端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

親 心

2009-06-23 | Weblog
昨日 オークションで買った大島紬の着物が届きました。
お天気でもないのに 解いて洗って アイロンを掛けました。

現代の大島紬の柄は 花柄や 抽象的な柄が多いようですが この柄は昔からの伝統的な柄です。
昔 婚礼が決まると大変でした。
田舎では 仲人さんは勿論 その下で 両家の連絡をする 樽抱えと呼ばれる 人が 婚礼行事を取り仕切っていました。
それは 両家のお祝いであるとともに 集落みんなで祝っていました。

娘の実家では 箪笥 長持ち 鏡台 夜具そして桶屋に注文した たらい 洗面器など準備していました。
娘三人持てば 家が傾くと言われた由縁です。

箪笥の中身も 嫁入り先でどんなことがあっても 困らないように季節ごとの
紋付も用意していました。

そんな中に 写真の 着物も 忍ばせてあったのでしょう。
模様は 伝統的な大島紬の幾何模様です。

しかも この卍の模様は 厄除けの意味があるのです。
交通機関の 発達していなかった昔 いやなことがあったり夫婦喧嘩しても
今のように軽自動車で 実家に帰ることも出来ません。

嫁に行ってからの 苦労は目に見えています。
故郷に 向かって涙ぐんでいたのでしょう。

病気にならないように 可愛がってもらえるように 早く孫が生まれるように
何時の時代も 親心に変わりは無いようです。


反物の 端には 柄をあわせた 遊びの糸が 沢山出来ています。
トントンと リズム感のある 機音が聞こえそうです。
もう一度 こんな着物着られる若さに戻れたら良いのに と思いますが
顔のしわが許してくれそうにありません。

安さと 布に惹かれて買ったこの着物 何にしようかと 楽しい悩みを抱えています。
コメント (2)
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