AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
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クトゥール!!

2016年09月25日 | ルルイエ異本
闇の青牡蠣教団ブルー・オイスター・カルト(以下BOC)のすでに廃盤となっていた1988年作『イマジノス』の日本盤の見本盤を安価で入手した。
BOCは、ジャケは好みだが音楽的にはさほど好みでない、ましてやVoがすでにチェンジした80年代のこの作品を必死で捜し求めていたのには、私なりの不純かつ不埒な理由があった。
つか以前のBOCの記事でも言及しているのだが、この作品、実は3rd『オカルト宣言』の続篇なのである。
1曲目「I AM THE ONE YOU WARNED ME OF」では、ラヴクラフトから暗黒の知識を得た男ディスディノヴァが歌に再び登場する。
そう、このアルバムはおそるべきクトゥルー神話作なのだ!

つい先日、このことを「ニンギジッダ通信(Twitter)」にてちょこっとつぶやいたのだが、これがクトゥルー信者の方々になかなかの物議を醸してしまった。

“Cthulhu”という単語には、クトゥルー、クトゥルフ、クルウルウ、ク・リトル・リトル、チュールー、クトルットゥルーなど、訳者によって様々な発音表記がなされているが、このBOCの作品のライナノーツではまた新たな発音表記が提示されていて、私はその前代未聞の発音に慄然となってしまったのであった!



クトゥール神話体系!!

これは長年クトゥルー神話に携わってきた研究者や私の暗黒神話における固定観念や良識を根底から覆す大発見であった。

このBOCの『イマジノス』のライナーを書いた当時の担当者はB!誌の広瀬和生氏で、この「クトゥール」表記にも驚かされたが、彼が文書のなかで“ラーン=テゴス”の邪神の名を挙げていたことにも驚きを禁じ得なかった。
彼は今や老舗メタル雑誌B!誌の編集長に昇りつめながらも、かなり暗黒神話に通じている人物とみた。


すでに廃盤で入手困難だったこの『イマジノス』の日本盤。
私が敢えて日本盤を入手するのにこだわったのにもやはり理由がある。
実はこのCDには、BOCが編んだこの作品における一連の物語の背景、進行を記したブックレットが付属されているとの情報を得ていたからにほかならない。
そこには彼らが創造したどのような忌むべき暗黒の物語の背景が記されているのか、その概要が知りたくてたまらなかったのだ。
もちろん輸入盤にもそのブックレットは付属しているだろう。でも、いちいち訳すんのめんどくさいししんどいやん。
つまり、私は語学力に乏しいのだ!(でも中学のときの英語の成績はまあまあだったぞ)


ところがどっこい、そのブックレットを開いた瞬間、私は言いしれぬ失望感を味わされるハメとなった。

英文のみで訳してくれとらへんやんけ!!


たく、これだから昔のCDはイヤなんだよ。
ヒドいやつなんて歌詞すら訳してくれとらんのもあるし、裏ジャケはカタカナ表記だし、音質悪いし・・

なけなしの語学力でちょっと翻訳を試みたが、う~~ん、非常にキビジー。
ともかく、歌詞の対訳とライナーノーツと、クトゥルー関連の書物などを照らし合わせてなんとなく導き出した本作の概要は以下のとおりである。


「時空を超えた世界から、見えざる者(invisible one)がこの地球に送り込んだ邪悪なるエージェント“イマジノス”がこのアルバムの主人公でありコンセプトとなっている。
無限の力を持ったイマジノスは、歴史のあらゆる場面で人類を悲劇へと導いていく。

1892年から1893年にかけてじっちゃんがメキシコへ航海した。
それは彼の屋敷に所蔵されている古い巻物に記された予言の謎を解くためだった。
呪文で守られた船でユカタン半島(マヤ文明がかつて存在した地)へ渡ったじっちゃんは、廃墟めいた神殿内で、奇怪な角度をもって掘り抜かれた“入口はただひとつにして出口はひとつもない翡翠の房室”から漆黒の黒曜石の鏡と、“完全なる黒より生み出された菌”を盗みだした。
じっちゃんは彼の孫娘の誕生日に贈り物として強奪してきたその不穏なる品々をヨーロッパに持ち帰った。

そのじっちゃんとは、すなわち暗黒のエージェント“イマジノス”自身であると。
イマジノスはやがて、欧州の運命を握る者たちの脳へとその菌糸をのばしていった。
そして世界を第一次大戦へと導いていったのだ・・・・・」

上記のブックレットの英文の中には19世紀にエリザベス女王に仕えていた魔術師ジョン・ディー博士の名前なんかも挙がっていて、どんなことが述べられているのか非常に気になるところである。


今回、「クトゥール」発音表記ツイートでクトゥルフ神話検定ん時のつぶやき以来久々の反響を呼んでしまったが、これをキッカケにクトゥルー信者の間でブルー・オイスター・カルトが流行るなんてことは、まぁまずないかな。

あと、本作の中には「BLUE OYSTER CULT」なんてバンド名をタイトルとしている曲なんかもあって歌詞の対訳を読むと、メンバー自身が旧支配者、見えざる者、そのエージェントたるイマジノスを崇拝、手助けするカルト集団、ブルー・オイスター・カルト(青牡蠣教団)という構図がまざまざと見えてくる。
う~む、おもしろいじゃないか。


さあ、みなさん

これが歪んだ俺の夢

見るがいい、これは俺達のやったこと

牡蠣信仰を楽しむがいい

ブルー・オイスター・カルト!  (M8「BLUE OYSTER CULT」より)


そしてクトゥール!!




今日の1曲:『Blue Öyster Cult』/ Blue Öyster Cult

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2 コメント

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げに青牡蠣教団の恐るるべし… (サバス好きー)
2016-10-12 17:57:33
広瀬さんはラブクラフトに精通していたんですね。
クトゥルフ、クトゥルー、九頭龍など色んな呼称を聞きましたがクトゥールとは初めて聞きました。
Rageや初期Metallicaがクトゥルフ神話関連の曲をつくっているのは知ってましたが、BOCもだったとは…
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>サバス好きーさん (あましん)
2016-10-13 20:58:08
HR/HMを聴いていると、やはりクトゥルー神話を避けては通れませんよね。
Morbid Angelや人間椅子はラヴクラフト作品そのものを題材にクトゥルー用語を駆使して曲を作ってるのに対し、BOCはクトゥルーの雰囲気だけを汲んでオリジナルの物語を展開してるところが興味深いです。
オリジナルのクトゥルー神話、それこそまさに“クトゥール神話”ということなんでしょうか?
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