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■ 横川(折橋)鉱泉 「巴屋旅館」 〔 Pick Up温泉 〕



<横川(折橋)鉱泉「巴屋旅館」> (常陸太田市(旧 里美村)折橋町1408、9:00~20:00(時間要問合せ)、400円、0294-82-3330)

茨城県北西部は通称”奥久慈”と呼ばれ、南北に流れる久慈川、山田川、里川の3本の川沿いに集落が点在、おのおのに小規模な温泉地があります。
いちばん東側を流れる里川筋から高萩に抜けるR461に入ってすぐのところに横川温泉があります。
ここは里川筋では大きめの湯場で、「巴屋旅館」「中野屋旅館」「元湯山田屋」の3軒の湯宿があります。
そのなかでも茅葺き屋根民家風の外観で異彩を放っているのが「巴屋旅館」です。
ここは「お湯がいい」という情報もあったので入浴してみました。


【写真 上(左)】 横川鉱泉入口
【写真 下(右)】 温泉遺産認定の宿です

玄関に入って左が男湯、右が女湯。
こぢんまりとした浴場ながら、先客が4人もいたので、しばらく待っていると2.3人出てきたので突入。
でも、そのあとすぐに2人ほど入ってきたので、かなり日帰り客に人気があるのでは。

脱衣所、浴室とも広くないですが、天井の高い木づくりの風情ある浴場に、3人くらいの石枠石タイル貼の浴槽がひとつ。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜11時で2~3人。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 男湯

浴槽はカランの湯口から熱湯を投入で、これはお湯の感じからして加温源泉かと思います。槽内注排湯なくオーバーフローはたぶんかけ流し。このエリアでかけ流し浴槽は貴重です。


【写真 上(左)】 「源泉の湯」の看板
【写真 下(右)】 男湯の湯口

熱めのお湯はわずかに灰色がかって、灰色の湯の花が舞っています。
よわいたまご味に明瞭な甘イオウ臭。かなりつよめのヌル(ツル)すべの裏に、とろみとイオウ泉系のスルスルとした湯ざわりがあります。
あつ湯のせいもありますが、あたたまり感炸裂で長湯できず、なんども洗い場で水を浴びました。
どしんとくる浴感はとても規定泉とは思えず、なるほどこれはいいお湯です。

イメージ的には房総の濃溝七里川あたりに似ているかな。

このあたりでは、もっともイオウがよくでたお湯で、湯づかいもいいのでイオウ泉好きははずせないお湯だと思います。

規定泉(総硫黄)(Na-HCO3・(CO3)・SO4型) 16.0℃、pH=9.8、2.04L/min、成分総計=257.1mg/kg、Na^+=68.50mg/kg (97.57mval%)、Cl^-=16.65 (14.72)、SO_4^2-=33.74 (21.99)、HCO_3^-=67.85 (34.85)、CO_3^2-=25.35 (26.47)、陽イオン計=70.35 (3.052mval)、陰イオン計=144.6 (3.192mval)、硫化水素=1.7704 <S33.11.30作成> (源泉名:折橋鉱泉)

〔 2009年3月31日レポ( 2007年4月入湯) 〕
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■ 谷津温泉 「薬師の湯」



<谷津温泉「薬師の湯」> (賀茂郡河津町谷津171の1、9:00~22:00、800円、0558-34-1445)
オフィシャルHP

河津温泉郷のひとつ谷津温泉は、行基が1500年前に発見したと伝えられる古湯です。
知名度は高くないものの、泉源は50を越えるとされ、高温の源泉を河津浜温泉や今井浜温泉へ送湯(=河津浜温泉や今井浜温泉の湯元)している実力派の温泉地です。

伊豆を代表する高級宿「石田屋」が有名ですが当然日帰り不可。
日帰り可の情報があった「河津館」にTELするも出ず、現地に行くも人気なし。
んじゃ、日帰り可情報のある「岩谷旅館」にするべかと走りはじめ、ふと、電柱看板をみると「岩盤浴・日帰り入浴・薬師の湯」の文字が・・・。

一瞬「『谷津 嵐の湯』が改名か?」と思いましたが、どうやら場所がちがうよう。
なんとなく怪しげだが、とりあえず行ってみるかと看板にしたがって突き進むと、「石田屋」のさらに奥にありました「薬師の湯」。


【写真 上(左)】 建物の裏手から立ち上る湯けむり
【写真 下(右)】 源泉櫓1

外観はペンションそのものでプールまである。
が、その裏手からもうもうと立ち上る湯気がただごとではありません。
近寄ると沢沿いに泉源があってもうもうとした湯気と櫓のよこに大量の析出物(石膏?)が堆積しています。
その手前に泉源施設?と給湯所があってタンクローリーが横づけされていました。


【写真 上(左)】 源泉櫓2
【写真 下(右)】 石膏?の析出


【写真 上(左)】 貯湯槽?
【写真 下(右)】 エントランス

受付に行き入浴を乞うと、入浴だけなら800円ということですぐさま突入。
分析書の源泉名は「谷津38号」、泉温じつに100℃。正真正銘の谷津温泉です。
中庭の25mプールも温泉というのにはおののき(この日はぬるかった。)
本来は岩盤浴がメインの施設(女性専用(10床)、男女共用(16床)、自家源泉と温泉熱を利用)で、1,600円(3時間以内)の料金体系となっています。


【写真 上(左)】 温泉プール
【写真 下(右)】 男湯の内湯

浴場は廊下の奥。左が女湯、右が男湯。こぢんまりとしていますが、それぞれ内湯と露天があります。

やや暗めの浴室に内湯(石枠青鉄平貼4.5人)。岩の湯口からゲキ熱源泉を投入、いったん湯壺にためて冷却してから浴槽に流し入れていますがそれでも熱い。
でも浴槽内はやや熱くらいの温度に収まっています。
槽内注排湯はみあたらず、たぶん投入全量をオーバーフローはかけ流しでしょう。


【写真 上(左)】 男湯の内湯の湯口
【写真 下(右)】 内湯の露天

露天は石枠青鉄平貼3.4人。すぐ上を伊豆急の線路が走っていて、ときおり電車が通るのはご愛嬌。
開放感はないものの、坪庭をあしらったなかなか風流な露天です。
岩の湯口からゲキ熱源泉をしぼり投入+熱湯の側面注入でオーバーフロー。
露天は内湯よりだいぶ熱くて入るのに気合いがいります。

どちらも浴槽まわりには石膏の析出と思われる白い破片が散乱しています。

カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。年末14時で独占~2人と空いていました。


【写真 上(左)】 女湯の内湯
【写真 下(右)】 女湯の露天

お湯のイメージは内湯・露天とも大差ありませんが、露天のほうが鮮度感があります。
うすく懸濁したお湯にはうす茶と白い湯の花(露天は少なめ)。
ほこほことした石膏味に甘い石膏臭。
とろとろきしきしとした湯ざわりなめらかなお湯ですが、温まり感がはんぱじゃなく、なんども洗い場の水を浴びながらの入浴。
とろみを帯びたやわらかな湯ざわりながら本質は強いお湯なので、油断しているとヘロヘロにされますが、浴後は熱の抜けよくすっきり爽快。

さすがに名湯、谷津。
この前に河津温泉郷のお湯にいくつか入りましたが、それらとは一線を画しているような、力感と格調をあわせもつお湯かと思います。

親切そうな受付の人に、帰りにいろいろと尋問しようと(笑)思っていましたが、出入りの業者さんがきて忙しそうだったので断念。
あとで調べると、「ヴィラサーフサイド」というペンションが2006年10月に業態変更して「自家源泉岩盤浴の宿 薬師の湯」に変わったとのこと。
安価で宿泊もでき、ダイバーによくつかわれているようです。
(この日はプールでダイバーのグループがトレーニングしていた。)

観音様と岩盤浴(ゲルマニウム鉱石・ラジウム鉱石等十数種類の薬石の効果)がやたら目立つ看板なので、なんとなく宗教がかったアヤシげな施設に思えますが、なかみはいたって普通。
というか、南伊豆でも有数のお湯を楽しめる施設なので、温泉好きにおすすめです。

Na-塩化物・硫酸塩温泉 100℃、pH=8.6、湧出量不明、総成分=1377.28mg/kg、Na^+=372.50mg/kg、Ca^2+=44.20、Fe^2+=0.20、F^-=1.70、Cl^-=487.30、SO_4^2-=211.90、HCO_3^-=39.20、メタけい酸=176.40 <S63.1.19分析> (源泉名:谷津38号)

〔 2009年3月31日レポ( 2008年12月入湯) 〕
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