五月の薬師詣では、八日の縁日は所用があって行けなかったので、十二日に日延べ。豊島区高田を歩いてきました。
西日暮里で山手線に乗り換えて大塚駅で下車。
大塚駅前から何年ぶり、いや、何十年ぶりかの都電に乗って六駅。面影橋で降りました。
二十代前半、東京に出てきた(戻ってきた)ころ、六文銭(及川恒平)の「面影橋から」を聴きながら、神田川に架かる橋のことだとはわかっていながら、全体どんなところだろうと想像を逞しくしていましたが、感受性も想像力も豊かだったそのころから、じつに半世紀という歳を隔てて訪れることになりました。
独り電停に降り立ってみると、案の定というかなんというか、特段感じることは何もなく、そさくさと道路を渡りました。
その面影橋で神田川を渡ります。
高田氷川神社前を通って行きます。
「豊島区教育委員会の掲示」によると、この神社の創建は武蔵国一宮の氷川神社(さいたま市大宮区)を当地に分霊したことに始まるとありました。祭神は、素盞嗚命・奇稲田姫命・大巳貴命(大国主命)の三柱で、平安時代の歌人、在原業平(六歌仙の一人)も参拝したと伝えらています。
主神が素盞嗚命であることから、俗に「男体の宮」といわれ、奇稲田姫命を主神とする落合村(新宿区下落合)の下落合氷川神社の「女体の宮」と合わせて、「夫婦の宮」と呼ばれていたということです。
面影橋の電停から五分で今日最初の目的地・南蔵院に着きました。
「新編武蔵風土記稿」には「開山圓成比丘と云、本尊薬師は聖徳太子の作長三尺(約90センチ)、或云此像は奥州(藤原)秀衡の持佛たりしか、圓成比丘回國のをり夢の告ありて笈にうつして此高田の里に至るに、笈俄に重りて盤石の如し、此地有縁の地なればとて草堂をいとなみ安置すと云」と記されています。
境内の六地蔵。
南蔵院から四分で金乗院山門前に着きました。
金乗院は別名・目白不動とも呼ばれています。
「豊島区教育委員会の掲示」によると、開山永順が本尊の聖観世音菩薩を勧請して観音堂を築いたのが草創、とされており、創建は天正年間(1573年-92年)と考えられています。
昭和二十年四月の戦災で本堂は焼失しました。現在の本堂は昭和4四十六年に再建され、平成十五年に全面改修されましたものです。
祀られている不動明王は、かつて関口駒井町(文京区)にあったものですが、昭和二十年五月の戦災によって寺院が焼失したため、金乗院に合併され、本尊の目白不動明王像も移されました。江戸守護の江戸五色不動(青・黄・赤・白・黒)の随一として名高く、目白という土地の名は三代将軍・徳川家光の命による、といわれています。
金乗院に参拝したあとは道を間違えてしまいました。実際は金乗院前の交差点を右折すればよかったのですが、直進してしまいました。宿坂という長い上り坂を上り詰めると目白通りで、その交差点が鬼子母神の表参道入口になっています。ここで初めて道を間違えていることに気づいて引き返したのですが、上りよりは楽だったとはいえ、長い下り坂に、脊柱菅狭窄症で痛めた腰とパーキンソン病でままならぬ脚の運びがもどかしくなってしまいました。
金乗院前から実際は二~三分で着くところ、十七分も費やしてやっと根生院山門にやってきました。
根生院は春日局の猶子・榮春法印が開山となり、寛永十二年(1636年)、徳川幕府西の丸祈願所として神田白壁町に建立されました。正保二年(1645年)、下谷長者町へ移転。元禄元年(1688年)、本郷切通坂知足院跡へ移転。明治二十二年(1889年)、上野池端七軒町へ移転、明治三十六年(1903年)、現在地へ移転しました。
根生院参拝を終えたあとは、やはり薬師如来を祀る護国寺に向かうつもりでしたが、激しくなってきた腰痛が先の宿坂の上り下りですっかり悪化。
グーグルマップでシミュレーションを試みると、根生院から護国寺まで二十一分! と出たところですっかり行く気をなくし、護国寺から最寄りの都電・東池袋四丁目電停まではさらに十八分、都合約四十分を歩き通さねばならぬと思うと、気力はすっかり削がれてしまいました。よって、
今月の薬師詣では根生院で打ち止め。面影橋電停へ引き返して帰ることにしました。
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かなり興味がわきました。
血栓症で通院している病院から薬師寺が見えます。
古都の薬師参りをしてみたいです。
おぢさまのような詳細は記述できませんが。
新しい試みです。
お不動様も好きです。
血栓症の通院が7月なので。
薬師寺の隣の唐招提寺は大好きです。