一日かけて撤去だ。
そして新しいキッチンが座った。
妻は慣れないのかソワソワしていた。
何かを触ればキッチンが話し出す。
それに妻はハイハイと答える。
とても賑やかな台所になってしまった。
ヤフードームを出て唐人町の地下鉄の駅まで歩く。
今日は娘も帰りは遅いようなので天神で食事をする事になった。
天神で地下鉄を降りて、行って見たいところがあってちょっと覗く程度でしか考えてなかった。
店内に入り、EOS5Dmark2の値段を店員さんに聞いた。
これがいけなかったのだろう
「159、400円です。他にカメラバック、保護フィルターをお付けします。CFカードは2割引でお渡しします」
との事だった。
発売同時は30万円近くした。
半値に近い値段だ。
8GBのCFカードを選んで出た値段は171,500円、カードで10回払いにした。
裕福でないサラリーマンの一生に一度の大買い物だ。
払えるか不安はあったが、お金として消えていくんじゃなくて、モノとして残したい気持ちもあったのだ。
妻もしょうが無いな、と顔をしていた。
店を出て妻の案内で「えん家」という居酒屋に入った。
ビールで乾杯だ。
娘からもらった券で野球観戦、その勢いみたいな衝動買い。
父の日の前日はそんな感じで前祝だった。
鍋に焼き魚、鳥のから揚げなど、結構いい味を出していた。
たっぷり食って飲んで店を出て、天神のバス停でバスに乗った。
ヤフードームもそうだったけど、この商店街でも山笠の準備をしていた。
ガラガラのバスだったがどうも住吉方面には行かないようで、柳橋でバスを降りた。
降りてすぐに気がついた。
買ったカメラをバスに置き忘れたのだった。
すぐに公衆電話に行き、電話帳を調べて西鉄バスの忘れ物センターに電話した。
乗られた場所、時間、置き忘れた品物など、出来たら路線の番号を聞かれたが分からない。
とりあえずケータイの番号を教えて、後は連絡を待つしかない・・・。
妻がリビングの照明の掃除をしていたら、電気がつかなくなったという。
丸い蛍光灯が2つずつついたのが5本ついているどでかいやつだ。
取り外して部品を分解するけど、どうも掃除をしたときにグルリと回したようで、それで線が切れたようだ。
こりゃダメだね、と言って蛍光灯を外し、分解して埋め立てゴミに出した。
リビングにあるもう一つの蛍光灯を取り外してつけた。
こちらは傘をかぶった2本の蛍光灯、やっぱり暗い。
息子の同級生で家業の電気屋を継いでいる、セイジに電話した。
すぐにカタログを持って来て、妻に説明をしている。
「ほら、おとう、さくら色のシーリングとかあるよ」
とちょっとうれしそうな声だ。
「そんなんいらないよ、ただ寒暖の切り替えが出来るヤツが良いかも」
と言って一週間、セイジのヤツがシーリングライトを持ってやってきた。
天井から出ている部品から変えないといけないようで作業をしている。
いよいよ取り付け、なかなかシンプルでよろしい。
点けてみると結構な明るさだ。
カバーを取って中を見ると、無数のLEDから光が出ている。
カバーも特殊なようで虫の侵入をふさぐ工夫がされているという。
寒暖も5段階できるし、暗さも5段階調節できる。
しかし、問題はリモコンなのだ。
使い捨てライターとあまり変らない大きさ、点灯のスイッチは壁のスイッチで出来るが、寒暖や暗さはこのリモコン無いと出来ない。
失くさないように、そして踏み割らないように、壁にぶら下げるようにした。
約十年は大丈夫だというし、当然、電球の交換も必要ない。
わが家の節電対策もこんな出来事から始まったのだ。