ケヴィン・コールマンさん。発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達との関わり方のコツを、よくよくご存じです。
The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大事にされなかったなら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.338の、最後のパラグラフから。
トラウマを負わされている青年は、心が響き合うことから著しく成長します。トラウマ・センターのトラウマ演劇プログラムで、私どもは、お互いに心が響き合うのを助けるために、鏡になる練習をします。トラウマを負わされている青年たちは、右腕を持ちあげれば、その相方もその鏡になります。右腕をグルグル回せば、相方はそれに応じて左腕をグルグルと回します。彼らは、身体がどういう風に動いて、表情がどんなふうに変わるのかを観察し始めますし、自分の自然な動きが、人の自然な動きと、いかに違うのかも観察しだします。さらには、いつもと違う動きや表現をするとどう感じるかも観察し始めます。鏡になると、人が自分をどう思うか、という先入観から解き放たれますし、人の経験に、考えて合わせるのではなしに、直感で合わせる ことに役立ちます。鏡になることが、クスクスと笑うことで終われば、私どものプログラムにご参加いただいた人たちは、安心と安全を感じていることを示しています。
ヴァン・デ・コーク教授も見事です。安心と安全を創り出す工夫を、どれだけ繊細に、大胆に創り出しているかがハッキリと分かりますでしょ。
ここで、ヴァン・デ・コーク教授が実践していることは、なにも、ボストンのトラウマ・センターじゃなきゃ、できないことではありませんね。
実際、私も、面接中、クスクス笑うことを大事にしています。発達トラウマ障害=抑制タイプの愛着障害が重たくて、うつ病になっちゃってるケースは難しいのですが、そうでないケースでは、クスクスと笑うことができますし、クスクスと笑うことが、今までトラウマに囚われていた自分から、発達トラウマ障害の子どもが解放される、最初の一歩になる訳ですね。
それと同時に、笑いが、発達トラウマ障害の子どもが、セラピーを終結する時のハッキリとしたメルクマールにもなる訳ですね。しかし、それはクスクスではありませんよ。
その笑いは、内側から輝く様な、あるいは、上からの光を照らし返す様な「光の笑い」ですね。
エリクソンが教えてくれていることでもあります。
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