エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

まずは落ち着いて : 発達トラウマ障害(DTD)セラピーの初め

2016-09-27 05:45:48 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「こうしたい」という意志が誕生する時
   人とのやり取りの中で、自分の気持ちを自由に出せないでいると、ビョーキになるのは、当たり前ですね。でも、この当たり前が「ガマン」という言葉を唱えている内に、忘れやす......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.133の、2番目のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 私はマリリンに落ち着くやり方を教え始めました。それは深く呼吸することに意識を集中するやり方です。「吸って、出して、吸って、出して」、1分間に6回呼吸するのです。自分の身体が呼吸している感じに注意が従っていくんです。これとツボを叩くことを組合わせたのです。ツボを叩けば、マリリンは気持ちが動揺しなくなりました。それからまた、マインドフルネスもやりました。それまで怖がっていた気持ちを身体が感じている間、気持ちがイキイキするようになることで、マリリンはゆったりと自分の来し方を振り返り、自分の体験を観察することができるようになりました。そうなれば、自分のいろんな気持ちを自分が、すぐに乗っ取られることも無くなりました。マリリンはそれまで、気持ちに対する恐れを、アルコールや身体をうごかすことで、ゴマカシ、失くそうとしてきたんです。しかし、いまや、自分が少女の頃に体験したことを思い出しても大丈夫と感じられるようになり出していたのです

 

 

 

 

 

 この深呼吸は、もちろん、マインドフルネスの導入です。呼吸に意識を集中することで、「気持ちが楽になります」だとか、「落ち着く」と人は言いますでしょ。穏やかになる気持ち、気持ちが勝手に暴走しない体験をして、それに慣れたら、自分の辛い過去を思い出しても、大丈夫になる訳ですね。

 ツボを叩くやり方は、私はやったことはありませんでしたが、今度ためしてみたいと思います。浜松医大の杉山登志郎さんがEMDRの際に、ツボを叩くやり方を組合わせるのが効果があると、昨年の心理臨床学会で言っていましたけれども、マインドフルネスと併用しても良いんですね。

 

 

 

 

 

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