桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

2016年五月の薬師詣で・成田市

2016年05月08日 22時59分35秒 | 薬師詣で

 今月の薬師詣では成田市船形というところにある薬師寺と宗吾霊堂内の薬師堂を訪ねることにしました。

 北小金から新松戸~西船橋~船橋と乗り継いで、京成電鉄の公津の杜(こうづのもり)駅で降りました。



 待っていたのはこんなマイクロバスでした。
 成田市が千葉交通というバス会社に委託している路線で、料金は一律¥200。スイカは使えないだろうと思い、お賽銭用と合わせて、百円硬貨をしこたま持って行きましたが、スイカもパスモも使えました。

 渋滞もなく、途中で乗り降りする人もほとんどなく、バスは結構なスピードで飛ばしますが、時計を見ると、時刻表どおりに走っていました。



 乗車二十分。和田というバス停で降りました。
 もう一つ先の印東体育館というバス停で降りれば、目的地により近く、帰りもあくせくすることもなかった、とあとで気づくのですが、インターネットで知り得るだけの情報を元に、知らない土地のバス停に降り立ったのですから、仕方がありません。



 南東の方角にこんもりと樹の茂る丘が見えました。持っていた地図と照らし合わせると、今日最初に目指す薬師寺がある丘のようです。

 先のバス停の画像では読みとることができませんが、私が乗ってきたバスは五つ先が終点でした。そこで十分間待機したあと、折り返してくるのが約二十分後。それを逃したら、次のバスまで三時間近く待たなければなりません。
 よって、急いで歩かなければなりません。



 バスを降りて歩くこと五分。薬師寺門前に着きました。

 



 やや小ぶりながら、歴史のありそうな金剛力士像です。
 この木造金剛力士立像は、近年、解体修理を行なった際に、腕と体の部材に大永二年(1522年)と天正二十年(1592年)の修理墨書銘が見つかったそうです。また、江戸時代中期に刊行された「成田参詣記」の薬師寺の挿絵には、すでに仁王門が描かれており、このころには像があったと考えられます。

 向かって左側に立つ吽形像(画像上)は左手を握り、右腕を折って掌を開いて構えています。右側の阿形像は、右腕を下げ、左手に金剛杵を振り上げています。

 腰のひねりが少なく、筋肉表現に誇張がみられない点や衣の表現方法には平安時代後期の作風だそうですが、裳が身体に密着せず、衣文に直線的処理が目立つ点は鎌倉時代前期の特徴だということです。本堂に祀られている本尊の木造薬師如来坐像がやはり古様を残す鎌倉時代前期の作品とみられることもあり、ほぼ同時期のものと考えられる、ということです。



 薬師寺はもと麻賀多神社惣社の神宮寺で、成田市西端の印旛沼の近くに位置しています。かつてはいまよりやや北に隔たった台地に所在していたと伝えられています。




 堂内を覗くと、三尊像と数々の仏像が安置されているのが見てとれましたが、詳細はよくわかりません。



 像は檜材、前後割矧造で、玉眼がはめこまれた高さ54・3センチです。
 緩やかに面を取った幅の広い胸腹部の造りや、胸を少し後ろに引き起こした姿勢は平安時代後期の作風を残していると視られます。しかし、やや眼が吊り上がり、頬のしまった面相や、彫り込みの深い衣文には鎌倉時代の作風が顕著で、制作時期は十三世紀前半には遡るものと考えられています。

 滞在時間が限られているのに、ここではもう一か寺訪ねなければなりません。



 薬師寺門前から100メートルも離れていないところに東永院という曹洞宗のお寺があるので参拝します。
「成田市史」には「船形にあり、超林寺(成田市)末で、大永六年(1526年)八月、船形の楫波山城主船形越前守胤信が超林寺第二世松厳周鶴を開山として創建した」と記されています。
 長い間、廃寺同様だったようですが、平成二年十二月に本堂を新築した、という石板がありました。



 本堂後ろに歴住の墓所がありました。

 いまのところは史料が何もない上、墓石に彫られた文字は摩耗していて読みとることができなかったので、どのような住職がおられたのかわかりませんが、人家も少ない土地に、釈尊正伝の仏法を広めて下さった方々がいらっしゃったお陰で、我が宗派の教えが連綿と繋げられたと考えると、感慨深いものがあります。

 なんとか帰りのバスに間に合って、往きは通り過ぎた宗吾霊堂前で下車しました。バス停周辺はそこそこの観光地という雰囲気です。



 佐倉宗吾こと木内惣五郎(?年-1653年)の墓。

  大山門です。



 この日二つ目の目的地・宗吾霊堂の薬師堂です。



 大本堂。



 帰りのバスの便はないので、最寄りの宗吾参道駅まで歩きます。



 宗吾参道駅です。



 地元に帰ってきて、薬師如来をお祀りする慶林寺に参拝。
 これにて今日のお勤めは終了です。

コメント
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