関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 小赤沢温泉 「楽養館」 〔 Pick Up温泉 〕
<小赤沢温泉「楽養館」> (長野県栄村大字堺、10:00~20:00、冬期(12月下旬-3月末)休業、水休、500円、0257-67-2297)
■ 紹介ページ(栄村)
■ 紹介ページ(関東周辺 立ち寄り温泉みしゅらん)
甲信越でも屈指の秘境とうたわれる「秋山郷」。
信州秋山に入って最初の集落、小赤沢に湧く強烈なお湯です。
【写真 上(左)】 こういう雪道をたどっていきます(2004年当時)
【写真 下(右)】 浴場入口
真っ赤な濃厚湯で有名な村営の日帰り施設で以前から楽しみにしていたお湯です。
昭和58年10月、44~48℃、100L/minの温泉を掘り当ててクアハウスを造ったらしく、山小屋風の総木造の建物で別棟に浴場があります。
以前は冬期も営業していましたが、いまは冬期休業となっているので要注意。
(このレポは2004年の真冬2月に入湯したときのもの。ちなみに真冬の秋山郷は、かなりきびしい雪道ドライブコースとなります。)
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 男湯のつくり
男女別の浴場は、総木造で天井が高く明るい雰囲気。
さほど古い施設ではないですが、適度に風合いが出ていい感じ。
時間を経るにつれ風格を増していくようなつくりは、できたときはピカピカでもすぐに陳腐化してしまう一部のセンター系施設とは対照的。
こういう施設をつくらせると越後(新潟)はピカ一です。
【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯
浴場は主浴槽(石枠底不明7-8人)、寝湯(同2人)、ジェット槽(1人、真湯)、打たせ湯(真湯)という構成。
温泉浴槽はすべて分厚い赤茶色の析出(石灰華?)で芸術的にコーティングされています。
【写真 上(左)】 手前が主浴槽
【写真 下(右)】 奥の寝湯
窓から突き出した金属パイプから投入。
1分位休んでしばらく投入し5秒休んでブシュ!とすごい勢いで吹き出す規則的な間欠投入なので自噴では・・・?
べつに湯口風の岩の裏から樹脂製のホースが引かれていますが、何故かここからは何も出ていませんでした。(女湯はホースからの注入だったらしい)
【写真 上(左)】 吹き出す源泉
【写真 下(右)】 析出
主浴槽から寝湯への流し込み(というか、あいだに柱が1本渡されているだけなので、ほとんど同じ浴槽)で槽内注排湯は不明ですが、寝湯の端の排湯溝からの排湯はかけ流しでは?
寝湯のお湯はぬるすぎでまったりとした感じだったのでほとんど主浴槽にいました。
カラン4位、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
日曜14時で贅沢にも独占~5人。
かなりぬるめのお湯は、透明度1cm以下の赤茶色の濃~いにごり湯。
表面には炭酸カルシウムらしき白い結晶が浮いていて、湯中には赤茶色の浮遊物がみそ汁のように密度濃く渦巻いています。
強塩味+苦味+炭酸味+金気味の個性的な味に金気臭+ツンとくる炭酸臭があり、とくに湯口から勢いよく噴出したあとはむせるような炭酸臭がただよいます。
嬉しくなり嗅ぎまくっていたら気持ち悪くなってきた(酸欠か?)ので要注意 (^^;
【写真 上(左)】 みそ汁のよう・・・
【写真 下(右)】 分析書
湯ざわりは鉄泉らしいギシギシとしたもので、からだの成分が入れ替わっていくような特異な濃度感があります。
強食塩泉なのになぜか全然温まりませんが、浴後はやたらとのどが乾きます。
めがねさんご指摘のとおりお湯のイメージは「白寿の湯」に似ていますがさらにクセモノな感じ。
使用位置44℃とのことですが、かなり温いので泉温が落ちてきているのかもしれません。
浴後肌がパサパサになるので美人の湯ではありません。
また、よく洗い流さないと下着が赤茶に汚れてしまいます。
真湯のジャグジー槽が置かれているのに納得。
硫酸塩泉系の淡泊なお湯が多い秋山郷のなかで、ここはコテコテの個性を発揮し異彩を放ちまくっています。
やはり屋敷とともこのエリアでは外せないお湯で、とくにクセモノ好きにおすすめか・・・ ^^)
含鉄(Ⅱ)-Na・Ca-塩化物強塩温泉 45℃、pH不明、60L/min(旧HPより)、成分総計=2335.0mg/kg(→ たぶん23,550mg/kg)、Na^+=5664.0mg/kg、Ca^2+=1829.0、Mg^2+=284.7、Fe^2+=32.66、Cl^-=11180.0、SO_4^2-=1202.0、HCO_3^-=1577.0、メタけい酸=131.9、メタほう酸=296.0、メタ亜ヒ酸=6.03、遊離炭酸=813.8 <S59.1.5分析> (源泉名:小赤沢温泉)
*かなり個性的なスペックです。メタ亜ヒ酸=6.03というのは初めてみました。
「一般療養泉基準の倍以上の濃度」というのがキャッチコピーのようですが、倍どころではないのでは?
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でも紹介いただいています。
〔 2009年7月10日追補・画像補強UP (2004年2月入湯・レポ) 〕
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■ 強羅温泉 「文の郷」
<強羅温泉「文(ふみ)の郷」> (神奈川県箱根町強羅1300-61、13:00~17:00(時間要問合せ)、500円、0460-82-3513)
■ オフィシャルHP
文京区の保養所が2005年5月リニューアルし、民営化して一般にも広く開放するもの。
箱根には数多くの自治体保養所があり、従来は住民など関係者以外はほとんど利用できませんでした。
しかし、自治体経費削減の流れのなか、近年、指定管理者制度の導入や民営化がすすみ、一般にも開放される施設が増えたのはうれしいことです。
ここは以前、文京区営「ごうら荘」といい、コスト削減のためPFI(民間に資金調達、施設整備、所有、運営をさせ、官は施設提供サービス購入費を民間に支払ってこれを利用する仕組み)なども検討したようですが、結局はリニューアルのうえ民営化(施設運営委託)するかたちで落ちついたようです。
なお、施設運営は湯河原に本拠をおくフォレストグループが受託しています。
強羅には大湧谷、早雲山の2系統の造成泉の他に、掘削系の塩化物泉が多数ありますが、ここも自家源泉の掘削系塩化物泉をつかっています。
強羅公園にもほど近い立地で、玄関前に日帰り入浴のノボリをたて、日帰り受け入れに積極的な様子。
以前は日帰り1,000円だったようですが、いまは500円に値下げされています。
【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 階段の上から浴場(男湯)
鉄筋箱形の公営保養所然とした建物ながら、館内はよくメンテされ居ごこちがよさそう。
脱衣所は広びろ。浴場の扉をあけると階段の下に浴場があります。
浴槽まわりに石灰華のイガイガ析出がでた岩組石貼8-9人の内湯ひとつとシンプル。
浴槽に熱湯の源泉を容赦なく流し込んでいるので、場内は強烈にこもり、ほとんど洞窟風呂状態(笑)。
カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり、日曜14時で独占~3人でした。
【写真 上(左)】 浴槽-1
【写真 下(右)】 湯口
竹樋の湯口から50℃近い熱湯を50L/min近くも大量投入。
槽内注排湯は見あたらず、全量をザンザコにオーバーフローのかけ流し。
HPにも「温泉は自家源泉で敷地内の温泉井戸より浴槽へ送られています。掛流しの温泉に浸かれば、大自然の恵みで体の疲れも心の疲れも癒されます。」とあるのでまちがいないでしょう。
【写真 上(左)】 ザンザンにオーバーフロー
【写真 下(右)】 湯口の落ち口
わずかに茶色の湯の花を浮かべたお湯は、うすく懸濁したかなりの熱湯。
掲示には”加水”とありますが、味からみても加水量はそれほど多くはないと思います。
弱塩味に弱い樹脂系アブラ臭。
明瞭なツルすべととろみはあるものの、本質はかなりゴツゴツとした硬質なお湯で、「翠光館」をきもち凶暴にしたイメージかな・・・?。
【写真 上(左)】 浴槽-2
【写真 下(右)】 湯色と析出
熱湯ということもあって長湯不可。
お湯じたいに力感があるためか浴感的にはとても1.5g/kg程度の濃度には思えません。
それでも浴後は湯切れよくさっぱりと収まるなかなかにいいお湯です。
かなりプロ仕様入ったお湯なので(笑)、「強羅公園散策のあとにまったり」とはいかないと思いますが、強羅の塩化物泉の特徴がよくでたお湯は、温泉好きには見逃せないと思います。
Na-塩化物泉 62.4℃、pH=7.0、湧出量不明、成分総計=1.550g/kg、Na^+=333mg/kg、Ca^2+=60.1、Fe^2+=0.53、Cl^-=459、SO_4^2-=164、HCO_3^-=210、メタけい酸=225、メタほう酸=22.3 <H17.4.21分析> (源泉名:宮城野第35号)
<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:なし 循環濾過:なし 消毒:なし
〔 2007年2月19日レポに加筆&画像追加 〕
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