最後にその真珠を、最高の神様に捧げます」。
子ども等は,まさかユングやグノーシスの文献を読んでいるはずもありません。でも,ユングやグノーシスに重なる話をしてくれます。
心の不思議の物語ですね。
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