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■ 松代温泉 「寿楽苑」 〔 Pick Up温泉 〕



<松代温泉「寿楽苑」> (長野市松代町東条15、8:00~21:00(施設前看板による)、たしか350円、026-278-2644)

名湯のメッカ、松代。温泉好きには加賀井温泉「一陽館」、観光客には国民宿舎「松代荘」が人気ですが、一部の温泉マニア(^^)に評価の高いのが、ここ「寿楽苑」です。


【写真 上(左)】 「一陽館」へ曲がる路地の奥にあります
【写真 下(右)】 浴場入口

松代市街からくると、「一陽館」への角を右折せずにまっすぐ進んだ左手。かなり年季の入った建物です。(→ここ
外観はハードル高そうですが、日帰り客が多いようで宿の対応は手なれたもの。
効能に自信があるらしく、いろいろな掲示が貼られた廊下の奥、卓球台のむこうに男女別の浴場。この日の男湯は左手でした。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 男湯の内湯

浴場は内湯と扉の外に露天。
内湯は暗めで緑色のカベがなんとなく変。タイル貼石灯籠付3-4人の浴槽。
脱衣所に”白湯”の掲示があるこの透明でぬるいお湯には、誰も入っていません。
露天は、スペースとしては広くないものの浴槽がかなり大きい(石枠コンクリ造10人以上)ので、ほとんど浴槽で埋まっています。
半透明の樹脂製屋根があるので、完全な露天ではありません。


【写真 上(左)】 女湯の内湯
【写真 下(右)】 露天?の屋根

緑色のブロックを積み上げた無造作なつくり。浴槽まわりは石灰華の析出でコテコテにコーティングされています。
析出がすごいので年に1回パイプを交換するらしく、浴槽まわりにはパイプがむき出しに配管されていて、それがまた雰囲気を盛り上げて(^^;)います。


【写真 上(左)】 浴場脇の配管
【写真 下(右)】 ナゾのパイプ

見事にサビまくった大口径鉄パイプの湯口から透明なお湯(たぶん源泉)を大量投入で、端の排湯口へ大量上面排湯するかけ流し。
カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。連休10時で4-7人とけっこうな盛況。


【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 女湯の湯口

お湯は露天のみレポします。
ぬるめのお湯は透明度20~30cmの緑がかった茶褐色にごり湯で、表面にアブラのようなものが浮いています。

塩味+金気だし味+微炭酸味+微甘味+微苦味に粘土臭+金気臭+微炭酸刺激臭の複雑な味臭。
強い濃度感と、土類と金気によるぎしぎしとした湯ざわりと、肌に染み渡るような浴感と、わずかながらも炭酸冷感があって入りごたえ充分。
ぬるめながら、からだの中からじわじわとあたたまってくるようなお湯で、冷の湯と熱の湯がないまぜになったような複雑怪奇な浴感。
館内の手書き掲示にもあるように、泉質名はちがえど、重炭酸土類泉のイメージもあります。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 析出と湯色

鮮度感も高く、混み合っていてほとんど近づけなかったですが、おそらく湯口まわりではアワつきがあるかと思います。
イメージ的には秋山郷の小赤沢に似ていますが、小赤沢より炭酸よわめであたたまり感があります。
近くの「一陽館」とくらべると炭酸と重曹がよわめかな?。

同浴者全員長湯モード。ただ、みなさんほとんど地元関係のプロ(^^)の方々だからいいようなものの、本質は濃度感バリバリの凶暴なお湯なので、慣れない人が長湯したらあとでおそろしいことになるかも・・・(笑)

たたずまい、泉質ともにお客を選ぶお湯ですが、この手のお湯が好きな人はたまらんでしょう。とくに泉質マニアは必湯では??。

しかし、なんで内陸の小盆地にこんなすさまじいお湯が湧くんだろう??。
ひょっとしてジオプレッシャー型の温泉なのかも・・・。
(館内に皆神山のマグマ水由来説を報じる新聞記事が貼りだしてありました。(信濃毎日新聞2006/1/11付))

とても歴史の古い温泉らしく、館内掲示には「松代温泉 元・加賀井温泉・ひね湯の源泉を改称」「当、寿楽苑の源泉は八百年を経過」「日蓮上人が佐渡へ二度の流刑の際、帰路には当源泉に浴し、皮膚病を癒したと云われております。」「北条政子が当地へ祈願に来た際、浴したと云われております。」「川中島合戦のおり将兵らも浴した・・・」などとあります。
こんなもの凄い源泉が800年も湧きつづけているというのは驚異です。

含二酸化炭素-Na・Ca-塩化物温泉 38.8℃、pH=6.5、湧出量不明、成分総計=17580mg/kg、Na^+=3764mg/kg (64.68mval%)、Mg^2+=241.6、Ca^2+=1067 (21.43)、Sr^2+=12.8、Mn^2+=4.1、Fe^2+=15.1、Cl^-=7570 (84.22)、Br^-=11.0、I^-=7.7、SO_4^2-=177.5、HCO_3^-=2199 (14.22)、陽イオン計=5656 (253.1mval)、陰イオン計=9967 (253.5mval)、メタけい酸=130.6、メタほう酸=809.5、遊離炭酸=1020、硫化水素=0.06 <H13.6.14分析> (源泉名:松代旧一号泉)

含鉄-Na・Ca-塩化物温泉 38.8℃、pH=6.4、湧出量不明、成分総計=14480mg/kg、Na^+=2749mg/kg (57.07mval%)、Mg^2+=275.2、Ca^2+=1127 (26.84)、Sr^2+=11.4、Mn^2+=4.9、Fe^2+=21.5、Cl^-=6148 (82.73)、Br^-=8.4、I^-=8.5、SO_4^2-=260.0、HCO_3^-=1867 (14.60)、陽イオン計=4557 (209.6mval)、陰イオン計=8291 (209.6mval)、メタけい酸=119.4、メタほう酸=646.2、遊離炭酸=870.6、硫化水素=0.04 <H13.6.14分析> (源泉名:松代一号泉)

メタほう酸の数値がすごい。松之山以上!

※分析書は2種類あり、源泉名は、「松代1号泉・松代旧1号泉」との掲示があるので混合使用かもしれません。

<温泉利用掲示>
(地下300mの所より湧出)自噴している源泉(当館北30m)をパイプで落とし込みにて浴槽に直結・かけ流し

〔 2008年11月21日レポ(2007年9月入湯) 〕
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■ 川崎温泉(セントラル宮前平源泉) 「湯けむりの庄」



<川崎温泉(セントラル宮前平源泉)「湯けむりの庄」> (川崎市宮前区宮前平2-13-3、10:00~24:00(土日祝9:00~)、1,200円(土日祝1,470円)、平日21:30以降950円、044-860-2641)
オフィシャルHP

2007/11/8にオープンしたアップスケール型日帰り温泉施設。
場所は東急田園都市線「宮前平」駅より徒歩4分。
車でのアプローチはかなりこみ入っているのでHPの地図を参照ください。
駅北口からいかにも田園都市線沿線らしい整然とした住宅地の坂道をのぼってのアプローチ。
「ほんとにこの先にスパ銭あるのか?」と不安になりますが、1つ目の信号を右に曲がると、その先の右手にそれらしき建物がみえてきます。

あたりは閑静な住宅地で、それにあわせるように上質感あふれるつくりになっています。
純和風の趣あるアプローチ、館内各所にあしらわれた調度類など、そこらへんのスパ銭とはあきらかに一線を画しています。
館内のカラーは落ちついた和系色でまとめられ、シックな質感があります。


【写真 上(左)】 石のサイン
【写真 下(右)】 純和風のエントランス

入ってすぐが母屋。右手に食事処「心音」。温浴施設の食事処にしてはまあまあの味で値段もリーズナブル。ここは豆腐料理に自信があるようです。

廊下をわたった離れにお休み処(リクチェアあり)と浴場、1階が男湯、2階が女湯とセパレートされています。
他に岩盤浴、アロマトリートメント、アカスリエステなど設備充実。

脱衣所ロッカーは細長タイプでちょい狭め。この料金なら箱形がほしいところか。
内湯ゾーンはぐっと照明を落として落ちついた雰囲気。
入って左手にフィンランド式サウナ(ロウリュあり)&水風呂(弱カルキ)。
正面が洗い場で右手に機能浴槽(たぶん真湯)、座湯(温泉)、内湯(みかげ石造10人弱、温泉)。

露天ゾーンは左手から時計まわりに炭酸琥珀湯(みかげ石造4-5人、温泉+人工炭酸泉)、寝湯(石造6人)、親子つぼ湯(陶製1人)×2、源泉かけ流し風呂(岩組鉄平石敷7.8人)につぼ湯(陶製1人)×2、中央に源泉岩風呂(岩組鉄平石敷10人以上)と多彩ですべて温泉使用。
屋根がなく、空が広くて開放感がありますが、大雨のときはつらいかも・・・。
湯温は、源泉かけ流し風呂と寝湯と炭酸琥珀湯がややぬるめ、あとはほぼ適温です。
露天も暖色照明落とし気味で環境設定ばっちり、ヒーリングモード全開(^^)。

カラン27(内セパ型9)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり、平日19時で20人程度とけっこうゆったり。

湯づかいはこまかく確認しませんでしたが、だいたい槽内注吸湯あり。
掲示によると露天の源泉かけ流し風呂のみが加温かけ流しで、ここは岩の湯口から投入し下の源泉岩風呂に流し出しています。

源泉かけ流し風呂と 他の浴槽のお湯はあきらかにちがいます。
源泉かけ流し風呂は、透明度10cmくらいの黒湯で明瞭な重曹塩味。アンモニア臭+微モール臭。見た目よりヌルすべは強くないですが、よわいとろみがあります。
このとろみはメタけい酸=129.7のしわざかもしれません。
かなりの鮮度感があり、よわいながらアワつきもあったかと思います。

その他の浴槽は、透明度10cmくらいの黒湯で味不明。
黒湯によくある有機肥料臭が強く、カルキ臭はほとんど感じませんが、炭酸琥珀湯だけはバリバリのカルキ臭がただよっていました。
また、ヌルすべはむしろ源泉かけ流し槽より強くなっています。

わりに濃い目の黒湯でそれなりの濃度感もありますが、重曹泉らしく浴後はすっきり。

黒湯はどちらかというと銭湯やB級施設に多いですが、こんなお洒落な施設で入れるのは、ここと成田大和の湯くらいかな?

上質感たっぷりだし、タオル・バスタオル・館内着セットもついているので、ゆったりすごすならこの料金でも高くないかも・・・?
ただ、人口のわりに温浴施設がすくないエリアなので、週末どういう状態になっているかが気になるところです。

Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 37.6℃、pH=8.1 350L/min、成分総計=3.823g/kg、Na^+=1006mg/kg (94.21mval%)、NH^4+=16.6、Fe^2+=0.5、Cl^-=586.7 (35.12)、HCO_3^-=1842 (64.06)、陽イオン計=1075 (46.45mval)、陰イオン計=2444 (47.13mval)、メタけい酸=129.7、メタほう酸=4.7、遊離炭酸=136.0 <H18.5.12分析> (源泉名:セントラル宮前平源泉)

<温泉利用掲示>
 源泉かけ流し風呂 / 加水:なし 加温:あり 循環:なし 消毒:なし
 その他の浴槽    / 加水:あり 加温:あり 循環:あり 消毒:あり

〔 2008年11月22日レポ 〕
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■ 喜連川温泉(おおるり源泉) 「ベルセルバCC&ホテルベルセルバ」



<喜連川温泉(おおるり源泉)「ベルセルバCC&ホテルベルセルバ」> (さくら市(旧 喜連川町)、14:00~23:00、800円、028-685-1511)
オフィシャルHP

喜連川東部、鹿子畑地区にあるゴルフ場が温泉入浴施設を日帰り開放するもの。
情報がすこぶる少ないですが、流れ星さんの情報をたよりに攻めてみました。
喜連川から小川へ抜けるR293旧陸羽街道沿いにあります。

クラブハウス設計はかの丹下健三氏によるもので、さすがに存在感がありロビーから望むフェアウェイの眺めは圧巻。浴場はクラブハウスお約束のロッカー室の奥、脱衣所には日帰り客も使える無料ロッカーがあります。当然のごとくタオル&バスタオルは備え付け。

窓の広い明るい浴場はメンテがきいて綺麗、落ちついた雰囲気のあるいい浴場です。
内湯(みかげ石造10人以上、ジャグジー付)、備長炭風呂(ぬるめカルキ臭、たぶん真湯(井水))、水風呂(井水、15℃位で冷たい)、サウナに露天(みかげ石造10人以上、ジェット×4付)という構成。
露天は軒下タイプながら手入れされた前庭をもち、風が通ります。
カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日14時で独占~10人。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯の湯口

内湯と露天はガラス越しにとなり合ってお湯の行き来あり。
湯口はみかげ石半球状で内湯、露天両サイドに投入口があり、お湯の感じからしてこれは源泉かと思います。
内湯は他にジャグジー注入と側面注入で槽内排湯はなく、ザコザコのオーバーフロー。
露天は側面注入・吸湯ありでオーバーフローなし。

ほぼ適温のお湯は無色透明で微たまご味、微かに甘いイオウ臭とこのエリア特有の焼けタイヤ系の微アブラ臭が香ります。カルキ臭はまったく感じませんでした。
内湯の湯口そばでは弱いアワつき、露天でもわずかなアワつきがあってお湯の鮮度は悪くないです。
ヌル+ツルすべととろみがあり、肌ざわりやさしいお湯でよくあたたまります。
「美人の湯」として売り出しているようですが、看板に偽りなしでしょう。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

浴槽は厳密にいうと循環仕様に思えますが、湯口そばのお湯は鮮度感高く、ほとんどかけ流しに近いコンディション。
スペック以上に入り応えのあるお湯は、さすがに喜連川エリア。

ここは、幾度か経営主体が変わり、「王門倶楽部オオルリコース」→「ザ・ミレニアムゴルフクラブ」→「ベルセルバカントリークラブ」と2回も名称を替えています。
ゴルフ場厳冬の時代を象徴するような施設ですが、こういう時世でもなければ、とても日帰り開放はされないでしょう。

お湯はいいし、施設内容のわりに料金も手頃なのでここはおすすめです。
公式情報では日帰り開始は14時からですが、当日は13時ごろから受付していたようなので早めに攻めるのがベターでは?。
14時過ぎると、プレーを終えたゴルフ客が団体で入浴してきます。

なお、クラブハウス内にある沖縄料理「やんばる」で食事すると当日は半額で利用できるようですが、こちらの営業時間は17:00~です。

アルカリ性単純温泉(Na-HCO3・(CO3)・Cl型) 49.7℃、pH=9.4、102.3L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=0.555mg/kg、Na^+=141.0mg/kg (98.72mval%)、F^-=2.0、Cl^-=57.3 (23.28)、HS^-=0.1、HCO_3^-=181.9 (42.96)、CO_3^2-=55.7 (26.73)、陽イオン計=143.4 (6.21mval)、陰イオン計=314.1 (6.94mval)、メタけい酸=97.6 <H17.1.12分析> (源泉名:喜連川温泉(おおるり源泉))

<温泉利用掲示>(要約)
加水:あり(気温の高い期間のみ) 加温:あり(気温の低い期間のみ) 循環濾過:あり 塩素系薬剤使用:あり

〔 2006年8月10日レポに加筆・修正 〕
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