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新国立劇場「アラベッラ」初日を観劇。「アラベッラ」を生で鑑賞するのははじめて。いやぁ良かった。
「アラベッラ」は宇野功芳先生最愛のオペラのひとつで、一方、私のベストは「影のない女」。このあたり「女性を愛し、人生を愉しむ派」の宇野先生と「道を究める派」の私との嗜好の違いがハッキリ出るのが面白い(笑)。
今宵の白眉は「第3幕」。
アラベッラの弟として過ごしたズデンカがホテルの階段を駆け降り、生身の女を曝け出す場面には、その健気さ、美しさに思わずウルッときた。レコードではなかなかここまで感動しない。
この辺りからラストまで、シュトラウスの音楽も神業のような美しさ。
実は、第1幕は、まだアラベッラ役のアンナ・ガプラーにもズデンカ役のアニヤ=ニーナ・バーマンにも硬さがあり、特に前者のピッチが決まらないことから、この姉妹のデュエットもハモらないままに終わるなど、調子に乗り切れていなかった。それが、尻上がりに良くなって、終幕は魅せられた。
東京フィルの響きも、「ヴォツェック」や「道化師」に較べると薄手で、シュトラウスの難しさを感じさせたが、幕を追うごとに響きに充実感が増し、終幕は申し分なし。
きっと、2日目以降は更に良くなることだろう。できれば、もう1公演観たいところだが、あとはスケジュールとの相談だ。
日本人キャストも皆素晴らしかったが、共演経験のある望月哲也さん、萩原潤さんの見事な歌と演技は本当に嬉しかった。このお二人は外国人キャストの中にあって、日本人を思わせないところが凄い。
さて、本公演は18時半開演で22時少し過ぎに終演(25分間の休憩2回)という長丁場。
カーテンコールに付き合い過ぎて、危うく22時半新宿発のロマンスカーに乗り遅れるところであった。
しかし、その甲斐はあった。
衣裳担当の森英恵さんのお姿を拝めたので。恐らく初日だけの特典だろう。
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