エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の人が「どん底でも、もう暗いって感じじゃない」と言えるまで

2016-09-20 19:58:37 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
暴力を振るう小学生、10,000人以上 救いのない現実
  ≪約束≫ :日常生活が、信頼と希望の源になるときアメリカ人の夢 光と影2013-09-18 03:37:13 | エリクソンの発達臨床心理アメリカ人の生......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人

 最終章の第7章、p.291、最初の面接者から。

 

 

 

 

 

 

 面接者 : もっと希望があるっておっしゃいましたね。それはどういうことですか? もっと希望があるってどういうことなんですか?

 キム  : あのね。明るいって感じるだけ…。えっーとね。どん底でも、もう暗いって感じじゃない。どん底は、以前は、真っ暗で、金切り声がして、壁は血糊でベットリでしたよ。今は違いますもんね。今の気持ちじゃないと思うのね。もう、あのゾッとする感じはありません。どん底は、前は、恥ずかしくてうつむく感じで、抑えつけられた感じもあつて、重かったんですよ。落ち込めば、怠け者ってわけじゃないけど、ベッドに横になっていたがったんです。一番のお気に入りみたいに、ベッドから出ないのが良い感じだったんです。コップ一杯の水に手を伸ばすのが、仕事みたいだったんですからね。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の人は、何をするのも嫌な場合があります。あるいは、どいつもこいつもバカに見える人もいます。あるいは、自分が何をするのでも、自分は悪いことをしている感じの人もいますね。

 いずれも、虐待やネグレクトがきつい場合でしょう。しかも、まだ、どん底まで至っていないケースでしょ。どん底に降りていくのは、ゾッとするほど恐ろしい、オッカナイことですからね。

 でも、そこを敢えて、下りていくと、下りていかざるを得なくなると、キムさんみたいに、どん底で、ハッとする体験ができるのでしょうね。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 発達トラウマ障害(DTD)の虐待... | トップ | インターメッツォ: イライ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿