エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の子どもが、解離の時の苦しみ

2016-08-10 07:17:25 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
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 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。、TRASCの症状を軽減しておかないと、確かにセラピーが続きません

 最終章の第7章、p.282の2行目から。

 

 

 

 

 対照的に、トラウマに関わる変性意識(TRASC)になる解離反応は、これまでの章で申し上げましたように、解離反応のために、(1)クライアントはいまここをケンケンすることができないで、過去にフラッシュバックしてしまう、(2)クライアントは、恐怖、疑惑、嘲笑の声に混乱し、どうしていいのか分からなくなっとしまって、手近にあることに拘って、周りが見えなくなってしまう、(3)クライアントは経験的に、自分の身体から切り離されて、自分が怖いと思っている気持ちに向き合えず、また、自分で恐怖に対応することが出来ないから、恐怖を克服することができません、(4)クライアントは、自分のいろんな気持ちが分からなくなり、それは、性格が陰気でも、陽気でも、変りません。その代わりに、自分の気持ちも人の気持ちも分からない状態で、あるいは、「情緒的に受け付けない」状態で、自分の気持ちから切り離され、また、いろんな気持ちに圧倒されて、自分が何をしているのか分からず、内省することもできないために、気付きも洞察もできません。

 

 


 

 

 解離の状態が、いかに苦しいものかお分かりいただけたと思います。そんな子どもがいるの? と思う人もいると思います。私の臨床的感覚からすれば、かなりの子どもに解離がありますね。手遊びや玩具に拘る子ども、いつでも、ぼうっとした感じの子ども、下を向いていることが多い子どもは、一度解離ではないか、とよく観察することが大事です。

 

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