エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 穴の向こう側に咲く花

2017-03-12 03:37:00 | 間奏曲

 

 

 

 

 

 

 
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 昨年末に渡辺和子さんがなくなりましたね。

 私も一度だけ,渡辺和子さんの話を伺ったことがあります。以前にもブログに記したかもしれません。20年くらい前,上智大学でのことでしたね。あの,あまり大きくはないのに,芯の通った声が忘れられませんね。

 昨日朝,「NHK映像ファイル あの人に会いたい」で,渡辺和子さんが取り上げられて,その最後の言葉が,実に印象的でしたね。

人生には,穴が開くことがある,と思うんですね。しかしながら,人を恨んだり,『なぜなぜ』と訊くのではなくて,穴が開くまで見えなかったものを,その穴から見てやろう,そして,見えるんだ,そういう方へ自分を切り替えて生きたい

 なかには,穴を掘って置いて,そこに人が落ちるのを,ニヤニヤしながら待っている輩もいますね。穴に落っこちて,悔しそうな顔が出てくるのを待っている連中です。

 ところが,渡辺和子さんは,穴があったら,その中を善くよく見てやろう,という訳ですね。「穴」と言う置かれた場所にも花があり,そこでも,花が咲くことを信頼しているからですね。

 「おかれた場所で咲きなさい」と命令形で,言われることが多いし,渡辺和子さんも,そのようにおっしゃいますけれども,もともとの,ヘブライ語の言葉づかい,考え方からして,次のように言うこともできます。

 「おかれた場所で,花が咲くことになっていますからね

 渡辺和子さんの,番組での最後の言葉,さっき引用した言葉も,私の翻訳と通底するものがありますね。

 私どもも,穴の向こう側に咲く花,を見て生きたいものですね。


 

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