2月9日、イアン・マクドナルドが逝ってしまった。
といっても、ロックファンの方で、どれくらいの人が彼の存在を知っているのか、ちょっと見当がつかない。
まぁ私が所持してるもので、彼が参加してた作品は以下の通りである。
ロックを聴きだした十代の頃、キング・クリムゾンの代表曲といってもいい名曲『21世紀の精神異常者』を初めて聴いた時の衝撃は、凄まじいものがあった。
これだけサックスが暴れまくっているロックなど、それまで聴いたことがなかったからだ。
ハマった!というわけではなく、どちらかというと戸惑いだった。
「え?これはジャズ?ロック?」とにかく、今まで体感したことのないこのいわゆる“プログレッシヴ”なロックに、とてつもない魅力を感じるとともに、ちょっと自分には難解すぎるなという印象を受けた。
キング・クリムゾンの1stアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』も、しばらく私を戸惑わせる内容だった。
1曲目であれだけド派手に暴れまくっといて、その後はやたらと幻想的で牧歌的で荘厳でインプロめいた楽曲が続く。
このオーケストレイションめいた幻惑的な音は、メロトロンっていう得体の知れない楽器で奏でているんだとか、「Moonchild」における「なんなの?この後半のわけのわからんクラシカルな即興演奏は?」とか。
でも「風に語りて」や、表題曲における流麗なフルートの音色がやけに心に響くんだよなぁ~なんて思ったり。
ブレイク後の、エンディングのフルートソロが秀逸。
つかこのキング・クリムゾンってバンド、メンバー何人いるんや?それともみんなゲスト演奏者?
で、よくよく調べてみると、サックスやフルートやメロトロンやヴィブラフォンの演奏は、どうやらイアン・マクドナルドって人がひとりでこなしてるんだってことがわかり、このアルバムにおける彼のマルチな貢献ぶりにぶったまげたのを覚えている。
イアン・マクドナルドは、クリムゾンの前身バンドGiles,Giles & Frippに、当時付き合っていたジュディ・ダイブルと共に途中参加することになるんだが、ちょっとしたジャズ/フォークバンドだったGG&Fに広がりと彩りを持ち込んだのは、このマルチな楽器の才能を持つイアンであり、彼の加入が壮大なるプログレッシヴバンドへと発展するキング・クリムゾンへの道筋を作る機動力となったのは間違いないかと(しかも、彼の親戚筋からの資金援助もデカかったらしい)。
イアン参加のGG&Fの音源は、『The Brondesbury Tapes』で聴くことができる。
クリムゾンの名曲「風に語りて」のオリジナルヴァージョンが、ジュディが歌うのと、イアンが歌う2ヴァージョン収録されている。
『クリムゾン・キングの宮殿』で衝撃デビューを飾ったイアンであったが、その後のツアーの重労働に耐えかね、「私がクリムゾンを抜けるから辞めないでくれ」というフリップの強い要請をも振り切り、マイケル・ジャイルズと共にバンドを去ってしまう。
その後にジャイルズと共に作った作品が、まんま『McDNALD AND GILES』。
クリムゾンを脱退してよっぽど開放的になったのか、なんやねん、このリア充ジャケ。
この作品、イアンのマルチな技が随所に光っているものの、全体的に極めて牧歌的で、クリムゾンで見せたマジックはすでにない。
これがリア充の作る音楽なのかと。私には馴染めなかった。
イアンは一般的によく知られている作品にも何枚か参加していて、たとえばT.REXの『電気の武者』がそう。
他にも、英米混合の産業ロックバンドFOREIGNERの創設メンバーだったりする。
フォリナーは80年代にシングルヒット曲も飛ばしていて、私自身幼少の頃より馴染みはあったし、ベストを含めイアン参加の初期作品も何枚か聴いたんだが、そこにイアンが参加してる意義というものを一片たりとも見出すことは出来なかった。つか好みじゃないので。
そして、イアンが再びクリムゾンのもとで、超名盤『RED』の超名曲「Starless」のクライマックス展開で、豪快なサックスソロを響かせていることは、クリムゾンファンの間では周知のことであるかと。
やっぱイアンは、クリムゾンにおいてその才能を遺憾なく発揮できるプレイヤーなんだと。イアンに一番ふさわしい場所はクリムゾンなんだと!誰もがそう思ったんじゃないかな。
ただ、キング・クリムゾンというのはよっぽどやっかいなバンドだったのか、居心地の悪すぎるバンドだったのか、ロバート・フリップは、イアンが『RED』のレコーディングにゲスト参加した時も彼にキング・クリムゾンを譲ろうとしていた。
その時はイアンも乗り気だったとかいないとか。だが、それも実現には至らずクリムゾンはアルバム発表後、突如解散してしまう。
もし、ロバート・フリップ、ジョン・ウェットン、ビル・ブラッフォード、イアン・マクドナルドの四者が同籍するスーパークリムゾンが実現し、70年代後半に躍動していたら・・・・
もう、想像するだけで震えが止まらないのである。
彼がこの世を去って、もう10日以上が過ぎてしまった。
今頃は向こうで、かつてのクリムゾンメンバーと再会して、セッションを楽しんでいるかもしれない。
ジュディ、イアン、グレッグ、ウェットンが順番に歌っていく「風に語りて」なんて、これは想像するだけで楽しい。
さて、虚しい妄想はこれくらいにして、最後に、イアンがプロデューサーとして元Carved Airのダリル・ウェイと共同制作した、彼のもの哀しげなエレピがフィーチャーされた、まさにイアンに捧げられた曲「悲しみのマクドナルド」で、彼の冥福を祈ることとしよう。
といっても、ロックファンの方で、どれくらいの人が彼の存在を知っているのか、ちょっと見当がつかない。
まぁ私が所持してるもので、彼が参加してた作品は以下の通りである。
ロックを聴きだした十代の頃、キング・クリムゾンの代表曲といってもいい名曲『21世紀の精神異常者』を初めて聴いた時の衝撃は、凄まじいものがあった。
これだけサックスが暴れまくっているロックなど、それまで聴いたことがなかったからだ。
ハマった!というわけではなく、どちらかというと戸惑いだった。
「え?これはジャズ?ロック?」とにかく、今まで体感したことのないこのいわゆる“プログレッシヴ”なロックに、とてつもない魅力を感じるとともに、ちょっと自分には難解すぎるなという印象を受けた。
キング・クリムゾンの1stアルバム『クリムゾン・キングの宮殿』も、しばらく私を戸惑わせる内容だった。
1曲目であれだけド派手に暴れまくっといて、その後はやたらと幻想的で牧歌的で荘厳でインプロめいた楽曲が続く。
このオーケストレイションめいた幻惑的な音は、メロトロンっていう得体の知れない楽器で奏でているんだとか、「Moonchild」における「なんなの?この後半のわけのわからんクラシカルな即興演奏は?」とか。
でも「風に語りて」や、表題曲における流麗なフルートの音色がやけに心に響くんだよなぁ~なんて思ったり。
ブレイク後の、エンディングのフルートソロが秀逸。
つかこのキング・クリムゾンってバンド、メンバー何人いるんや?それともみんなゲスト演奏者?
で、よくよく調べてみると、サックスやフルートやメロトロンやヴィブラフォンの演奏は、どうやらイアン・マクドナルドって人がひとりでこなしてるんだってことがわかり、このアルバムにおける彼のマルチな貢献ぶりにぶったまげたのを覚えている。
イアン・マクドナルドは、クリムゾンの前身バンドGiles,Giles & Frippに、当時付き合っていたジュディ・ダイブルと共に途中参加することになるんだが、ちょっとしたジャズ/フォークバンドだったGG&Fに広がりと彩りを持ち込んだのは、このマルチな楽器の才能を持つイアンであり、彼の加入が壮大なるプログレッシヴバンドへと発展するキング・クリムゾンへの道筋を作る機動力となったのは間違いないかと(しかも、彼の親戚筋からの資金援助もデカかったらしい)。
イアン参加のGG&Fの音源は、『The Brondesbury Tapes』で聴くことができる。
クリムゾンの名曲「風に語りて」のオリジナルヴァージョンが、ジュディが歌うのと、イアンが歌う2ヴァージョン収録されている。
『クリムゾン・キングの宮殿』で衝撃デビューを飾ったイアンであったが、その後のツアーの重労働に耐えかね、「私がクリムゾンを抜けるから辞めないでくれ」というフリップの強い要請をも振り切り、マイケル・ジャイルズと共にバンドを去ってしまう。
その後にジャイルズと共に作った作品が、まんま『McDNALD AND GILES』。
クリムゾンを脱退してよっぽど開放的になったのか、なんやねん、このリア充ジャケ。
この作品、イアンのマルチな技が随所に光っているものの、全体的に極めて牧歌的で、クリムゾンで見せたマジックはすでにない。
これがリア充の作る音楽なのかと。私には馴染めなかった。
イアンは一般的によく知られている作品にも何枚か参加していて、たとえばT.REXの『電気の武者』がそう。
他にも、英米混合の産業ロックバンドFOREIGNERの創設メンバーだったりする。
フォリナーは80年代にシングルヒット曲も飛ばしていて、私自身幼少の頃より馴染みはあったし、ベストを含めイアン参加の初期作品も何枚か聴いたんだが、そこにイアンが参加してる意義というものを一片たりとも見出すことは出来なかった。つか好みじゃないので。
そして、イアンが再びクリムゾンのもとで、超名盤『RED』の超名曲「Starless」のクライマックス展開で、豪快なサックスソロを響かせていることは、クリムゾンファンの間では周知のことであるかと。
やっぱイアンは、クリムゾンにおいてその才能を遺憾なく発揮できるプレイヤーなんだと。イアンに一番ふさわしい場所はクリムゾンなんだと!誰もがそう思ったんじゃないかな。
ただ、キング・クリムゾンというのはよっぽどやっかいなバンドだったのか、居心地の悪すぎるバンドだったのか、ロバート・フリップは、イアンが『RED』のレコーディングにゲスト参加した時も彼にキング・クリムゾンを譲ろうとしていた。
その時はイアンも乗り気だったとかいないとか。だが、それも実現には至らずクリムゾンはアルバム発表後、突如解散してしまう。
もし、ロバート・フリップ、ジョン・ウェットン、ビル・ブラッフォード、イアン・マクドナルドの四者が同籍するスーパークリムゾンが実現し、70年代後半に躍動していたら・・・・
もう、想像するだけで震えが止まらないのである。
彼がこの世を去って、もう10日以上が過ぎてしまった。
今頃は向こうで、かつてのクリムゾンメンバーと再会して、セッションを楽しんでいるかもしれない。
ジュディ、イアン、グレッグ、ウェットンが順番に歌っていく「風に語りて」なんて、これは想像するだけで楽しい。
さて、虚しい妄想はこれくらいにして、最後に、イアンがプロデューサーとして元Carved Airのダリル・ウェイと共同制作した、彼のもの哀しげなエレピがフィーチャーされた、まさにイアンに捧げられた曲「悲しみのマクドナルド」で、彼の冥福を祈ることとしよう。
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