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■ 冬場もつかえるハーブ-3

■ 冬場もつかえるハーブ-1
■ 冬場もつかえるハーブ-2
にときおり多数のアクセスをいただくので、続編をつくってみました。

今年は天候不順で、梅雨~夏場にけっこうハーブを枯らしましたが、ここに来て俄然元気をとり戻してきています。
欧州系ハーブの原種の生育適温は10~15℃ともいわれ、冬場の南向きのベランダは陽射しが射し込み、北風も遮られてハーブにとって快適な環境となります。


↑ 冬の定番、フェンネル&チャービル。


■ 好品種のご紹介

・マスチック・タイム


おそらく香りのよさではハーブでもベスト1を競う好品種で、香水の原料にされるほどです。
ただし樹勢は強くなく、とくに夏場の高温多湿に弱いです。
また、強くて十分な日照を必要とします。
今年も例によって夏場に枯らしましたが、梅雨どきに挿し木でバックアップしたので挿し木のやつは生き残りました。
この品種はなかなか入手できないので、枯らすとやっかいです。

ハーブの多くは挿し木できるので、稀少品種はバックアップがベターです。
ただし、やりすぎると栽培スペースがなくなります(笑)

↓ バックアップ中のローズマリー


・ローズマリー・スカイ
・ローズマリー・サドバリーブルー
・ローズマリー・シシングハースト

・タイム・フレンチサマー


おそらくコモンタイム系の改良種と思われます。
葉の茂りが密ですが蒸れに強く、あっさり夏越しに成功しました。
栽培しやすく、香りや風味はコモン種に引けをとらない好品種だと思います。

・アルテミシア・トレゴン


個人的には、ハーブの王者はタラゴン(エストラゴン)だと思いますが、これはすこぶる栽培がむずかしく、いままで何回枯らしたかわかりません。(多年草ですが、日本では実質一年草だと思う。)
09.でその代用品として4シーズンタラゴンをご紹介しましたが、この品種はそれよりもタラゴンの風味に近いです。(というか、ほとんどコモンタラゴンと差がない。)
これは樹勢が強く、なんとあっさり夏を越しました。タラゴンで夏越しに成功したのは初めて。
こいつは期待の新品種だと思います。

・セージ・マキシマ


丸葉のセージですこぶる香りがいいです。
マキシマとあるので大型種とも思いましたが、いまのところおとなしくコンパクトにまとまっています。
夏場も樹勢が落ちず、コモン系セージとしては育てやすい好品種だと思います。

・ヘリクリサム・カレープラント


カレープラントはカレーそっくりの香りで人気のハーブですが、高温多湿に弱く夏越しはけっこうやっかいです。
これは改良種と思われる品種で、夏場の炎暑下でも平気で樹勢を保っていたのにはびっくり。
カレーの香りは標準種より強いです。

・レモンユーカリ


素晴らしいレモン香を放ち、その香りのよさはレモンバーベナーと双璧です。
背が高くなり樹形が乱れがちなので栽培スペースが必要です。

・パイナップル・ミント


けっこうメジャーなミントですが、独特の香りと上品な草姿をもつのでご紹介します。
ミントながら意外に神経質で、知らないうちに姿を消していたりします。
ミントのくせに蒸れに弱いので、強剪定気味に乾かして育てるのがポイント。

■ ローズマリーの品種
ホームセンターや園芸店でふつうもっとも品種が多いのは、ミントとローズマリーです。
ミントは似た香りのフルーツの名前がついていたりするので(パイナップルミントとかバナナミントとか)イメージしやすいですが、ローズマリーは育成者の名がつけられていることも多くそうはいきません。
どれを買ったらいいのかわからん状態に陥ります。

そこで、おすすめの品種をいくつかご紹介してみます。
耐寒性の弱い品種もありますが、関東周辺ではほとんどの品種が野外で冬越しできます。

・ロックウッド デ フォレスト


アメリカで選抜。単にウッド種ともいい這性ともいわれますが、じっさいはかなり立ち上がります。
ローズマリーを思いっきり使い倒したい方にはこの品種をお奨めします。
成長が早く樹勢が旺盛で、強剪定にも耐え寒さにも強いです。
葉色が濃厚で、ローズマリーとして標準的な香りと風味が安定しています。
花色は株や生育条件により幅がありますがおおむね濃いめのブルーで鑑賞用としても向いています。
実用性と観賞性を兼ね備える優れた品種です。
コーリンハム(ウッド)・イングラムという品種もときにウッド種と呼ばれて混乱していますが、こちらは半立の垂下性で、コルシカ島選抜なので耐寒性は弱いです。

・ダンシングウォーター


半匍匐性で成長はかなり早いです。
ただし、こちらはウッド種に比べると香りにやや個性があって、料理への汎用性はやや劣ります。
名前のとおり跳水が踊るように波打つ樹形は優美で、薄紫色の花は上品で花付きもよく観賞用にも向いています。

・ベネンデン・ブルー


別名をコルシカン・ブルーともいい、細葉の半立性小型種で濃紫色の華麗な花をつけます。
ツンとした芳香をもち、細かく刻んでスパイス用途に向いています。
葉の香油分が多く、春先などは触れなくても香りが漂うほどです。
耐寒性があり、樹勢は旺盛で育てやすく、樹形も優美な好品種です。

ローズマリーには他にも多くの種類があります。
フランスのオフィシナリス(原種)、英国のミス・ジェサップス、イタリアのトスカナ・ブルー、米国のサンタバーバラなど、各国の料理に合わせての品種の使い分けも面白いです。


↑ 『ローズマリーブック』(1998年、ほるぷ出版、桐原春子氏著)
ハーブ研究家、桐原春子氏の名著です。
おそらくこれまで日本で出版されたハーブ本のなかで、もっとも多くのローズマリー品種が収録されています。

■ ローズマリーの花
ローズマリーの品種の多くは冬~春先に開花します。
ローズマリーの葉や樹形は品種による差がさほどないので、おもに花色と香りで品種を識別します。

・ローズマリー・ホワイト

樹勢は強くなく花量も少ないですが、今季はよく咲いています。

・ローズマリー・マジョルカピンク

かわいいピンクの花を咲かせます。独特の香りがあるので花がなくても識別できます。
香り・風味ともにクセがあるので料理には不向きです。

・ローズマリー・スーパーエメラルド

たしかかなり昔に大手食品メーカーが開発した品種。樹勢は旺盛で、濃い青紫色の花をたくさんつけます。

※インスタント・カメラで撮ったので画質はいまいちです。すみませぬ。
栽培したほとんどの品種の花を一眼レフで撮っているので、タイミングをみて後日アップしたいと思います。


■ 朝食に添えてみました。

・パセリ、フェンネル、ローズマリー(ウッド)


・タラゴン、タイム・タボール、タイム・オレンジバルサム、チャービル


・サラダに全部のせ(笑)
これだけ載っけたら、香りと風味が強すぎてさすがにキツイです。

■ 和ハーブ


今年は、アサツキとワケギを植えてみました。
どちらも冬場でもしっかり育ち、小ネギ、青ネギよりも上質な香りと風味があるのでおすすめです。
(とくにアサツキは買うとけっこう高い。)


毎年定番のミツバは夏越しし、葉数が増えてきました。

■ ビオラ
・今季は早くからビオラが売っていたので、例年より多めに仕込んでみました。
丈夫で花付きのよい新品種がたくさん発売されています。


3色植え


ローズマリーとビオラ


原種系のビオラ

ハーブの寄せ植えに最適な品種です。

三色ビオラ、タイム・ロンギカウリス、ラムズイヤーの寄せ植え



【 BGM 】
■ We Live For Love - Tim Heintz


■ Peaceful - Pat Kelly


■ Angels Crossing - Tom Grant
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