エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ルターのメンター

2013-12-17 04:50:58 | エリクソンの発達臨床心理

 

 ルターの発作に対するいろんな見方があることが分かります。

 

 

 

 

 ルター本人は、この発作の話に一度も触れたことがありません。ただし、ルターは後年になって弁舌さわやかな時期に、体のことでも心のことでも苦労したことについて、並はずれて自由に話をしました。ルターという人は、1つの洞察になるまで闘った、こういった苦労していた状況について、非常に鮮明に覚えています。しかし、ルターはすっかり意気消沈した苦労に関しては、この限りではありません。このように、ルターは晩年になって、25才の時に、恐ろしくも、汗ばむほど、おっかなかった発作になったことをよく覚えていました。それは、彼がコルプス・クリスティの祝日に、自分に先生のシュタウピッツ先生の後ろで、行進しているときのことでした。シュタウピッツ先生は、聖域中の聖域に達するような立派な人でした(このシャタウビッツ先生こそ、後で見るように、ルターが出逢い、認めた最高の父親代わりでした。この先生は、ルターが自分の部下の時に、真実な「宗教的動物」であることを認めて、治療的な英知を用いて、ルターを治療した人でした)。

 

 

 

 

 

 この人にあって、あの人有り、ということでしょう。ルターは、シュタウピッツ先生というメンターに出逢うことによって、はじめてルターになれたのです。

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