PORTISHEADの『THIRD』です。
そう、まさにサードアルバム。しかも10年ぶりの新作!
それにしてもこの10年もの間、英国でポーティスヘッドほどの独創的なバンドがどれだけ輩出されたでしょうか?
トリップホップブームも過ぎ去り、私自身ポーティスヘッドの新作を特に心待ちにしていたわけでもなかったんですが、10年振りなんだから前2作の延長線上的な新作は全く望んでなくて、なにか新しい試みをしてくれてそうな、なんとなくそんな予感はしてましたが、今作はその期待に見事応えてくれた傑作でありましょう!
まるでモノクロフィルムのシュールレアリズム映画のサントラでも聴いているような、本作は正にそんなアートフルな仕上がり。
とにかく最近のクリムゾンなんかよりも実験的で破壊的。そしてどこかフォーキーで生楽器を全面に打ち出した作りになってます。
ゆらゆら帝国がアルバム『しびれ』でやっていたような、手段を選ばない実験的アートロックに相通ずるものを感じました。
まず、一曲目「SILENCE」の迫りくるドラムサウンドのなにやら不穏なこの緊迫感にド肝を抜かれました。
明らかに前作までとはガラっと雰囲気が変わっている!
でもべス・ギボンズのか細くヒステリックな悲哀ヴォイスが聴こえてくると、これが紛れもないポーティスヘッドの世界なんですわ。
今回ジェフ・バーロウは、レコードのスクラッチ音を一切使用せず、ひたすらドラムビートを刻むことに終始している。これがまた凄まじくアグレッシヴでカッコいいのだ!
特にM6「WE CARRY ON」のなんとなくドイツのCANのような、狂的エレクトロを髣髴とさせる信号音と並走するビートがたまりません!
ただ、M8「MACHINE GUN」のループする電子ドラム音は強烈で、そのあまりの病的な電子音に精神の脆い方は神経をズタズタにヤラれる危険性がありますのでご注意(特に就寝時は避けた方が賢明かと)。
後半にいたっては60年代サイケデリック・ロック、はたまたドゥーム・ロックのようなナンバーがどんよりと続きます。
エイドリアン・アートレイの奏でるギター音の歪み具合はいたって変質的で、奈落の底に突き堕とされるかのような心地にさせる。ある意味初期のカテドラルをも凌駕しております。
ラストのズゥゥゥゥ~~ン・・・と不気味に繰り返される沈み込むような病的なギターの歪み音がなんとも不気味である。
とにかく、10年経っていようが、手法が変わろうが、このポーティスヘッドのズルズルと引きこまれるようなダークさと、ウットリするような耽美さは少しも色褪せてはおりません。
あ~~、本作を聴いてたら、むりくり前向きに明るく生きてこいうなんて考えがバカバカしくなってきます。
Live @ ATP 2007
今日の1曲:『WE CARRY ON』/ PORTISHEAD
そう、まさにサードアルバム。しかも10年ぶりの新作!
それにしてもこの10年もの間、英国でポーティスヘッドほどの独創的なバンドがどれだけ輩出されたでしょうか?
トリップホップブームも過ぎ去り、私自身ポーティスヘッドの新作を特に心待ちにしていたわけでもなかったんですが、10年振りなんだから前2作の延長線上的な新作は全く望んでなくて、なにか新しい試みをしてくれてそうな、なんとなくそんな予感はしてましたが、今作はその期待に見事応えてくれた傑作でありましょう!
まるでモノクロフィルムのシュールレアリズム映画のサントラでも聴いているような、本作は正にそんなアートフルな仕上がり。
とにかく最近のクリムゾンなんかよりも実験的で破壊的。そしてどこかフォーキーで生楽器を全面に打ち出した作りになってます。
ゆらゆら帝国がアルバム『しびれ』でやっていたような、手段を選ばない実験的アートロックに相通ずるものを感じました。
まず、一曲目「SILENCE」の迫りくるドラムサウンドのなにやら不穏なこの緊迫感にド肝を抜かれました。
明らかに前作までとはガラっと雰囲気が変わっている!
でもべス・ギボンズのか細くヒステリックな悲哀ヴォイスが聴こえてくると、これが紛れもないポーティスヘッドの世界なんですわ。
今回ジェフ・バーロウは、レコードのスクラッチ音を一切使用せず、ひたすらドラムビートを刻むことに終始している。これがまた凄まじくアグレッシヴでカッコいいのだ!
特にM6「WE CARRY ON」のなんとなくドイツのCANのような、狂的エレクトロを髣髴とさせる信号音と並走するビートがたまりません!
ただ、M8「MACHINE GUN」のループする電子ドラム音は強烈で、そのあまりの病的な電子音に精神の脆い方は神経をズタズタにヤラれる危険性がありますのでご注意(特に就寝時は避けた方が賢明かと)。
後半にいたっては60年代サイケデリック・ロック、はたまたドゥーム・ロックのようなナンバーがどんよりと続きます。
エイドリアン・アートレイの奏でるギター音の歪み具合はいたって変質的で、奈落の底に突き堕とされるかのような心地にさせる。ある意味初期のカテドラルをも凌駕しております。
ラストのズゥゥゥゥ~~ン・・・と不気味に繰り返される沈み込むような病的なギターの歪み音がなんとも不気味である。
とにかく、10年経っていようが、手法が変わろうが、このポーティスヘッドのズルズルと引きこまれるようなダークさと、ウットリするような耽美さは少しも色褪せてはおりません。
あ~~、本作を聴いてたら、むりくり前向きに明るく生きてこいうなんて考えがバカバカしくなってきます。
Live @ ATP 2007
今日の1曲:『WE CARRY ON』/ PORTISHEAD
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