AMASHINと戦慄

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リリイホリック

2009年12月08日 | まったり邦楽
リリイ・シュシュ幻のシングル盤『共鳴(空虚な石)』をお手頃価格で入手。

もうこの商品はほぼ入手不可能だろうと半ば諦めていたのだが・・・
これはCoccoインディーズ時代のCD『Cocko』を入手した時以来の快挙かもしれない。
これでリリイ・シュシュ関連のアイテムはほぼ全て揃ったかと。
このシングルには「共鳴(空虚な石)」、「愛の実験」の他、「Sight」というアルバム未収録のインスト曲が収録されている。

で、12月8日の今日はリリイ・シュシュの生まれた日で、この日付はジョン・レノンがマーク・デビッド・チャップマンに殺された日時と一字一句符号している・・・・・

というようなことは以前の記事にも書いたので、今日はリリイについてのちょっとした経歴でも紹介するとしよう。


本名は鈴木圭子。
リリイ・シュシュという名前の由来は、リリイが言うところの「エーテルをはじめて音楽にした人」であり、彼女が敬愛してやまない音楽家ドビュッシーの家族関係からきている。
ドビュッシーの妻の名前はロザリー・テクジェで、その彼女の愛称が「リリイ」。
そして二番目の妻との間にできた娘クロード・エンマの愛称が「シュシュ」だった。
リリイ・シュシュは、この二人の名前をつがいにして出来た。


リリイは12歳で全寮制のミッションスクールに入校。その頃、はじめてバンドというものをやる。
それが<ブラッドベリ・オーケストラ>。
ご存知の通り、このバンドの正体はいまだほとんど明らかにされていない。


当時<ビタービート>というアマチュアバンドをやっていた加山葛比路が、野田周、木下有法と共に<フィリア>という今までとはまるでテイストの違うユニットを結成。そこにヴォーカルとして起用されたのが鈴木圭子、つまりリリイだった。
加山葛比路はリリイを渋谷のHMVで拾ったというが、コアなファンからしたらどう贔屓目に見ても拾われたのは加山葛比路の方という見方が圧倒的である。


1995年2月21日、無名バンド<フィリア>はシングル『アディクション』でメジャー・デビュー、某レコードのチャートで1位を獲得する。
その後、『アブノーマリティー』『マニック & デプレッシブ』とシングルをリリース、1stアルバム『フェティッシュ』をリリースした後、わずか1年で解散。
加山葛比路は早々に新ユニット<イエロウフェロウズ>を結成。彼はこの成功でメジャーの地位を不動のものにした。


解散から一年後、フィリアのベーシストだった木下有法(この頃UFO木下と改名)のもとにリリイから「エーテルが動き出したの」という連絡があり、フィリアのブレインとまで言われていた野田周がアレンジャーとして加わり、<リリイ・シュシュ>が始動する。


1997年2月に1stミニアルバム『ジュエル』を発表。翌年7月には2ndアルバム『エロティック』をリリース。
2000年4月にはシングル『グライド』が発売され、6月には『共鳴(空虚な石)』のシングルが発売される。
音楽TV番組「HEY!HEY! HEY!」や「ミュージックステーション」などにも出演し、一応ダウンタウンやタモリとも絡んでいる。










そして2001年10月、リリイ・シュシュ不朽の名作『呼吸』が完成する。




2003年にはクエンティン・タランティーノ監督の映画『KILL BILL』に、このアルバムから「回復する傷」が劇中曲として使用されたことは有名(私も劇場でギョッとしたことを覚えいている)。
これはタランティーノが彼女の歌声に惚れ込んだことにより起用が実現したものであるといわれている。

Kill Bill Vol. 1 - Kaifuku Suru Kizu



リリイ・シュシュの活動は例の“野田周事件”によって突如終止符を打たれる。
彼の一連の異常行動は「エーテルに取り憑かれた男」として週刊誌を賑わせた。

“エーテルの具現者”といわれているリリイの歌声の魔力というのは、本当に危険である。
彼女の頬を撫でるようなそのメロディと、皮膚を逆撫でするその言葉たちに共鳴し、取り憑かれた者は、自分の無力さを自覚し、絶望、破滅へといざなわれていく。
私自身もこないだ睡眠状態のまま“光の束”を聴いていたら、魂を持っていかれそうなパニック状態に陥った。


「私たちが何処へゆくのかはエーテルの気分次第。
何のため生まれて来たのかと悩む人がいる。理由はないの。歌がある。エーテルのうねりの中に。
だからあたしは歌うしかない。歌っているあいだだけが幸福。いえ、幸福なんてものも存在しない。
ただエーテルがこの世界を満たしているだけ。」
                            
リリイ・シュシュ




今日の1曲:『共鳴(空虚な石)』/ Lily Chou-Chou

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