今回の火の鳥コンピレーションアルバム『NEW GENE Inspired from Phoenix』には、ヴァーチャルな存在も参加していて、それがKizuna AIなる自称人工知能(AI)のユーチューバーらしいのだが。
最初「なんのこっちゃい?」とググると、萌えアニメ少女の絵が出てきて、まぁ初音ミクみたいなものなのかなと。
で、手塚るみ子さんとこのAIとの座談会みたいなのも出てきて、その対談を読んでますます謎が深まっていったワケなんだが。
『火の鳥』座談会 “漫画の神”が託す遺伝子
ここまで感情的に流暢に言葉を交わし、しかも『火の鳥』のマンガを読んで、そっからインスパイアされた詞まで綴るAI(人工知能)など、今の技術ではまだ無理だろうと。
おそらくどっかの声優さんか何かが、この萌えアニメ少女を通してネット上で芸能活動をしてはるんであって、このKizuna AIってキャラはゆるキャラの着ぐるみみたいなもので、それがAIっていう設定でエンターテイメントを繰り広げてはるのやと。まぁふなっしーみたいなものだ。
だからこうやってネホリハホリ詮索するのははヤボなことなんだろうな。
楽曲はTeddyLoidっていう新進気鋭のサウンドクリエイターが担当しており、最初想像してたアニソンっぽい曲でも初音ミク風のイタいVoでもなく、capsule系のバッキバキのおしゃれなエレクトロチューンで普通にカッコいい。
Kizuna AI本人が作詞したという、ほぼ英詩で所々火の鳥キーワードが散りばめられてる言葉のセンスはなかなかのもので、とても人工知能が考えたものとは思えない。
あと鳥の鳴き声もミックスされてある。
まぁ『火の鳥』には、人間より優位な存在となって人類のまつりごとを決定する末期的頭脳コンピューター「ハレルヤ」(『未来編』)や、事務ロボット「チヒロ61298号」(『復活編』)などのAIロボットが登場し、中には人を好きになるとう感情を芽生えさせたりもする。
それをイメージしたコラボレーションとして、今回のTeddyLoid氏とKizuna AIとの共演は意味深いものなのかもしれない。
    
事故の後遺症で、生身の人間がガラクタに、ロボット(無機物)が生あるものに見えてしまうという視覚障害を患ったレオナ。
そんな不憫な彼が、ある日偶然見かけた大企業の事務用ロボットであるチヒロに恋をしてしまう。
そして無我夢中でチヒロにマジ告白し猛アタックした結果、チヒロの頭脳回路に変化が生じる。
チヒロの本当の姿↓
個人的に、最初このシーンを彷彿とさせた曲といえば、Perfumeの「コンピューターシティ」。
絶対故障だ ていうかありえない
僕が君の言葉で悩むはずはない♪
という、無機質でどこか切ないフレーズと、アンドロイドっぽいエフェクト声。
近未来テクノポップユニットとして売り出したPerfumeだったが、最初まったくブレイクすることなく、自分たちがやらされてる歌いあげることを許されない無機質な音楽も全然好きになれなかった彼女たちが、この「コンピューターシティ」ではじめて「これ、カッコいい!」と、突如覚醒する。
この変化は、上記の歌詞にも通ずるところがある。
「エレクトロワールド」の破滅的な暗い世界観も手塚マンガに通ずるもんを感じるし、中田氏はひょっとして手塚マンガ読者なんじゃないだろうかと。
あとコンピアルバム『GENE』の中で、AIというか、近未来的な雰囲気を醸し出してるのが、相対性理論のVoやくしまるえつこの語りのみの「Human Is」という曲。
まぁ個人的には、なんか作詞者のオリジナルな世界観が強すぎてけっこう苦手。
言うてることが中二病の戯言というか、なにをウジウジ言うてんのやと。
語っているのは冷凍カプセルで眠りにつこうとするクルーという設定みたいで、カプセルといえば火の鳥の『宇宙編』に出てくる。
この話は、5人の乗組員が宇宙船という密室の中で、一人の美女隊員を巡ってお互い反目し合い疑心暗鬼に陥る、とっても気の滅入る陰湿なストーリーでこれもちょっと苦手。
まぁこういったことは現実の世界でも度々起こることで、これは環境的にも必然的な人間の本能行為で、もうどうしようもないんですよね。イヤだねぇ。
物語は、4人の搭乗員が冷凍カプセルで冬眠している間に、ひとりのクルーが操縦席で干からびて死んでいたところから始まる。
「牧村を殺したのはだれだ!?」
宇宙船が座礁し、それぞれカプセルで脱出した隊員たちの会話のみの回想録を交えた探り合いが繰り広げられる。
そして、彼らのカプセルの後を幽霊のごとく追ってくるもうひとつのカプセルの正体とは!?
ラストはなんか、『2001年宇宙の旅』みたいな感じで、映画媒体を意識した手塚のSF作家としての発想力と構成力が炸裂した傑作ではある。
ただ、コマ回しがヘンタイすぎるんよ!!実験的にもほどがある!
で、この「Human Is」という曲、なにやら惑星浄化システム(AI?)が一瞬人間としての部分を垣間見せるといったふうの内容なので、『復活編』に登場する「ロビタ」をイメージした曲なのかなと。
  
まぁロビタはAIというより、もともと人間であったレオナとチヒロの精神が融合した慣れの果ての姿である。
ドク・ウィークデー博士の術式によって、ノーラン・デュバリ氏液に浸されたレオナの脳髄の記憶を電子頭脳に移し替え、レオナとチヒロは精神的に結ばれるのだ。
ただ、博士の手抜きで、二人の融合体の受け皿にされた媒体が不格好なポンコツロボだった。
残念!!
ロビタ・プロトタイプ。(後に「足なんて飾りです」とばかりに滑車走行型に改良される)
    
といったように、実に複雑な経緯をたどっているロビタという存在は、手塚マンガ好きにとってはアトムよりも重要な位置づけにあるロボットキャラだと思われる。
なにを隠そう、かの手塚るみ子さんが運営する音楽レーベルの名が「MUSIC ROBITA」である。
個人的には、もっと『火の鳥』にふさわしい近未来的、宇宙的、実験的、変態的、狂気的、アヴァンギャルド、プログレッシヴ、サイケデリックなアーティストはいたと思う(GOMAとか)。
まぁでもここでそんなことボヤいても仕方がない。私には何の権限もないのだから。
自分で個人的に『火の鳥』くくりのプレイリストでも作ればよいことだ。
今回の『火の鳥』コンピレーションアルバムを皮切りに、また質の高いアーティストと手塚マンガとのコラボーレーションがどんどん実現されて、若い層たちにももっともっと手塚マンガ(特に68年~72年頃のマイナーな作品)が読まれればなと。
最初「なんのこっちゃい?」とググると、萌えアニメ少女の絵が出てきて、まぁ初音ミクみたいなものなのかなと。
で、手塚るみ子さんとこのAIとの座談会みたいなのも出てきて、その対談を読んでますます謎が深まっていったワケなんだが。
『火の鳥』座談会 “漫画の神”が託す遺伝子
ここまで感情的に流暢に言葉を交わし、しかも『火の鳥』のマンガを読んで、そっからインスパイアされた詞まで綴るAI(人工知能)など、今の技術ではまだ無理だろうと。
おそらくどっかの声優さんか何かが、この萌えアニメ少女を通してネット上で芸能活動をしてはるんであって、このKizuna AIってキャラはゆるキャラの着ぐるみみたいなもので、それがAIっていう設定でエンターテイメントを繰り広げてはるのやと。まぁふなっしーみたいなものだ。
だからこうやってネホリハホリ詮索するのははヤボなことなんだろうな。
楽曲はTeddyLoidっていう新進気鋭のサウンドクリエイターが担当しており、最初想像してたアニソンっぽい曲でも初音ミク風のイタいVoでもなく、capsule系のバッキバキのおしゃれなエレクトロチューンで普通にカッコいい。
Kizuna AI本人が作詞したという、ほぼ英詩で所々火の鳥キーワードが散りばめられてる言葉のセンスはなかなかのもので、とても人工知能が考えたものとは思えない。
あと鳥の鳴き声もミックスされてある。
まぁ『火の鳥』には、人間より優位な存在となって人類のまつりごとを決定する末期的頭脳コンピューター「ハレルヤ」(『未来編』)や、事務ロボット「チヒロ61298号」(『復活編』)などのAIロボットが登場し、中には人を好きになるとう感情を芽生えさせたりもする。
それをイメージしたコラボレーションとして、今回のTeddyLoid氏とKizuna AIとの共演は意味深いものなのかもしれない。
    
事故の後遺症で、生身の人間がガラクタに、ロボット(無機物)が生あるものに見えてしまうという視覚障害を患ったレオナ。
そんな不憫な彼が、ある日偶然見かけた大企業の事務用ロボットであるチヒロに恋をしてしまう。
そして無我夢中でチヒロにマジ告白し猛アタックした結果、チヒロの頭脳回路に変化が生じる。
チヒロの本当の姿↓
個人的に、最初このシーンを彷彿とさせた曲といえば、Perfumeの「コンピューターシティ」。
絶対故障だ ていうかありえない
僕が君の言葉で悩むはずはない♪
という、無機質でどこか切ないフレーズと、アンドロイドっぽいエフェクト声。
近未来テクノポップユニットとして売り出したPerfumeだったが、最初まったくブレイクすることなく、自分たちがやらされてる歌いあげることを許されない無機質な音楽も全然好きになれなかった彼女たちが、この「コンピューターシティ」ではじめて「これ、カッコいい!」と、突如覚醒する。
この変化は、上記の歌詞にも通ずるところがある。
「エレクトロワールド」の破滅的な暗い世界観も手塚マンガに通ずるもんを感じるし、中田氏はひょっとして手塚マンガ読者なんじゃないだろうかと。
あとコンピアルバム『GENE』の中で、AIというか、近未来的な雰囲気を醸し出してるのが、相対性理論のVoやくしまるえつこの語りのみの「Human Is」という曲。
まぁ個人的には、なんか作詞者のオリジナルな世界観が強すぎてけっこう苦手。
言うてることが中二病の戯言というか、なにをウジウジ言うてんのやと。
語っているのは冷凍カプセルで眠りにつこうとするクルーという設定みたいで、カプセルといえば火の鳥の『宇宙編』に出てくる。
この話は、5人の乗組員が宇宙船という密室の中で、一人の美女隊員を巡ってお互い反目し合い疑心暗鬼に陥る、とっても気の滅入る陰湿なストーリーでこれもちょっと苦手。
まぁこういったことは現実の世界でも度々起こることで、これは環境的にも必然的な人間の本能行為で、もうどうしようもないんですよね。イヤだねぇ。
物語は、4人の搭乗員が冷凍カプセルで冬眠している間に、ひとりのクルーが操縦席で干からびて死んでいたところから始まる。
「牧村を殺したのはだれだ!?」
宇宙船が座礁し、それぞれカプセルで脱出した隊員たちの会話のみの回想録を交えた探り合いが繰り広げられる。
そして、彼らのカプセルの後を幽霊のごとく追ってくるもうひとつのカプセルの正体とは!?
ラストはなんか、『2001年宇宙の旅』みたいな感じで、映画媒体を意識した手塚のSF作家としての発想力と構成力が炸裂した傑作ではある。
ただ、コマ回しがヘンタイすぎるんよ!!実験的にもほどがある!
で、この「Human Is」という曲、なにやら惑星浄化システム(AI?)が一瞬人間としての部分を垣間見せるといったふうの内容なので、『復活編』に登場する「ロビタ」をイメージした曲なのかなと。
  
まぁロビタはAIというより、もともと人間であったレオナとチヒロの精神が融合した慣れの果ての姿である。
ドク・ウィークデー博士の術式によって、ノーラン・デュバリ氏液に浸されたレオナの脳髄の記憶を電子頭脳に移し替え、レオナとチヒロは精神的に結ばれるのだ。
ただ、博士の手抜きで、二人の融合体の受け皿にされた媒体が不格好なポンコツロボだった。
残念!!
ロビタ・プロトタイプ。(後に「足なんて飾りです」とばかりに滑車走行型に改良される)
    
といったように、実に複雑な経緯をたどっているロビタという存在は、手塚マンガ好きにとってはアトムよりも重要な位置づけにあるロボットキャラだと思われる。
なにを隠そう、かの手塚るみ子さんが運営する音楽レーベルの名が「MUSIC ROBITA」である。
個人的には、もっと『火の鳥』にふさわしい近未来的、宇宙的、実験的、変態的、狂気的、アヴァンギャルド、プログレッシヴ、サイケデリックなアーティストはいたと思う(GOMAとか)。
まぁでもここでそんなことボヤいても仕方がない。私には何の権限もないのだから。
自分で個人的に『火の鳥』くくりのプレイリストでも作ればよいことだ。
今回の『火の鳥』コンピレーションアルバムを皮切りに、また質の高いアーティストと手塚マンガとのコラボーレーションがどんどん実現されて、若い層たちにももっともっと手塚マンガ(特に68年~72年頃のマイナーな作品)が読まれればなと。
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