今月の薬師詣では八潮市の福蔵院を訪ねることにしました。雨で寒い一日でした。
出かける前に地元の慶林寺に参拝して行きます。参道入口の河津桜も例年なら少し前の節分のころには一輪二輪と咲くのですが……。
さほど強い風ではありませんが、道中ずっと北寄りの風が吹いていました。
北小金から新松戸→南流山と一駅ずつ乗り、南流山でつくばエクスプレスに乗り換えて、八潮駅で降りました。
つくばエクスプレスの開業は2005年。八潮駅も同じときに開業していますから、ちょうど十年ということになりますが、周辺はそこらじゅうに空き地があって、まだまだ開発途上という感じです。
潮止橋で中川を渡ります。松戸駅と八潮駅を結ぶ京成バスが走っていました。
氷雨が絶え間なく降っているので、鞄から地図を出すことができません。
八潮駅から十数分歩いたあたり、そろそろこのあたりで右折ではなかろうかというところに、すでに店を閉じて久しいと思われる建物があり、トタン屋根の車庫があったので、庇を借りて雨宿りしながら、鞄から地図を取り出しました。
私が立ち止まったのは曲がるべき角をほんの少し行き過ぎていたところだったので、戻ります。
まばらに商店が点在する古新田通りを進んで行くと、進行方向左手に古新田稲荷神社があり、向かい合わせて目的の福蔵院がありました。
八潮駅から二十分で福蔵院に着きました。「八潮市史」によると慶安三年(1650年)の開創とされています。
本堂右にあった薬師堂です。前に弘法大師像があったので、てっきり大師堂だと勘違いして、素通りしてしまいました。ノーマークだったので、当然カメラにも収めていませんから、「猫の足あと」というサイトから画像を拝借しました。
本堂には賽銭箱がなかったので、お賽銭もあげていません。
「新編武蔵風土記稿」には「新義真言宗、葛飾郡金町村金蓮院末、薬王山最勝寺と號す、本尊弥陀、立像長三尺餘、春日の作と云。法流開祖傳燈宝暦年中(1751年-63年)示寂とのみ傳へ、其餘のことは詳ならず。薬師堂」とあったので、三百年も前の記述とはいえ、事前に下調べを済ませておけば、実際はなくなってしまっていてアテが外れるということもありますが、弘法大師像に惑わされることなく、瞬時でも立ち止まったかもしれません。
寒かった上に雨だったので、この日は地元の慶林寺を除くと、薬師詣でをしたことになっていません。いつか再訪しなければなりません。なりません、という宿題を残した薬師詣でになってしまいました。