超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

<span itemprop="headline">プーランク作品全集を聞いて</span>

2016-02-20 22:29:28 | 無題

プーランク作品全集を聞いた。
ピアノ作品集、室内楽、協奏曲、交響的音楽、宗教音楽、抒情詩作品(オペラ)、旋律と歌曲(シャンソン)に分かれている。
中でも私はピアノ作品集、室内楽、オルガン協奏曲が気に入った。
ピアノ作品はちょっとサティに似ている。
照れながら戯れて、不安定な旋律に遊んでいるところにエスプリを感じる。
音を揺らしながら半音階に傾く微妙さが聞いていて面白い。
室内楽も同様のエスプリの利いた心地よい音楽である。
びっくりしたのがオルガン協奏曲である。
メシアン張りの深さ、真面目さで激しくオルガン音楽が導く壮絶な協奏曲。
プーランクは宗教的な一面があって、オルガン協奏曲ではブルックナー的法悦も感じさせる。
そういうのもプーランクの意外な一面である。
私の両親が好きだったのはプーランクのピアノ曲、室内楽そしてとりわけ歌曲、シャンソンである。
旋律が不安定で危ういところへ傾きそうな一歩手前で踏みとどまっている。
このシャンソンを私の両親はいつも手元に置いていた。そしてよく失くした。
なので私の両親が愛していたが、結局どこかへ行ってしまったプーランクのCDの空箱を見て、
私がきちんと聞いてあげないといけないような気がして
プーランクの作品全集を敢えて買って失われた時を求めている。
宗教音楽のうちミサ曲は清純な汚れない合唱曲で一見プーランクらしくないが
旋律の豊かさにプーランクの個性を感じる。
スタバート・マテールは悲しみの聖母で、友人も言う通り痛々しくて聞くのが辛い。
シャンソンは不安定な音階に遊ぶプーランクらしい佳作揃い。
晶文社のジャン・コクトーが表紙のフランス6人組という本も拝借した。
遊びの多いプーランクの音世界に光明を見る昨今である。

照れながら微妙に揺れるフランスの光溢れる音に癒され



コメント
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