シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

音楽の夢に浸った所

2023-09-03 15:54:25 | お店紹介
久しぶりに銀座を歩いた。

過去、このブログでも記したが、
銀座は外人ばかりの、雑然とした街になった。
老舗店が姿を消し、店構えが変わった目抜きの中央通りだが、
私が昔から行く店は、今もそこにある。

7丁目のヤマハ銀座店。
高校生の頃から、楽譜やCDを買いにわざわざ行った店だ。
品数が豊富とか、質が良いとか、そういう事ではなく、
銀座の音楽専門店に来たというだけで、
すごくお洒落な雰囲気に浸れたのである。

高校1年の時、
社会の授業で、グループ毎に一つのテーマを設け、
それを発表するという機会があった。
その時、同じグループだった男女6人で、
『株式会社日本楽器について』というテーマを選んだ。
現・ヤマハの旧名である。
そして、学校の帰りに6人で銀座まで行き、
このヤマハの店でいろいろ調べた事がある。
制服のまま、女子と一緒に銀座に行ったなどというのは、
あとへも先へもこの時だけだ。

スコアやCDを買っただけでなく、
ここのヤマハホールで、
私が好きなピアニストの仲道郁代さんのコンサートがあり、
サインを戴いた思い出の場所でもある。


しかし、昔はもっと使い勝手の良い店だった。
CDもスコアも、まとめて見やすく並べてあった。
ところが今は、薄暗い照明のフロアに、
どういう順に並んでいるのかわからないようなスコアが、
お洒落なようで雑然と置いてある。
まるで、今の銀座の街のようだ。

ともあれ、この店に来ると、
合唱団時代や、その後の音楽に関わった自分を思い出す。
何かを好きになり、夢中になった時代に、
足しげく通った店といえば、私はこのヤマハ銀座店なのである。


日常に追われ、趣味も没頭出来なくなった今だが、
店頭でスコアを手にすると、
自分の楽しみは、やっぱり音楽なんだと再認識する。

もう一度、合唱をやってみたいな・・。