新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

2021年春…得三で友部正人さんのライブ…第2部

2022-03-12 08:37:43 | ライブ

2021年春…得三で友部正人さんのライブ…の続き…

換気タイムの休憩挟んで…第2部

 

 

まずは

 

「組み立てる」??という歌から

 

♪組み立てる 組み立てる 僕は事件を組み立てる~の歌い出しから始まる歌から

 

おじいさんがやってきているけど、そこには車を運転している運転手が眠っている…といった場面…そこを、僕が「透明人間」になって…といった

ファンタジーな世界観が3拍子のリズムに乗って綴られる…

 

初めてこの歌を聴いたので、この曲をしっかりとは味わえてはいないけど、おそらく友部さんなりの鋭い観点で、比喩表現が込めてあるような感じが、どこかに隠されているような気がして…

新曲だろうか…また、聴いてみたいと、できることなら歌詞をみながら詞を味わいながら聴いてみたいと思える1曲でした…

 

歌い終えての友部さんの一言は

「組み立てる…なんのことかわからないだろうけど、こんな曲が生まれた」と言葉にして

続いては

「マオリの女」

画家ゴーギャンはタヒチで暮らした2年間、そのときに知り合い、妻にしながらも、フランスに帰ることにし、タヒチに残したテフラ…その悲しみが綴られる


「ゴーギャン展」を美術館に観に行ったとき
ふと友部さんのこの歌のフレーズが浮かんだことが
思い出された…


この瞬間だけは「得三」が
ちょっとした…美術館のような
雰囲気にも感じられて

歌詞に耳を傾けていると
心がちょっと痛くなる
ゴーギャンと関わったテフラの切なさが心に沁みる…

次の曲は

名古屋では初めて歌う歌だと

♪デパートのシャッターが下りてる 駅の場所が変わったらしい~

の歌い出しから始まる歌…

 

曲を聴きながら感じたこと…それは開発という名のもとに、街の景色が変わってしまうことで、そこでの思い出も一緒に消えてしまう…そんな寂しさが伝わってくる…

 

曲の途中では、友部正人さんの語り

「渋谷から電車で3駅、そんな隣町からやってきた…半年の間に街はすっかり変わってしまった…」

言葉の間から伝わる回顧的な…切なさ…

 

友部さんのみた風景とは違うけど…

私は「岡崎駅前」にある(あった)岡ビル百貨店のことがふと浮かんだ…

 

そのブログも一緒にどうぞ…

 

名鉄東岡崎駅直結の「岡ビル百貨店」の3階にある「キッチンこも」は、半端ないレトロ感!!昭和を感じながらランチを食べた…の巻…

 

2021年5月中旬…昭和33年(1958年)創建の名鉄東岡崎駅直結の岡ビル百貨店の異変に気付く…の巻

 

悲報…完全閉店…行きも帰りも…行けなくなっちゃう岡ビル百貨店!

 

この歳になると、便利以上に、昭和のものが一つ一つ消えてしまう寂しさをついつい感じてしまうのです…だって、その思い出の場所に、もう一度行きたいと思っても、その場所がなくなってしまう…のはとても寂しい気がして…

 

続いての曲は

 

「クワガタ」

♪クワガタの子供はクワガタだった~

との歌い出しで始まる歌…

♪実感が実感でなくなると、実感は僕ではないものになる~

しっとりと歌われるこの歌の意味するところは実に深い…

 

続いては、イントロではハーモニカを響かせ

 

「空の鰯」

♪枝に老人がひっかかっている~

当然、比喩法、擬人法なんだけど
想像すらしたことのない
こんな歌い出しの歌詞から始まる歌…

老人は老人であって
老人そのものではない…と…歌われる世界観は深い!深い!
生きていること…命そのものが…独創的な切り口で歌われる

サビは

♪空のいのち ぼくは庭師(にわし)~


と韻を踏んで
さらには

♪空はいわし~


流れているとイワシになった気分だよと…
ホント、心から詩人だなって思えちゃう!!
なんども噛みしめて聴きたいと思える
素敵な曲…

 

 

「あの声を聞いて振り返る」


語られる東日本大震災で変わった風景
そして、いなくなってしまった人たちへの想い

振り返った先には、何もない…
何もないけど…そこには何かがある…
それは、今となっては見えない死者たちの声


♪横浜でかいた汗が
新幹線で冷えて
仙台で塩となる
横浜よりいくらか涼しい仙台では
その塩はぼくの勲章だ~


この歌い出しから
友部さんの描く…友部さんが感じた「目」に惹きこまれる…
いやあ、何度でも何度でも
言葉一つ一つを噛みしめて…聴いていたいと思えた唄

 

「1月1日午後1時(高橋さん)」


行ったことのない
喫茶「クラムボン」が…
会ったことのない歌に出てくる女性と一緒に
鮮やかに…心象風景に浮かび上がる…

「クラムボン」とは
宮沢賢治の「やまなし」にでてくる
教科書にも載っている物語に出てくる生命体なんだけど
正直…何なのか…わからない…

宮沢賢治は
漠然と森羅万象を生き物のように「クラムボン」と表現したのだろうか…

サビの歌詞


♪クラムボンが笑ったよ クラムボンが笑ったよ~



私的には
そのクラムボンが、勝手ながら、「クラムボン」にいてる娘さんの笑顔と被った…


きっと
友部さんにとって
「クラムボン」は
居心地のいい空間であったに違いない…


歌の後半は
そのストーリーが
核心に


店主の高橋さんが亡くなった…
それも1月1日午後1時に…
その切ない思いを歌に込めて…
そのときの友部さんの想いや情景がストレートに伝わってくるような…
高橋さんへの想いが綴られる
ちょっと切ないけれど…

 

きてくれたお客さんに感謝しつつ、このところ年に2回、春と秋に得三でソロライブをやっていて、これがだんだん定着してくるといいなと思って、早速ライブが終わったら、森田さんと交渉に入ろうかな…と笑わせて

 

本編ラストの曲は

「ブルース??」

♪ブルースは元気がない時には歌えない~
♪ブルースは元気がない時には歌えない~



このサビのリフレインの心地よさ…
ホントそう思う…
でも私にとっては
元気がない時に聞いていたいのがブルース…なんだな…

 

当然鳴りやまぬ拍手!拍手!!拍手!!

それに応えて、再度ステージに登場する友部正人さん

まずは、久しぶりに歌う歌です…と

 

「ある日ぼくらはおいしそうなおかしを見つけた」

 

実に鋭い比喩表現

「何か前向きになれるもの」…それをお菓子に喩えて、無気力になってしまっている自分自身を、他者を顧みる…

 

歌の〆は

♪僕らは今もお菓子を食べられないでいる~

で終わるのは、ある面、友部正人さんらしい感じがする

 

そしてラストは

「ぼくは君を探しに来たんだ」



ギター1本…だけなのに…

この迫力!!!
凄い!!凄い!!!

間の取り方も絶妙で心に刺さる!

歌う言葉一つ一つが心に沁みる


ストレートに伝わる想いに
ぐぐっと惹きこまれる…

こんな素晴らしい歌を…私が10代後半の頃には…
もうすでに歌っていたのに…友部さんの唄と出会ったのは
私が40歳を過ぎてから…


友部さんの唄に出会わなかった
私の20代、30代を
「ああ、人生もったいないことしたな…」と…後悔しながら…
もう…心は感動で…痺れっぱなし…

友部さんの歌を聴いていなかった空白の20代~30代を取り返すべく??

せっせと友部さんのライブが名古屋は得三であれば、足を運んでいる私なのです…

 

私にとっての「おいしそうなおかし」…(笑)

それは、友部正人さんの歌と…

この得三の「おみや」であることは間違いない…

 

もちろん、「おいしそうなおかし」ならぬ「おいしそうなビール」…(笑)…と一緒にね!!