明鏡   

鏡のごとく

『蛍日記』

2015-06-16 21:59:22 | 詩小説
6月16日 火曜日 雨のち晴れ。
21時30分。

今日は暑くなった。
蛍もでてくるかとおもわれたが、見当たらず。
ゲンジからヘイケの時代へ。
大きなものから小さなものへ。

ゲンジは身体がヘイケより大きく、一匹の雌が卵を生む数も500から1000と多い。
ヘイケは卵を100前後生むという。
黄色い卵が幼虫になるのに、黒く色づく紐のようにみえる。
それが大きくなるにつれて、ゲジゲジみたいな足が幾つもあるのが見えてくる。
脱皮するとき一瞬白くなる。
それから、また黒く色づき、太く大きな紐のようになっていく。
いきものの進化を一年を通して見ているような。

ふと気づくと、左腕に虫がとまっていた。
蛍ではないが、ここにもいきものがいるよというように、じっとつかまっていた。
光らなくとも生きている。