桔梗おぢのブラブラJournal

突然やる気を起こしたり、なくしたり。桔梗の花をこよなく愛する「おぢ」の見たまま、聞いたまま、感じたままの徒然草です。

慶林寺の桜

2019年10月20日 21時40分50秒 | 風物詩

 いつものように慶林寺のお参りを済ませたあと、いつもとは違うことに気づきました。ヒガンザクラ(彼岸桜)の樹に白い花のようなものが数輪咲いている、と見えたのです。

 いや、「のようなもの」ではなく、まさしく花……と気づいたのは、今日ではなく、二日前の十八日のことでした。十八日という特定の日でなければ、この樹の下は歩きません。



 なぜならば、十八日は観音様の縁日だからです。
 毎月十八日は午前中に東漸寺(本堂と観音堂)にお参りしてお賽銭をあげ、一旦庵に帰ったあと、午前中遅くか、午後早く出直してきて、この観音様と対面するのです。
 普段であれば、画像左・屋根の上に宝珠の写っている本堂に参拝するだけ、その本堂の真ん前にある参道を行き来するだけですから、観音様と間近で対面することはありません。

 観音様の前はお寺の駐車場です。彼岸桜はその駐車場の上に枝を延ばしているのです。
 ただ、なぜそこで目を上げたのか、不思議です。花のようなものが見えたので近づいたわけではありません。



 こんな花が一輪、二輪……。
 立ち止まって見上げ、グルリと頭を巡らせると、もっとありそうですが、このところずっと天気には恵まれず、曇り空ばかりです。灰色の空が背景では、花のようでもあり、葉っぱが黄変したまま残っているようでもあり、きっちりと判別することはできませんでした。



 幹には名札がかけられていて、確かに樹の名が記されていた、という記憶はありますが、名札は永年の風雨に晒されて、たんにビニールに覆われた白い紙と化しています。そこになんと記されていたかは記憶にありません。確か彼岸桜であったはず……と思ったので、そう記しましたが、もしかすると、違う種類かもしれません。
 この樹の左隣には河津桜、右隣には御衣黄桜と、この桜に較べると派手な花を咲かせる樹があるので、私のみならず、人々の注目度も薄く、記憶も薄いようです。

 十月に咲くなどというのは、いわゆる狂い咲きといわれる現象なのでしょうか。
 狂い咲きだとしたら、葉っぱがなくなることと深い関係があるようです。葉っぱは台風で引きちぎられてしまうこともありますが、それだけではありません。アメリカシロヒトリという蛾の幼虫がサクラの葉を食い荒らすこともあるのです。アメリカシロヒトリは通常、年二回(六月上旬~七月中旬と八月上旬~九月中旬)発生します。

  春と秋とでは様子が違うのかもしれませんが、春の開花のころの天気予報を聞いていると、咲く前に一度寒くなることが条件だ、といっていたような気がします。
 狂い咲きと食害はどんな関係があるのでしょうか。桜の花芽は花が散ったあと、夏の間にできます。そして、冬の低温に備えるために葉から休眠ホルモンというものを出し、花芽を硬くして、翌春まで咲かないようにしている、というのです。しかし、虫による食害や台風などでほとんどの葉を失ってしまうと、休眠ホルモンの供給がストップしてしまいます。すると、休眠できずに秋、気温がちょうどころあいになったころ、花が開いてしまうのです。
 秋に花開いてしまったところは翌年になっても花はつかないそうです。ただ、全部の花芽が狂い咲きするわけではないので、狂い咲きした桜でも翌春に花を楽しめるのだそうです。



 彼岸桜の全容です。
 てっぺんのあたり ― 枝先にはまだ葉っぱが残っています。ということは、アメリカシロヒトリの犯罪ではなく、何度もきた台風や低気圧のせい、とみるのが正しいようです。



 参道にあるハナミズキ(花水木)の紅葉が始まっていました。



 実も紅く熟していますが、この実は有毒だそうです。

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2019年十月の薬師詣で・さいたま市浦和区

2019年10月08日 22時49分58秒 | 薬師詣で

 今月もさいたま市内の薬師堂を巡ります。
 さいたま市を中心に足立十二寅薬師と関東東向寅薬師という二つの薬師巡礼があります。合わせて二十五の薬師があるのですが、浦和駅と北浦和駅の周辺には、前地薬師堂、岸町薬師堂、上寺薬師堂、金井(元町)薬師堂、東泉寺薬師堂と五つもの薬師堂があるので、一気に巡り終えんものと出かけることにしました。

 この日の天気予報は前々日まで曇一時雨でしたが、前日になると雨マークが消え、終日曇に変わりました。先月の薬師詣では三度も雷雨に見舞われているので、雨でないというのはありがたいのですが、曇だというと、気のせいか頭の中がモヤモヤしてしまいます。



 遠出をする前に地元の慶林寺に参拝します。



 新松戸と南浦和で乗り換えて、浦和駅で降り、東口に出ました。浦和駅は何度か利用していますが、これまで降りたのは西口ばかりで、東口を利用するのは初めてではないかと思います。



 浦和駅から歩いて十分強で前地薬師堂に着きました。足立十二寅薬師と関東東向寅薬師とあるうちの足立十二寅薬師第七番です。

 住宅街の中にブロック塀で囲まれた一角があり、その中にいくつかのお墓とこの薬師堂、もう一つの御堂(阿弥陀堂)が建てられていました。薬師堂のかたわらに建てられた石盤があるので、近づいてみると、「前地薬師堂建立記念碑」とあって、この墓所は天台宗別格本山吉祥寺の末で、昔ある阿闍梨の隠居所として建てられたという旨が記されていました。吉祥寺といえば緑区にある寺院で先月参拝したばかりです。

 と、ここまではよかったのですが、薬師堂への参拝を終えた直後、体調がおかしくなってきました。
 このところあまり優れない私の体調ですが、庵を出発するときはいつもどおり、可もなく不可もなくでした。しかし、新松戸で武蔵野線に乗り換えたころから、なんかおかしいゾ、という感じになってきました。
 いくつか持病を持つ身となっているので、おかしいゾ、と思うようなことには慣れっこになっていますが、四週間前の診察のとき、ちょうど風邪気味だったので、解熱剤としてロキソニン60ミリを処方されていて、日々の買い物のときでも忘れずトートバッグに忍ばせていたのに、この日はうっかり携行するのを忘れていました。

 前地薬師堂の次にお参りするのは岸町薬師堂。東北線の東側から西側へ移って行く形になります。本来ならほぼ真横に歩いて行けばよかったのですが、イブAかバファリンを買うために一度浦和駅へ戻ることにしました。
 スマートフォンを持つようになったので、こういうときは助かります。「浦和駅&薬局」で検索すると、たちどころにドラッグセイムスというチェーン店が見つかったので、行って、イブAと常備薬にしていながら底を突いていた葛根湯顆粒を求めました。
 イブAやバファリンは私にとってはプラセボ(偽薬)です。鼻がグズグズしたり、ときおり夕方になると熱っぽくなったりすることがあります。風邪かな(?)と思ったとき服んだりすると、体調は格別変にはならずに済むのです。



 ニューデイズでサントリーのヨーグリーナを買ってイブAを服み下し、浦和駅西口から再スタートします。
 十一分で岸町薬師堂に着きました。関東東向寅薬師第十二番です。こちらも住宅街の中。



 奉納された絵馬はおびただしい「め」の大群でした。



 岸町薬師堂から七分。玉蔵院前を通って行きます。これは玉蔵院の地蔵堂。

 玉蔵院は弘法大師が創建したと伝えられる真言宗豊山派の古刹です。桜の名所としても名高く、本堂横には樹齢百年以上のしだれ桜があります。


 地蔵堂の右隣が本堂。本尊の大日如来坐像が祀られています。左に垂れ下がっている枝が樹齢百年以上といわれる枝垂れ桜です。



 本堂の前、道を挟んで小公園ふうの空間があり、その中に鐘楼塔があります。


 
 この山門を通り抜けて、短い参道を歩くと、旧中山道(国道463号線)です。



 カメラに収まっているのは旧浦和宿のあった南端あたりの風景です。



 玉蔵院門前から旧中山道を歩いて、七分で成就院に着きました。
 山門の柱にカッコつきで記されているように、地元では成就院というより、上寺(かみでら)と呼ぶのが普通のようです。



 上寺薬師堂(関東東向寅薬師第二番)。創建年代は不詳。



 薬師堂前には賽銭箱がなかったので、右隣を見ると、二階建ての客殿と繋がっていますが、南無遍照金剛の幟が立てられた建物があります。前には香炉があって、賽銭箱もあったので、こちらにお賽銭を……。

 このあと、ここから1キロ先(徒歩十三分ぐらい)にある金井薬師堂(足立十二寅薬師第五番)、さらに1・6キロ先(同十九分)の東泉寺薬師堂(同第四番)と足を伸ばすつもりでしたが、脚も身体もどうにも重くて堪らなくなってきました。

 毎日毎日決して万全とはいえない体調と付き合いながら生きていますが、これまでなら気持ちが悪くなったり、なんとなく体調がおかしいと思えるとき、イブAかバファリンを一錠口に含めば、大体はなんとかなったものです。ところが、この日は様子が違っていました。普段なら、間髪を置かずに薬を服用することができたはずでしたが、この日は外にいて、しかも薬を持っていなかったというアクシデント。時間を置いて服んだからかどうか、効き目がないようでした。無理をしては元も子もないと思ったので、今日の日はここでギブアップすることに。



 帰りは浦和駅西口から。



 西口前にあった浦和うなこちゃんのモニュメントがなくなっていました。この画像は七年前の2012年五月、所要で浦和へ行ったときに撮ったものです。どこに移されたものやらと帰ってから調べてみると、直線距離にして60メートルほどの場所に移された、とか。今日は対面することなく帰ることになりました。

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ピラカンサスと大葉

2019年10月03日 18時22分03秒 | 

 庭にあるピラカンサスの実が紅く色づいてきました。

 


 五年前まで、毎年白い花を咲かせ、十月のなかばごろになると、小粒のルビーのような実をびっしりと実らせるのが常でしたが、五年前を最後に、花も実も見ることがなくなりました。

 なぜか、というと……。

 四年前の夏、エッジトリマーを持った庭の草刈り隊がやってきて、根元スレスレのところで刈り取ってしまったからです。
 草刈り隊は毎年やってきますが、毎年別人です。独りだけのこともあり、複数人のこともあります。
 私としては目を光らせているのですが、日課の慶林寺参拝と買い物に出ているスキにやってきて、帰ったときには庭の樹々が全滅、ということがままあるのです。
 そういうことを凌ぎつつ四年。ヒョロヒョロとですが枝を延ばして、ようやく実を結んでくれました。

 今年一月、メジロ(目白)が一羽だけやってきたのを見たことがあります。そのころはこのピラカンサスが枝を充分に延ばしておらず、実もつけていなかったので、この画像の右にある雪柳(写っていません)の下枝の間に隠れたりしていましたが、啄むものなど何もないので、がっかりして帰ったのかもしれません。
 来年はつがいのメジロがやってくるかもしれません。



 大葉の花です。毎年毎年花を咲かせてくれるのに、実を結ぶ形跡がありません。結んだのかもしれないけれど、地に落ちて芽吹いたことがありません。

 ぢぢいになると、イライラすることが多くなるらしい。
 と、
いうことを知って、数年前からプランターで育てることにしています。葉に含まれているぺリルアルデヒドとカルシウムがイライラを抑えてくれるらしいのです。
 葉の大きさは不揃いですが、大きなものだと、スーパーで売っているものの倍ぐらいの大きさになります。収穫できると、刻んで味噌汁に入れたり、お茶漬けに載せたり、おにぎりに巻いたりして堪能しています。

 しかし、効能のほうはまだ効いているとは感じられません。ひょっとしたら、効果はあるのですが、ぢぢい化が深まる速度のほうが早いのかもしれません。



 こちらはエゴマ(荏胡麻)の花。
 大葉と同じように、数年前から栽培しているのに、蝶や蜂が好まないので受粉しないのか、あるいは別の理由があるのか、花は咲いても種を結んだことがありません。

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