シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

日本一美しい駅名

2023-09-23 15:59:31 | 旅・町歩き
秋分の日。
連休だが、遠くに行けるような毎日ではない。
地図を見て、旅行気分に浸るだけだ。

ところで、全国の駅の中で、
私が最も美しいと思っている駅名がある。

京阪電鉄の『墨染』駅だ。
すみぞめ、と読む。
京都市伏見区にある駅だが、
墨を染める。 いかにも京都らしい字面、響きを持つ。

Wikipediaによると、
墨染の地名は、平安時代、上野岑雄(かむつけのみねお)が
友人である藤原基経(ふじわらのもとつね)の死を悼み、
「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」と歌ったところ、
この地の桜が墨染色に咲いたという伝説が由来とも言われる


9年前になるが、実際にこの駅を訪れた事がある。
何もない駅で、駅横の踏切を交差する道路が一本。
ロータリーもバスターミナルもない。
商店街としての店があるが、
人通りが多いわけではない。
東京なら、京成の駅に近い雰囲気だが、
京成の方がはるかに駅前は賑やかである。

あれから9年経った。
Googleのストリートビューで見る限り、
それほど変化はないようだ。

しかし、この近くには日蓮宗の墨染寺(ぼくせんじ)があり、
春には桜の名所となる。
また、『墨染交響楽団』というアマチュアの楽団も存在する。
9月18日には、30回目の定期演奏会も開かれたらしい。
素敵な地名は、色々な所でお目にかかる。


特に東京は今、
とうきょうスカイツリーだの、
高輪ゲートウェイだの
虎ノ門ヒルズだの、
固有の建物のような駅名が多くなった。
美しく、響きのある駅名が少なくなりつつある。

その中で、
京都の下町のような所にひっそりと存在する駅が、
私の思う、日本一美しい駅名である。