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■ 「カナリア曲」&「鳩曲」

冷え込み、凋落、分断、閉塞感・・・、そんな言葉ばかりが目につくこの頃。
この一年は、ここ数十年そこはかとなく感じていた日本の凋落を、多くの人々が逃れられない現実として実感した年ではなかったでしょうか。

でも、まだまだ日本の底力は尽きていない。(と思いたい)
先人が残してくれた数々の文化や資産、”相身互い”の国民性、そしてゆたかで変化に富んだ自然・・・。
どれもこれも世界に誇れるものです。


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音楽は「炭鉱のカナリア」ともいわれます。
これから向かう時代の空気感を、いちはやく曲調であらわすというのです。
確かに、思い当たるフシはあります。

■ 最後のニュース - 井上陽水

1989年12月21日、バブル崩壊直前のリリース。

■ CAN YOU CELEBRATE? - 安室奈美恵

1997年2月19日、緊縮財政元年ともいわれる年のはじめにリリースして大ヒット。

■ 絢香 - 三日月

リーマンショック(2008年9月)を2年後に控えた2006年9月27日リリース。
この頃から「つながる」というワードが歌詞に多く出てくるようになる。

■ 遠くても - 西野カナfeat.WISE

リーマンショック後、東日本大震災前の2009年3月18日リリースのセツナ系。

■ ハロ/ハワユ - リツカ(歌ってみた)

2010年10月11日歌ってみた投稿。
私的な内面(日々の悩み)に向かう曲が増えてきている。
時代はこの頃よりさらに苛烈になっていると思うが・・・。

■ SUPER MOON - 藤田麻衣子 

東日本大震災がもたらしたものは、やっぱり重すぎる。
震災後の2011年3月20日に現れたスーパームーンを歌った曲。
ここでも「つながる」がキーワードになっている。

■ 潮見表 - 遊佐未森

2013年10月27日東京・渋谷公会堂でのLIVE。

■ 夜空。- miwa feat. ハジ→

2015年8月19日リリース。
2008年頃の”セツナ系”よりセツナさを増している。
そしてどうしようもない閉塞感。

■ 空奏列車 - めありー(歌ってみた)

2015年2月Web公開とみられるボカロ曲。
不確実、不安定、先の見えない世界。


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でも2007年頃~、”セツナ系”の隆盛と歩調を合わせるように、聴き手が前向きになれるような曲も少しづつ出てきていた。

■ Again - アンジェラ・アキ (2007年)


梶浦由記さんと歌姫たちが生み出すテイクは、壮大で高揚感あふれていた。
それは1980年代のシティ・ポップとはあきらかに異なる質感をもっていた。

■ Everlasting Song - FictionJunction (2009年7月12日のLIVE)


■ 未来 - Kalafina (2013年)


■ I Will Be There With You - 杏里/Anri(JAL 企業PV/2011年)

1980年代の杏里にはなかった旋律。

■ ここにあること - 桜ほたる(歌ってみた)

2011年秋、震災後のWeb公開とみられるボカロ曲。
思いっきりはじけた感じがする名曲。

■ ヒカリヘ - miwa (2013年)

どちらかというと、いまの時代にアジャストしている曲のような気がする。
時代を先取りしすぎたか?

■ Hero - 安室奈美恵

2016年7月27日リリース。
J-POPの質感が変わったか? と感じた曲。
この名曲でもオリコン最高位6位。五輪のテーマソングとしてはよく流されたが、時代の空気にはそぐわなかった?

■ 栞 - 天野月 feat.YURiCa/花たん

2016年11月23日リリース。
閉塞状況から花開いていく感じの曲。これも早すぎたか。

■ YOASOBI「群青」 from 初有観客ライブ『NICE TO MEET YOU』2021.12.04@日本武道館

2020年9月1日リリース。
一聴”応援ソング”っぽいけど、歌詞を聴き込むと、巷にあふれる”自助的応援ソング(がんばろうソング)”とは明らかに一線を画していることがわかる。
『Just The Two Of Us進行』的なコードも、1980年代のお洒落感とはちがう解釈ではまってる。
「本当に変わっていくかも」と感じた1曲。

■ 【公式ライブ映像】Poppin'Party「キズナミュージック♪」

アニソン系でもはじけるブライト感をもつ曲が増えてきた。

■ One Reason - milet

2021年9月10日リリース。これまでのJ-POPとは明らかにスケール感がちがう。

■ キャラクター - 緑黄色社会

2022年1月26日リリース。ひさびさに聴いたヨコノリ含みのグルーヴ曲。
こういう曲が出てくるということは・・・。

■ おもかげ - milet×Aimer×幾田りら (produced by Vaundy)

2021年12月17日リリース。
あたらしいJ-POPを象徴する3人のコーラス。これは来たと思った(笑)
Vaundyのような才能が出てきて正当に評価されるのも時代の流れの必然では?

■ Hallelujah - 加藤礼愛(カトレア/Leia Kato/12yrs/中1) @東京ミッドタウン 2022.5.5日比谷フェスティバル まちなか劇場

2022年5月5日のライブテイク。
こういうワールドワイドな才能が出てくることも、日本の復活を暗示しているのかも。

↑ こういう「聴き手のきもちを前向きにする」曲はあきらかにここ数年で増えてきていると思う。
これを吉兆とするならば、吉兆の鳥・八幡神のおつかいの鳩ですね。なので「鳩曲」。
こうした「鳩曲」たちが先駆けとなって、時代がすこしでも前向きに、明るくなるといいですね。
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