AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ピーヒャラピーヒャラ

2010年09月05日 | プログレッシヴ草稿
ここでは一生CDを買わないだろうと思っていた近所のイオン内にあるよくわからないCD屋で、一生聴かないだろうと思っていた日本のプログレバンド四人囃子の1974年の1stアルバム『一触即発』の紙ジャケリマスターが処分価格で売られていたのでこの際やし聴いてみたろかと、20代前半で封印したプログレ探求心をつかの間だけ開くことにした。
別に先月日比谷で行われた『プログレッシヴ・ロックの祭典~めくるめく音世界への誘い~』に彼らが出演してたからというわけではありません。

四人囃子は以前から興味がありましたが、あの時代の日本のバンドといったらフォークロックとか、グループサウンズみたいなイメージがあって四人囃子はそういうのにちょっと毛が生えた程度のバンドだろうなという勝手な思い込みがありやしてねぇ、へへへ・・・
ところがどっこい、これがかなり本格派のプログレバンドでありまして、まぁ一言で言うたら和製ピンク・フロイドといった感じですかね。
タイトル曲の「一触即発」なんて前半は狂気の“生命の息吹”で、後半の展開なんてモロ“ECHOES”してますから。
ただ、フロイドほどフォーキーではなくてけっこうハードロッキンしている。
演奏力、構成力もかなり卓越したもので、ギターボーカルの森園勝敏氏の奏でる幻惑的で美しいギターの旋律、そしてやはり日本語で歌われる独特の詩世界が日本バンドならではの個性と魅力を放っている。
特に本作でもっとも感銘を受けた「空と雲」はゆらゆら帝国も実は彼らに影響を受けたのではないか?と思わせるシュールなフレーズが見事に私のツボをつきまくった。
この曲を聴いてると、幼少時代の昭和の風景が脳裡にまざまざと浮かんでくるような、そんなノスタルジックな気分にさせてくれる。
木の枝をちぎって振り回しながら田んぼ道を闊歩して、花畑の中で立ちしょうべんをして、河川敷に落ちてるパリパリになったエロ本を持ってた木の枝でめくっていくような、そんなトキメキすら感じさせるのである。

このリマスター盤にはボートラにシングル曲のA面B面が収録されていて、この楽曲達もまた秀逸。
BOSTONのジャケを彷彿とさせるような超SF風ナンバー「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」で高らかに歌われるその歌詞は誇大妄想家の戯言のようにも聞こえるが、そこにはとてつもない壮大なロマンを感じとることができる。
人間椅子の「宇宙遊泳」やVOIVODの「JACK LUMINOUS」など、一見子供っぽいバカバカしいSFという題材をいかにロマンティックにやり切るかが、プログレアーティストとしての腕の見せ所であろう。
B面曲「BUEN DIA」のスタジオミュージシャン然とした演奏のインストナンバーも普通にいい曲です。

今回「一触即発」の歌詞の中で「キンピカの時計がいったいどうしたってぇ!?」というフレーズが非常に印象深かったのですが、二十歳の頃大学で私が会話の中で“キンピカ”という表現を使ってしまい「いつの時代やねん!」といって友達に大笑いされた悲しい過去があるのですが、この時代のフレーズだったんですねぇ。
そら笑われるわ。



今日の1曲:『空と雲』/ 四人囃子

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