福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

懐かしき長岡大手高校校歌

2014-05-25 15:25:28 | コーラス、オーケストラ




花いっぱい音楽祭では、長岡大手高校書道部による「書」パフォーマンスも披露された。このパフォーマンス、テレビなどで観ることは何度もあったけれど、生の実演ははじめてで、なかなか興味深かった。
コンサートホールのステージではなく、ホワイエでのパフォーマンス。

さて、この後、彼女たちにはステージでのパフォーマンスもあった。それは校歌を歌うことである。

長岡大手高校の校歌は、西脇順三郎の詩に三善晃が作曲したという、宇宙的なスケールの芸術作品。

「ああこの学園の人々よ、歌え」

という歌い出しから、歌う者、聴く者の心は遙か彼方に奪い去られる。
「学べ」でもなく、「立派な人になれ」でもなく、「歌え」という。
なんと美しい心であり、詞(ことば)であろうか!

「蒼紫野の森に桜咲き
心は清く香るとき
はるか天体の曲に相和し跳る」

「黄金のみのり野にあふれ
真理の極み満つるとき
すべて在るものは歴史ひらめくことか」

「名利を捨てて豊穣なり
この学びの故郷は尊し」

など、宝石のような言葉が並ぶが、それに付された三善晃先生の音楽がまた奇跡的。かつてラヴェルが「ウィンナ・ワルツ」をオマージュして創作した「ラ・ヴァルス」の如く、古来より日本全国に歌い継がれる「校歌」への愛情が木霊する懐かしくも新しい作品となっているのである。

さて、長岡大手高校の卒業生でもない私が「懐かしき」と言うにはワケがある。
20年ほど昔、私が長岡混声合唱団の前身である長岡第九合唱団の指導に通い始めた頃、自宅の電話が鳴り、長岡大手高校合唱部の顧問であられたM田先生より指導のご依頼を受けたのである。教育雑誌に発表した発声法に興味をもってくださったのだ。通い始めたばかりの土地からピンポイントで声のかかった偶然を驚いたものである。
夏の越後湯沢合宿に参加したときのこと、その最終日、部員たちから私へのお礼ということで、校歌を歌ってくれた。あの清らかな発声と汚れのないハーモニーによる校歌が、今も鮮烈に耳に焼き付いて消えることはない。私の音楽人生の中でも最美のひとつとも呼べるほど尊い時間であった。

だから、本日のリハーサル時間、楽屋前で寛いでいたとき、天井のモニタースピーカーから「長岡大手高校校歌」の前奏が聞こえて来たときには、部屋の鍵をかけるのも忘れて客席に飛んでいったのである。

そして、20年ぶりに耳にして、やはり、素晴らしい歌であることを確認した。
今日は、書道部のパフォーマンスということで斉唱ではあったけれど、確か合唱のためにも書かれており、いつかその声の響き合うヴァージョンでも聴きたいものだ。
というより、指揮したいなぁ。そんな機会は訪れないものだろうか? もちろん、無償で構わないので。



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音楽祭の日の朝食

2014-05-25 07:07:00 | グルメ


今朝の食事はこれ。
あまざけ。
島根県安来市、大正屋醤油店製造。もちろん、無加糖・無添加。
昨日、東京駅構内GRANSTAの某ショップで見つけて、思わず求めたもの。

かつて、健康長寿のため、朝食を抜くという生活を二年間ほど過ごしたこともあるが、最近では気の緩みからか、つい食べてしまうことも多い。
朝食復活のきっかけは、昨年の聖トーマス教会での「ロ短調ミサ」公演。宿泊先の朝食があんまり美味しくて、毎朝通ううちに脳が食べる習慣を思い出してしまったのだ。
それでも、なるべく、味噌汁だけ、自宅で絞る野菜ジュースだけ、バナナやイチゴだけなど、なるべく軽く済ますようには心掛けている。

今朝もホテルのレストランには行かず、部屋でひとりの「あまざけ」。あまざけこそ、ビタミンB類、食物繊維、アミノ酸からオリゴ糖までを含む、素晴らしき発酵食品だ。「飲む点滴」と謳われる所以である。
発酵食品は放射能にも強いというのは、広島・長崎を生き抜いた人々の体験に基づくお話。味噌汁のないホテルの朝には心強い味方だ。
それにしても、砂糖なしでこの甘さ、まさに奇跡である。

さあ、これで、1日元気に乗り切ろう!
といっても、今日は出番までの待ち時間が長いばかりで、それほどカロリーを消費する場面はないのだけれど・・(笑)。

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