エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: ある一人のクリスチャン女性の死に方

2017-06-08 03:40:44 | 間奏曲

 

 鎌倉プリンスホテルからの海の眺め

 

 
役立たずと役立つ者
   「怒り+不安」の風  やり取りができない人、それはプライベートな人、すなわち、それは、「何かか奪われている」、「何かが足りない」人なんですね。ピー......
 


 みなさん,鎌倉にはどんな思い出がありますか? 江ノ電に乗った思い出。駅前で鳩サブレを買った思い出。細道や切通を散歩した思い出。小町通で買い物をした思い出…。いろんな思い出があるだろうと思います。

 私もいろんな思い出が鎌倉にはあります。その中の一つ,西村秀夫先生の「聖書を学ぶ会」に出席していた女性で,鎌倉に住んでいた方の思い出があります。不意に,その方を思い出したので,今夜のブログに書くことにしたんです。プロビデンス,神様からの慈しみ深い思いやりを感じたからなんですね。

 その方は,西村先生が矢内原忠雄先生の集会に参加を許された時には,すでにその集会に出席していたそうですから,西村先生よりもその女性の方が先輩でした。慶応大学病院で,スピーチセラピストをしていたとかで,その道の日本でのパイオニアではないのかな,と思います。当時80歳くらいでしたでしょうか,集会の会場があった成城学園前まで,鎌倉から通っていたんですね。2時間くらいかかるんでしょうか? 成城学園前のすぐ近くのマンションには,妹さんが住んでおられた,と聞いたことがありますから,通いなれていたのかもしれません。

 その方が,あるとき,鎌倉の家に遊びにいらっしゃい。矢内原忠雄先生の全集を挙げるから,ということでした。ご主人の分と,自分の分と,矢内原全集が二組あるから,そのうちの一組をプレゼントしてくれるというわけです。単純な私のこと,喜んで鎌倉のお宅をお邪魔しました。それは広いお庭のある立派なお屋敷でした。もうすでにご主人はなくなられているとのことでしたし,お子さんもおられないということでした。しかし,それは,事の始まりにすぎませんでした。鎌倉のお寺などにもご一緒したとき,私が運転する車が国道1号を走って,鎌倉プリンスが見えた時に,「私は,ここで,お別れの会(葬式)をします」というんです。まるで人ごとのような話しっぷり,すでの決定事項のような話でしたね。

 それから,1年くらいたった後でしょうか,その方がなくなられて,鎌倉プリンスで,お別れの会を開くことになりました。西村先生が,司式をされて,私は司会の役目を仰せつかりました。成城の?妹さんが親戚代表で,その娘さん,と言っても私よりもかなり先輩でしたが,参加されておいででした。

 まるで,今夜の夕食を準備するみたいに,明るく,淡々と,自分の葬式の準備をする。無教会のやり方で葬式の準備を,死ぬ前にキチンと整える。私は,その女性の死に方に,矢内原忠雄先生から受け継いだ,神様を信頼する静かな生き方,本物の生き方を,見ましたね。

 

 

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