エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ポツダム宣言の「ジーンと熱くなる」感動 3訂版

2015-05-22 06:00:07 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
そういうものにわたしはなりたい
  子どもの遊びから政治まで 序文では、儀式化と遊びについて、大切なことを教えられましたね。 特に、ウィリアム・ブレイク...
 

 国会で、共産党の志位和夫委員長と安倍晋三首相の党首討論がネットで話題ですね。ポツダム宣言が話題だそうですね。私もネットで、その国会中継を見ました。

http://mizu8882.blog.fc2.com/blog-entry-680.html

 志位委員長は、ポツダム宣言では、日本の戦争は侵略戦争であるから、「間違った戦争」だと位置づけているとして、安倍晋三首相に15年戦争は「間違った戦争だった」という認識を確かめるものでした。それに対して、ポツダム宣言を勉強したことがない、哀れな安倍晋三首相は「詳らかでない」ポツダム宣言を論評することは控えたい、と、日本が起こした15年戦争は間違いだったとは、口が裂けても言いたくない、という感じでしたね。安倍晋三首相のおバカ加減と、いつもの「ウソとゴマカシ」の姿勢をハッキリさせた点と、私どもも、「そうだ、僕もポツダム宣言読んだことないから、読んでみよう」と思わせてくれた点で、勉強熱心な志位和夫委員長の功績としたいと思います。

 ただ、気になる点も残りましたね。党首討論の時間が短いし、しかも、共産党に割り当てられている時間は、質問だけではなくて、安倍晋三首相の答えを含めて、7分と言う制約がありました。だけれども、志位和夫委員長の「あの戦争は間違っていたという認識がありますか」と言う質問は、「間違った戦争」と「間違いでない戦争」がある、という誤解を生む余地があるので、非常にまずい質問だと、私は考えます。なぜならば、「あらゆる戦争は、間違い」だからです。ですから、後方支援だけでも、「後方支援は戦争だから間違い」であり、それを許す様な法案自体が、憲法9条に反する違憲立法の試みだと断じることができます。

 私は、この話題を知って、ポツダム宣言を、この際きちんと読もうと思いました。それで英文とその翻訳を読んでみました。だけど、思ったのは、それだけではありません。丸山眞男教授の言葉を思い出しました。

 15年戦争は、安倍晋三首相のような、おバカな政治家と、それにマンマと騙された、数多くの日本市民によって、始められ、行われたのでした。一部、知識人、仏教やキリスト教の信徒、それから、共産主義の人といった、ヨーロッパと比べたら、極めて極めて少数の人が、明確に、あるいは、暗々裏に、戦争に反対しただけなんですね。そのごく少数の戦争反対という抵抗の記録は、同志社大学が出している『戦時下抵抗の研究』(みすず書房)に詳しいです。

 ポツダム宣言を最初に知り、かつ、理解できた人の1人は、その文書をラジオで「傍受」した丸山眞男陸軍一等兵だと言って、間違いないだろうと思います。横道付きの私は、この「一等兵」と言うのにも引っかかる訳ですね。丸山眞男教授は、すでに、当時、東大助教授でした。東大を卒業してすぐに徴兵された人たちでも、「大学出」ということで、教育訓練を受けると「士官」になれたんです。つまり、兵隊ではない、少尉以上のランクが保障されていた。けれども、丸山眞男教授はその道を選ばなかった。何故でしょうか?

 話がますます拡散しそうなで、ポツダム宣言に戻ります。ポツダム宣言が採択されたのが1945年7月26日。欧米のラジオに、すぐに流れたようです。広島県宇品の陸軍船舶司令部参謀部情報班の一員として、ポツダム宣言を読まれるのを傍受した丸山眞男一等兵は、次の言葉を「備忘録」に残しておられます。日付は7月27日です。

 「ポツダム宣言の全文をはじめて見た時『基本的人権の尊重は確立さるべし』という言葉、それを見た瞬間、からだ中がジーンと熱くなった」。

 当時「基本的人権」とは、大学の授業でもはばかられる言葉だったと思います。戦争とは、その「基本的人権」がいともたやすく蹂躙されることでしたし、戦争をやる前から、当時の日本は「基本的人権」が蹂躙され続けていることを知っていた丸山眞男教授にとって、戦争が終われば「基本的人権が確立される社会が出来る」と分かった感動は、どれほどだったでしょうか?!

 現在を生きる私どもは、ポツダム宣言を生かして作った現在の憲法を、狂気の安倍晋三首相の「おバカなハカリゴト」(unintelligent calculations )【ポツダム宣言の言葉】で台無しにされてはなりません‼


 

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