エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

最大の子育て支援策

2014-11-28 11:50:42 | エリクソンの発達臨床心理

 

 やれ、保育所が足りない、認可園も増やせ、などと言われます。その通りだと思います。いずれも、子育て支援として大事です。しかし、それだけではない、と加藤周一さんの真似をしたくなりますね。

 

 

 私が考える最大の子育て支援策は、残業の原則禁止、法定労働時間の順守です。2014年11月12日(水)の「朝日新聞」(12版▲p15)に、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科博士課程に在学中の渡辺真弓さんが、「保育園不足 描けぬ『働く母親』の未来」と題して、文書を寄せていますね。渡辺さんも、日本社会が働く女性にとって暮らしにくいのは、単に保育園が足りない、では語り切れない、と言います。そもそも日本社会は、女性が働く意欲を持ちにくい構造を内蔵している」と、日本社会の構造的欠陥を指摘しておられます。なるほどなぁ、と思います。

「主に正規雇用者に顕著な長時間労働の蔓延により、妻は重い家事・育児負担を余儀なくされる。また、同様の長時間労働をしなければ、キャリアが抑制される。働き続けることができても仕事のやりがいを持ちにくい」

 法定労働時間という、法治の不徹底がこの背景をなすことは、火を見るより明らかですね。ですから、残業の原則禁止、法定労働時間の順守、すなわち、8時間労働を徹底する、子育て時には、差別のない短時間勤務を徹底することが、何よりの子育て支援策になる訳ですね。

 日本の労働政策は、福祉政策があまりにも貧困であるのと同程度に、あまりにも貧困なんですね。労働政策の貧困が、日本社会の構造的欠陥をなしているわけです。

 この視点も、次回の投票時に、どうぞご活用くださいね。

 

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