倫理的な私は、葛藤から生まれる発達は、親や会社や世間に都合のいい「偽りの自分」が育つことではありません。「本当の私」、「ありのままの私」が育つことです。ですから、いつでも何度でも、その「本当の私」と......
2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること 意識、神経科学、治療』の翻訳。 最終章の第7章、p.276から。
未知なることに対する衝撃的な驚きや心細さは、私どもが自由になるための旅時には付き物でしょう。セラピーをしようと思っただけで、恐ろしい。トラウマを負わされた人たちにとって、セラピストとの関係は、男でも女でも、他の知り合いとの関係と似たり寄ったりです。危険で、予測不能で、恥も外聞もないことになりかねません。他人を信頼することなど、セラピーの初期段階には想像もつきません。クライアントとセラピストの間の信頼関係ができるのは、セラピストが頼りになるか繰り返し試された後のことです。
セラピストでなくても、人を相手にする仕事を誠実にしていれば、どなたでも出くわすことですし、体験することです。
信頼は赤ちゃんの時の発達危機に関わることでしょ。クライアントは、13歳になっても、33歳になっても、53歳になっても、83歳になっても、セラピストや人と関わる仕事を誠実にしている人との間で、100回くらい繰り返しやり直され、100回くらい試されることによって、初めて、0歳の信頼は回復するものです。
つまり、信頼は100回くらいのお試し期間が必要だ、ということです。
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