新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

2021年春…得三で友部正人さんのライブ…第1部

2022-03-11 07:09:00 | ライブ

コロナ禍で荒んだ世の中だからこそ…

友部正人さんの歌に耳を傾けたい…

新譜『あの橋を渡る』がめちゃいいのよ!!

詩人だな…と思える表現が多々含まれるいつもの友部さんらしい楽曲の数々だけど…中には、ストレートに等身大の友部正人さんが感じられる歌も散りばめられたりしてて…

優しくて…時には頑なで…

振り返れば…2020年、コロナ禍の中で、一番多く足を運んだミュージシャンが、友部正人さんでありまして…

 

そんな友部正人さんが2021年の春に…

いつもの…今池の…いつもの…得三にやってくる…

そーいえば、2020年の春、ちょうど1年前、新型コロナウイルスという言葉が飛び交ってた真っ最中にも、友部正人さんを観たことを思い出した…

あの頃は、ライブハウスがコロナの巣窟のように、報道されてた時期…

そんな中、コロナ報道後初めて行った得三…

心のどこかでびびりながら、二重マスクに手指消毒液持参…気が付けば、手に手指消毒液を塗りだくって、見た記憶が…

ビールを呑む時は、ちょいとマスクをずらして、すぐにマスクみたいな…

 

あれから1年、あのときほどの恐怖こそ感じてませんが、相変わらず「コロナ!コロナ!」

 

二重マスクに手指消毒液持参…気が付けば、手に手指消毒液を塗りだくって、

ビールを呑む時は、ちょいとマスクをずらして、すぐにマスクみたいな…

1年前と変わっていない現状に憂いを感じつつも

そんな世の中だからこそ…友部正人さんの歌で癒されたい…

言葉一つ一つを噛みしめながらも
友部さんの表現力の…言葉選びの鋭さに
衝撃を感じたときのことを思い出しながら…

そんな友部正人さんの「唄」の世界

唄い出せば…
その詞の
情景が…心に浮かび上がる…


でも…浮かび上がる心象風景は…
それは…友部さん独特の世界観…


けして
鮮明ではなくて…

そうだな…
友部さんの描く詞の世界は…

喩えるなら
淡くて…淡くて…
クレヨンで…描かれたような…淡い心象風景が
心に広がっていくのです…


まさに詩人そのもので
比喩法などで…イメージなどは聴き手に任せられる曲が多く…
曲から浮かび上がる心象風景を浮かべては
共感してみたり、ときにはエーッと驚愕してみたり…


そんな歌があるかと思えば
思いのたけを吐き出すように…
熱情的にストレートに歌い上げる歌もあって


その多角的な友部さんの唄に翻弄されちゃうのよ!!
聴けば聴くほどに…

ではでは、そんな友部正人さんのライブレポをば…だらだらと…

 

まずは

「モスラ」

から

震災後の東北地方がモスラのように繭に包まれ、今、まさに生まれようとしている…と捉えるその感性に驚かされる…と同時に心に浮かび上がるのは「ザ・ピーナッツ」…(笑)

 

「ニューヨークの憂鬱」

♪頭に靴を乗っけてみる~そんな人いませんか~

この比喩法から感じられる通り、実にコミカルなんだけど、どこかシリアスで…まさに詩人だなあと心から思わせてくれる1曲で

 

「船長坂」

♪歩いている 歩いている~

このフレーズが優しく心に残る…坂は…もちろん、人生に喩えて

伝わってくる旅愁感…歳を重ねて歩いてきたけども、まだまだ人生の「船長坂」は、これからもずっと続いていくんだろうな…

♪わざわざ歩かなくてもいい道を わざわざ歩く人がいる

行きたくないところには行こうとしない人たち~

こんな感じで、人生の旅は続いていくんだろうな…と何度も聴いてみたくなる…心に沁みる歌…

 

歌い終えて、友部正人さん

今日はありがとうございます…たっぷりと歌わせてもらいます…と一言添えて

 

「こわれてしまった一日」

強烈に心に滲みた…

特にこのサビのフレーズが…
心に滲みた!滲みた!

♪世界中の時計を一時間戻し
あなたはベッドにもぐりこむ
おやすみ、こわれてしまった一日に
遠くからでも見える人~♪



詞で綴られた言葉の数々は…
容易ではなく…
洗練された言葉で綴ってあり
伝わり方は断片的で…

…でも…

…この…
受けとめ方に…
聴き手の自由さを感じられるのが…

聴き終わった
みなさんが

十人十色!!

…の感想を抱くことができるのが…
友部さんの描く歌の世界なんですよ…


たとえば…

♪御徒町のプラットフォームに
一番電車が来る前に
水飲み場という月夜のピアノで
ハラハラ夜明けを奏でてよ~



…の歌詞で…


誰しもが
♪御徒町のプラットフォームに
一番電車が来る前に~

…までは…容易に詞の世界を想い描くことができても

♪水飲み場という月夜のピアノで
ハラハラ夜明けを奏でてよ~

…これの描き方は…
聴き手側の…感性の自由度に任される訳で…


そういった
メルヘン的な…
想像性を自由に…膨らませられることが…
これまた…友部さんの魅力の一つなのよ…

やっぱり友部さんって

詩人!!

…なんだな!!…って、改めてつくづく思う…

「サンテグジュペリはもういない」

童話を読み進めていくようなワクワク感…

歌詞に耳を傾ければ、悠久に思いを馳せることのできる壮大さも感じられる…

 

歌い終えて

友部正人さん

「僕が歌詞をかいて、曲はフラワーカンパニーズの鈴木圭介さん」と紹介する…

 

「大道芸人」


いやあ、友部正人さんの唄で
私にとって…好きな歌の5指には絶対入る歌
「大道芸人」


心にまっすぐに想いが伝わってくる
友部さんの唄…



ときどき
大道芸を眺めてると
客席エリアのどこかで友部さんがみているんじゃないか…
なんて思えてくるほど…

 

「さくらんぼ」

ミディアムテンポのこの曲…


繰り出される言葉に耳を傾けていると
伝わってくるのは…諸行無常…
月日は流れていく…
その諸行無常…のような感じを…
実に軽やかに歌っている…



♪話はもとには戻らない~

このフレーズがリフレインされるごとに
スルメのように心に…その味がいつまでも残る…


歌のラスト
サビのフレーズは

♪さくらんぼを口に入れたって 話はもとには戻らない~




いやあ…
詩人だな…

「スリー・キングス(3KINGS)」、鮎川誠、三宅伸治、そして僕との三人でのほとんどライブをしないバンドのオリジナルの曲だったと紹介をし

一昨年、8月にいきなりオリジナルの曲ばかりでレコーディングしようってことになって、それで突然できたのがこの曲なんだそうで

友部さん、しみじみと、締め切りって必要なんだなと…レコーディングをしたり本を出したり、ライブをしたりということは、歌を作るためには、大事な仕事なんだなと特に最近思うと語って

 

次の曲は

「気分が僕に伝えるよ」???

実は、タイトルを言って歌い始めたけど、聞き逃して…

詩集の話、レコーディングの話…今の友部さんの等身大の想いをストレートに伝わってくる歌でした…

 

ここでのMCは

去年はライブがほとんどできなかったけど、その間を利用してレコーディングをして「あの橋を渡る」というアルバム、その間にエッセーをまとめて、ちくま文庫から、エッセー集を12月に出すことができて、なんだかんだと言っていい年だったなと思う…と友部さん

しみじみと、このコロナ禍になって、みんな強くなった…そんな気がする…と…去年4月4日のここでのライブはお客さんが少なくて…それと比べて(客席の熱気を感じ取って)強くなったんだと感じますと…そうまとめて

「彼女は ストーリーを育てる暖かい木 」

 

♪彼女は海辺の町にいて 今日も流木を拾いあつめる~

この歌い出しから、心象風景に浮かぶ「東日本大震災」の記憶…そして、蠢くような熱さ…友部さんの想いが溢れんばかりで…

 

この日のこの曲、友部さんの歌が妙に心に沁みた…アルバムをCDで流して聴いていると、他に素晴らしい曲がありすぎて、この曲は、というと、実は割と耳から耳へと通り過ぎていくことが多いのに…

この夜の得三でのこの歌が、不思議なほど、心に沁みた…同じ歌でも、日、場所によって色合いが違ったものとして感じられるのも友部さんの大きな魅力の一つかもしれないな…

 

休憩挟んで第2部に続く…