自信に満ちたルターは、表情や姿勢も変幻自在です。
Young Man Luther 『青年ルター』p196の第3パラグラフ10行目途中から。
顔に関して強い葛藤がありました。そういって、特に才能に恵まれた、ずる賢く、しかも厳しい男の抑圧された性質を暴くものだと、臨床家なら分かります。そういう男は、自分ではどうすることもできない恐れや激しい怒りを抱いているのです。このように葛藤を抱えた表情ゆえに、ルターの温もり、ウィット、子どものような正直さは、まるで無邪気なものであったに相違ありません。それに、自分の性格に関して行き届いた規律がありましたから、それは人格がずたずたにされることなどめったにありませんでした。ルターは眼を見られるのが嫌いだと言われていましたが、それは、ルターは自分が考えている時には気持ちが表れてしまうことを恐れていたからでした(同じことはフロイトにも当てはまることでした。フロイト自身が認めていることですが、フロイトが精神分析の治療のやり方を決めたのは、「見つめられること」に対する抵抗があったからです)。
見つめられると、気持ちが読まれるんじゃあないのか? それは葛藤が強く、不安が高い人にはありがちですね。フロイトも、ルターも、そして、その気持ちがよく分かったエリクソンも、もともとはそういう人だったんですね。
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