端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

想 い

2007-11-02 | Weblog
予想以上の 方々に見に来ていただいた ミニギャラリーでの
展示会もどうにか 雑事も終わりすべて終了です。
見に来ていただいた 皆さん本当にありがとうございました。

相棒の 栞さんのセンスある着物のリメイクには 参ってしまい
ました。
そんな中 私も刺激され たんすの少ない着物を見直していましたら 
出てきました。
母の着物を解いて 洗い張りしたものです。

母が健在なら八十八才です。 
元気だけが 取りえで苦労を背中に生きたような母でした。
そんな母は 四十七才で逝ってしまいました。

この着物はたぶん 母が独身の頃作ったもので お正月や参観日などに
着ていた 記憶があります。
あの時代の女性が そうであったように母も 家族全員の着物の仕立て
や繕いをしていました。
縁側を前にくけ台を座布団の下にして 縫い物をしていた姿を
思い出します。

母が逝って 私の着物に縫い直すつもりで洗い張りしましたが 小柄な
母でしたので 縫い直しを躊躇しているうちに 四十年も過ぎて
しまいました。

この大島で 今様の洋服にしようかと思い巡らしていますが まだ
決心が付きません。
どこかで買ってきた 古着ならすぐには鋏を入れられるのでしょうが
想いのある この反物いとおしく思います。

母は どんな思いで この着物を作ったのか どこへ着ていったのか
この大島は 全部知っているのです。
私に語って欲しい気がします。

着物が 故人の形見として残ることも 少なくなりましたが
この母の形見の 大島紬 初冬の暖かい 陽だまりで 
飽きもせず眺めています。


コメント
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