またしても偉大なるギタリストが天に召されました・・・
元NAPALM DEATHのメンバーとして知られるグラインド・コア・シーンのパイオニア的ギタリスト、JESSE PINTADOが8月27日、糖尿病の悪化による合併症のためオランダの病院で亡くなった。享年37歳。
彼は1980年代にLAで、NAPALM DEATHにも影響を与えた伝説のグラインドコア・バンドTERRORIZERのギタリストとして音楽活動を開始。解散後の1989年にはNAPALM DEATHに加入して、2004年に病気を理由に脱退するまでバンドの中心人物として活躍。また、同じくNAPALM DEATHのシェーン・エンバリーと共に別プロジェクト、LOCKUPを結成するなど、シーンの発展に常に貢献してきた。ジェシーは今年に入ってTERRORIZERを再結成、ニュー・アルバム『Darker Days Ahead』をリリースしたばかりで、今後の活躍も期待されただけに今回の訃報は悔やまれます。ご冥福をお祈りします。
(bounce.comより)
というわけで、突然の訃報が舞い込んだので、引き続きツェッペリン特集をお送りする予定でしたが、変更してジェシー・ピンタードと、その彼が関わった諸作品について語ることにいたしましょう。
とは言うものの、私は彼をギタリストとしてそれほどリスペクトしていたという訳でもないんですけど・・・
ただ、血気盛んだった若かりし学生時代、エクストリーム・ミュージックを追求する上でTERRORIZERの1stはもちろん、彼在籍時のNAPALM DEATH作品だけでも5枚、そしてSSTVを見ていて偶然知った彼の別プロジェクトLOCKUPの作品に至るまで、私の音楽人生に彼のギターサウンドが深く関わってきたのは紛れもない事実なのである。
彼のギターサウンドに初めて触れたのは、NAPLM DEATHのミニアルバム『MASS APPEAL MADNESS』を聴いた時であった。
この作品購入に踏み切ったのは浪人時代だったかな?NAPALM DEATHのアルバムを初めて購入するにあたって、いきなり20曲入りのフルレンスは無謀だと思い、まずは1000円安いミニアルバムでお試ししようと考えたからだ。
しかしこのミニアルバム、4曲入りでトータルタイムが9分をきる!という、シングルCDにも満たない内容量で「な、なんじゃそりゃーー!!」と思いっきりずっこかされたのを覚えている。
しかしそこに詰め込まれた楽曲群はどれも凄まじく、特に私のフェイバリットソングだったのが2ndアルバム『FROM ENSLAVEMENT TO OBLITERATION』収録の“UNCHALLENGED HATE”という曲のリメイクであった。
最初バーニーがミドルテンポな曲調に合わせて「ラ~~イ!!」と雄叫びを上げてるだけなのだが、突如演奏がストップしその後ミックの怒涛のブラスト波状攻撃が展開され、もう一種類のキチガイめいた声(この声はミッチか?)が何語ともつかぬ歌詞を捲くし立てるというバカバカしくも強烈なナンバーなのである。
ジェシーのギターはひたすらニブいリフを刻んでおり、ソロは皆無。だが短い楽曲の中にありったけのリフパターンを詰め込んで、聴き手の脳裏に強烈なインパクトを残す彼ならではの業なのである。
当時は彼の名前すらも認識していなかったが、リフを刻むことに終始するジェシーの一途な姿勢に、私は無意識のうちにとり憑かれていたのかもしれない。
このアルバムは初期のグラインド・コアな要素と、近年のメタル的な要素が同居しているNAPALM DEATHの歴史を約9分間に集約した縮図的名作であると思う。
そして唯一のオリジナルメンバーであった、ミック・ハリス最期の作品でもあった。
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