関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 芦ノ湖温泉(元箱根) 「湖月」 〔 Pick Up温泉 〕
<芦ノ湖温泉(元箱根)「湖月」> (箱根町元箱根34、10:00~19:00、700円、0460-83-6060)
※ 現在、日帰り入浴の可否不明です。
元箱根港の目の前にある民宿&食堂のお湯。芦ノ湯方面からだと元箱根交差点を左折してすぐ右。Pは1~2台。
玄関の裏手にある浴場(1ケ所?)は、脱衣所、浴室ともにこぢんまり。やや暗めの浴室ながら、3人は入れるみかげ石枠伊豆石?貼の入りごこちのいい浴槽があるのは立派です。
壁から突き出た金属パイプを樹脂製ザルで受けての投入。源泉温度が高いので、贅沢にも半分以上を金属パイプづたいに浴槽外に逃がしています。
【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 内湯
槽内注排湯はなく、投入全量をオーバーフローのかけ流し。
カラン2、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。日曜10時で独占でした。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 源泉を浴槽外に逃がしています
きもち微茶緑がかったお湯は熱めで、茶色の湯の花が少量ただよいます。
焦げイオウ臭にかなり明瞭な焦げ臭、これにゴムのような厚みのある臭いが加わります。
たまご味+焦げ味+微酸味収斂味+僅微苦味の特徴ある味。
硫酸塩泉系のキシキシと酸性泉系の微ぬるとイオウ泉系のするする?が混じる複雑な湯ざわりで、浴後は熱湯のわりにさっぱりとします。
重さも適度にあって、なかなか入りごたえのあるお湯です。
単純硫黄泉というよりは、むしろ酸性明礬泉のイメージのあるお湯で、新姥子から金気を抜いてイオウを強めた感じかな。
芦ノ湖温泉は、箱根町供給温泉(箱根、元箱根、大芝系列)をつかっていて、芦ノ湯の「山形屋」と同じはずですが、浴感も分析書も「山形屋」とはちがうものでした。(詳細末記)
一般受けする浴場ではないですが、元箱根界隈では稀少なかけ流しだし、現時点ではかなり面白いお湯になっているので、温泉好きは一浴の価値ありかも・・・。
なお、入湯時は料金600円でしたが、後日、店前の入浴案内看板が700円になっているので値上げされたと思います。(1人だと1,000円という未確認情報あり)
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca-SO4型) 77.0℃、pH=3.7、成分総計=0.439mg/kg、Na^+=14.6mg/kg (16.31mval%)、Mg^2+=9.28 (19.60)、Ca^2+=32.4 (41.51)、Fe^2+=0.01、Al^3+=5.61 (15.99)、Cl^-=4.16 (3.19)、HSO_4^-=8.32、SO_4^2-=165.6 (93.58)、HCO_3^-=-、陽イオン=64.2、陰イオン計=180、メタけい酸=110、硫化水素=82.9 <H17.8.23分析> (源泉名:元箱根温泉「元箱根第44号」(箱根町営第7号蒸気井に水道水を混合した蒸気造成泉)(mval%は筆者の概算値)
<温泉利用掲示> 加温:なし 加水:なし 濾過:なし 消毒処理:なし
〔参考〕
【箱根町供給温泉(箱根、元箱根、大芝系列)】(「山形屋」浴室掲示他より)
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca・Na・Mg-HCO3・(HS)・SO4型) 94.1℃、pH=6.4、成分総計=147.8mg/kg、Na^+=5.0mg/kg (27.12mval%)、Mg^2+=2.0 (20.52)、Ca^2+=7.8 (48.53)、Fe^2+=0.01、Al^3+=0.02、Cl^-=3.4 (11.81)、HS^-=7.5 (27.92)、SO_4^2-=9.3 (23.84)、HCO_3^-=17.7 (35.72)、陽イオン計=15.9、陰イオン計=38.2、メタけい酸=46.8、硫化水素=34.1 <H5.2.18分析>(mval%は筆者の概算値)
【箱根町蒸気井7号】(箱根町HPより)
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca・Na-(HS)・HCO3・Cl型) 84.6℃、pH=6.3、成分総計=199mg/kg、Na^+=6.91mg/kg (29.70mval%)、Mg^2+=2.29 (18.81)、Ca^2+=9.19 (45.55)、Fe^2+=0.05、Al^3+=0.19、Cl^-=7.52 (20.19)、HS^-=11.8 (34.62)、SO_4^2-=9.47 (19.23)、HCO_3^-=15.3 (24.04)、陽イオン計=20.1、陰イオン計=45.3、メタけい酸=54.2、硫化水素=66.8 <分析日不明>
※「湖月」の分析書と「箱根、元箱根、大芝系列」の分析書では泉質がかなりちがい、前者ではpH=3.9の弱酸性Ca-SO4型と姥子的なスペックになっています。
昨年8月末の台風11号で、箱根町蒸気井7号関係施設は被害を受け操業を停止しました(秋に復旧)。
復旧後、蒸気井7号の性格が根本的に変わったのか、あるいは造成用の用水が変更されたのかもしれません。
たとえば、かつて造成用につかわれていたらしい阿字ヶ池湧水は弱酸性のCa-SO4型ですから、これが復活しているとするとつじつまが合います。
「山形屋」に入ったのは復旧後の昨年暮れですが、「湖月」のお湯とは異質(単純硫黄泉のイメージ)のお湯に感じました。
「山形屋」と「湖月」は配湯ルートはちがうものの、同一源泉(箱根町蒸気井7号)をつかっているはずなので腑に落ちません。
〔 2006年9月15日レポ 〕
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■ 芦ノ湖温泉(箱根町) 「夕霧荘」 〔 Pick Up温泉 〕
オフィシャルHP
芦ノ湖の東岸、元箱根・箱根町エリアには、湯の花沢第7号蒸気井で造成された箱根町供給温泉が配湯されています。
元箱根は「湖月」をレポしていますが、箱根町エリアは供給ルートがちがう(大芝中継槽で分岐し、元箱根は元箱根椿公園中継槽経由、箱根町は箱根配湯槽経由、箱根町のほうが引湯距離が長い(→配湯ルート図))ので、箱根十七湯完全制覇をもくろみ(笑)、箱根町の「夕霧荘」を攻めてみました。以前はかけ流しの民宿「山伏」が日帰り対応していたようですが、いまは休業している模様なので、ここの日帰り対応は貴重です。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 内湯
芦ノ湖畔からちょい山側にはいった20室の中規模旅館で、このエリアではめずらしく日帰り入浴を積極的に受け入れています。
小綺麗に仕上げられたなかなかに好ましげなお宿で、スタッフの対応も親切なものでした。
浴場はフロントの奥、男湯が「源氏の湯」、女湯が「葵の湯」と銘打たれ、それぞれ内湯と露天があります。
「源氏の湯」は、内湯(みかげ石枠石タイル貼5-6人、ほぼ適温)と露天(岩枠鉄平石貼3-4人、坪庭つき、ややぬる)の2槽。浴場は広くなくきもち暗めですが、こじんまりと落ちついていい雰囲気。中規模旅館としてバランスのとれた浴場で、内湯・露天とも広すぎず狭すぎず、入りごこちのいい湯船でゆっくりとお湯を楽しめます。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日15時で独占~2人。
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 露天-1
内湯はお皿のような湯口からの投入+側面注入。槽内排湯はよくわかりませんでしたがオーバーフローはありません。
露天はイオウの白い湯の花がでた木樋の湯口から熱湯数L/min(たぶん源泉)を投入し切欠からの上面排湯。
底面排湯口がありますが引いておらず、おそらく投入全量を流し出すかけ流しかと思います。
お湯は内湯と露天でかなりちがいます。
内湯はかるく懸濁して湯の花なし。味不明でよわい焦げ臭と微カルキ臭。よわいぬる感のあるお湯はたぶん加水循環ですが、循環湯としてはまあまあのできです。
【写真 上(左)】 露天-2
【写真 下(右)】 露天の湯口
露天は緑白色うすにごりで白とうす茶の浮遊物が舞っています。弱たまご味+よわい酸味収斂味。湯口そばではしっかりとした焦げイオウ臭がただよいます。
酸性泉特有のぬるぬる感と肌に染み入るような浴感があり、町営造成泉としてはかなり状態のいい湯づかいかと思います。
このエリアでかけ流し湯は貴重なので、ほんとうにかけ流ししているならばもっとPRしてもいいかも・・・。
やっぱり湯の花造成泉はいいですね。イオウの効き具合も優ですが、pHが絶妙でこれが浴感に奥行きを加えているように思います。
「湖月」よりはおとなしいお湯に感じましたが、露天湯口の温度から考えて加水はほとんどないと思います。
限られた源泉供給量をうまく活かし、露天と内湯でメリハリをつけた湯づかいは好感。
料金は箱根価格ですが、この立地、この内容で1,000円は高くないようにも思います。
単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca-SO4型) 77.0℃、pH=3.7、成分総計=0.439mg/kg、Na^+=14.6mg/kg (16.31mval%)、Mg^2+=9.28 (19.60)、Ca^2+=32.4 (41.51)、Fe^2+=0.01、Al^3+=5.61 (15.99)、Cl^-=4.16 (3.19)、HSO_4^-=8.32、SO_4^2-=165.6 (93.58)、HCO_3^-=-、陽イオン=64.2、陰イオン計=180、メタけい酸=110、硫化水素=82.9 <H17.8.23分析> (源泉名:元箱根温泉「元箱根第44号」(箱根町営第7号蒸気井に水道水を混合した蒸気造成泉)(mval%は筆者の概算値)
<温泉利用掲示> 加温:あり 加水:あり 循環:あり 消毒処理:あり
〔 2008年9月1日レポ/2008年6月入湯〕
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