福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ブルックナー♯8 ピアノ2手版を製本中

2014-05-12 13:25:16 | コーラス、オーケストラ


ブルックナー♯8のピアノ2手版を製本中。
中表紙には、アウグスト・シュトラーダルによる編曲 カール・ハスリンガー 元トビアス社 ウィーン とある。

ハスリンガー社の創業者トビアスは、ベートーヴェンの友人であり、初のベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集(ソナチネを除く30曲)を出版した人物。その息子カールの時代の刊行ということになる。
父トビアスがリンツの生まれ、ザンクト・フローリアン聖歌隊の出身という縁のあるのも、興味深い。



いまは絶版なので、某サイトよりのダウンロード。誰だか知らないけど、ファイルを無償で提供してくれている。奇特な方がいるものだ。
印刷した譜面がバラでは不便なので、スケッチブックに貼り付け作業をしている、という次第。思いのほか面倒ではあるが、途中でなげだすワケにはいかない。

もちろん、オルジナルは大オーケストラ。掌の大きさも指の数も足りず、そうでなくとも、私の貧しい技量では弾きこなす術はないが、それでも、ピアノに向かってブルックナーと語らう時間は至福である。
(ただし、チョコチョコ音の間違いがあるので、油断は出来ない)

なお、編曲の元となったスコアは改訂版。カットのほか、強弱記号などがクナッパーツブッシュの演奏とほぼ一致していることからも判る。

ブルックナー♯8のピアノ版は、この他にシャルク兄編曲の4手版(つまり、連弾版)も存在するので、近々印刷してみよう。

カヴァレリア・ルスティカーナ & 道化師 公開ゲネプロ鑑賞

2014-05-12 00:40:45 | コンサート
珍しくオフの日曜日の筈だったのだが、急遽、新国立劇場の公開ゲネプロに赴くことになった。
オーケストラの一員である桐朋学園時代の友人が、入場券を手配してくれたのだ。

それぞれの台本、音楽、演奏、演出、その他、いろいろ思うことがあって楽しく、有意義に過ごした。
本公演は、どの日も仕事の都合で観ることが出来ないので、その意味でも有り難かった。

ゲネプロなので、ここで評論はすべきではないし、しない。

ただし、これだけは書いても、怒られないだろう。
「道化師」での、ペッペの吉田浩之さん、シルヴィオの与那城敬さん、ブラヴォー!
主役級の外人歌手たちも素敵だったけれど、
彼らに、まったく引けを取らない歌唱と演技には本当に痺れた。

さて、会場では、演奏やお芝居とは別に気付いたことがある。
それは、ゲネプロがメディアへの宣伝の場ともなっている、ということだ。
やけに、下方の1階席から雑音が聞こえてくるなぁ、と思ったら、その正体はカメラのピントの合う電子音やシャッター音など。
音楽専科のカメラマンなら、サイレントのカメラで撮影するのだろうけど、一般のメディアはそこまでの用意はないのだな。
無料で観劇させて頂いた身なので、それへの抗議の気持ちは微塵もないのだけれど、もうちょっと気を遣ってもよいのでは?
と思ったりした。

あと、ひとつ懺悔を。
手配して頂いたチケットは4階席の第1列目。
一度は試みたのだけれど、高所恐怖症の私には、恐ろしくて、座席に辿り着くこともできなかった(笑)。
冷や汗は出るは、腰がひけるは・・・。
申し訳ないけれど、空いていた2階席の奥の隅っこに座らせて頂いた。
3階席の下のため、音は籠もり気味であったけれど、鑑賞には十二分であった。

事後承諾ながら、ここにお天道様に向かって、お詫びとお礼を申し上げる次第。