超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

チャイコフスキー・悲愴のピアノ版の美

2019-06-06 20:45:21 | 無題
高須博氏演奏のピアノ独奏版チャイコフスキー交響曲6番悲愴を聞く。
四手のピアノ版ではなく、高須氏独奏でチャイ6を弾く。
大胆不敵である。確かに音数は少ないが、構えが大きく、
スケール感がある。
胸を押しつぶされそうな絶望、人生を総回顧するノスタルジー、
楽しかった友や恋の思い出、
耽美的な人生との惜別の情…
そうしたこの曲に込められた人生最期のさまざまに揺れる
感情のうねりをこの曲は美しく織りなしてゆく。
それを高須博氏は一台のピアノで、2本の手で、
持てる限りの技を凝らして、巨大なスケールで弾き切る。
悲愴のピアノ版の完成稿の演奏というのは
ひじょうに珍しい。本稿も1楽章ずつ違った編曲者で、
ときにはロシアの高名なピアニスト、フェインベルク筆も
交えて、高須氏自身も手を加えて、ようやく全4楽章
完成稿にこぎつけた。
そういう意味でも前代未聞な新しい悲愴の美が
ここにある。
交響曲のピアノ版の旅も終わりに近づいた。

絶望とノスタルジーが交差する終着駅を見事弾き切る

コメント
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