ブルックナー♯8のピアノ2手版を製本中。
中表紙には、アウグスト・シュトラーダルによる編曲 カール・ハスリンガー 元トビアス社 ウィーン とある。
ハスリンガー社の創業者トビアスは、ベートーヴェンの友人であり、初のベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集(ソナチネを除く30曲)を出版した人物。その息子カールの時代の刊行ということになる。
父トビアスがリンツの生まれ、ザンクト・フローリアン聖歌隊の出身という縁のあるのも、興味深い。
いまは絶版なので、某サイトよりのダウンロード。誰だか知らないけど、ファイルを無償で提供してくれている。奇特な方がいるものだ。
印刷した譜面がバラでは不便なので、スケッチブックに貼り付け作業をしている、という次第。思いのほか面倒ではあるが、途中でなげだすワケにはいかない。
もちろん、オルジナルは大オーケストラ。掌の大きさも指の数も足りず、そうでなくとも、私の貧しい技量では弾きこなす術はないが、それでも、ピアノに向かってブルックナーと語らう時間は至福である。
(ただし、チョコチョコ音の間違いがあるので、油断は出来ない)
なお、編曲の元となったスコアは改訂版。カットのほか、強弱記号などがクナッパーツブッシュの演奏とほぼ一致していることからも判る。
ブルックナー♯8のピアノ版は、この他にシャルク兄編曲の4手版(つまり、連弾版)も存在するので、近々印刷してみよう。