四月の終わりごろからいまごろにかけて、私が日参している慶林寺の参道には著莪(シャガ)、花水木(ハナミズキ)、酔仙翁(スイセンノウ)という花々が入れ代わり立ち代わり咲きます。その中に、蔓日日草(ツルニチニチソウ)という草花もあるのですが、私はこの花の名を知りませんでした。
草木の花というものは植物図鑑で調べても、なかなか正体の知れぬものがあります。アイビーを思わせるような葉叢の中に「大」の字に開いた青い花弁があります。青色と季節とで捜してみるのですが、なかなか行き当たりません。花の名は不明のままでした。
三日前の今月八日、たまたま私のブログを訪問して下さった方があり、どんなお方であろうかと逆探知を試みると、花が好きな方のようで、いろんな花の画像に混じって、このツルニチニチソウがありました。
得たりやおう、とばかり慶林寺の参道に駆けつけたのですが、今日はもう花期が終わっていました。
画像では捕らえられていませんが、すでに萎れてしまった花が数輪残っています。
これは昨日、たまたま撮した最後の一輪です。
スイセンノウのほうはこれからが花盛り。
同じブログには姫蔓日日草(ヒメツルニチニチソウ)も紹介されていましたが、この花は私は見たことがありません。
夕方近い時刻の散歩で、いつも歩く富士川の少し上流へ行ってみました。
富士川は常磐線をくぐる隧道の下では暗渠となり、再び顔を出すところでは用水路みたいな流れに姿を変えてしまいます。
ガードレールと鉄の網に囲まれた下が用水路みたいな富士川の流れです。左の斜面に数本の針槐(ハリエンジュ=ニセアカシア)の樹があります。
やっと咲きました……。
というのは、今月初め(二日)に見にきているのですが、そのときは花こそ咲き始めてはいたものの、単発的にチラホラ咲いているという感じで、ハリエンジュ独特の房状の形態が見てとれなかったのです。
樹木図鑑には「五~六月ごろ、強い芳香のある白い蝶形の花を10~15センチほどの房状に大量に咲かせる」とありますが、距離があるので、カメラの望遠レンズで覗いて初めて花の形がわかります。
北アメリカ原産で、明治期に輸入されたものが各地で野生化しています。きれいな花が咲き、観賞用として価値が高いことから、もともとは街路樹や公園用として植栽されたようです。しかし、根から根萌芽が多数出るなど、いたずらに繁殖力が強いので、在来種の害になったり、風で倒れやすいことなどから敬遠されるようになってきました。
日本に定着したのは本来のアカシアより早く、当初はアカシアと呼ばれていましたが、のちに本来のアカシアが入ってくると、ニセアカシアと呼ばれるようになりました。ハリエンジュは和名です。
本来のアカシアとは長いこと混同されていて、有名な札幌のアカシア並木、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」に歌われる「アカシア」、石原裕次郎の「赤いハンカチ」に歌われる「アカシアの花」などはいずれもニセアカシアです。
葉、果実、樹皮には毒性がありますが、花は花穂ごとてんぷらにして食べるほか、新芽は和え物や油炒めで食べることができるそうです。