超解哲学名著事典を昨日に引き続き読む。
著者の小川仁志さんは哲学の要約が得意で、その種の本を50冊ぐらい書いている。
この哲学名著事典も哲学書47冊を文庫で要約的に紹介した本で、やたらにお得である。
よく読むと判らなくなることも多く、初心者の読破はきついかも。
フッサールでは「イデーン」が紹介されていて、現象学の知識が要約されている。
そのあと「ヨーロッパの諸学の危機と超越論的現象学」では、
初期の純粋意識を離れて現象学の場を「生活世界」に置くという修正をしたとある。
では、有名な与えられた世界に対する判断停止=エポケーはどうなってしまったのか。
疑問に感じることになってしまう。
フッサールがいわゆる「諸学の危機」で、生活世界を出してきたのは、
ひとつには数学や科学の網目でおおわれてしまう前の世界へ戻れ、と言うことだ。
二つ目は現象学の言う相互主観性、他人にも意識があり、
私の意識と同じく、他人の意識にも眼の前の机が机であることをお互いに
確かめ合うことができるということが、生活世界を保証していることを足場としよう
ということだ。
だから、生活世界へ立ち返れと言ったのは純粋意識を諦めろとか、
与えられた世界を受け入れる自然的態度に後戻りしろ、と言う意味では全くない。
短い要約ではその辺の補足がないので、混乱するおそれがある。
そういうモヤモヤも含めて、楽しめる好著である。
他人にも意識があって現実が共有できる生活世界で
著者の小川仁志さんは哲学の要約が得意で、その種の本を50冊ぐらい書いている。
この哲学名著事典も哲学書47冊を文庫で要約的に紹介した本で、やたらにお得である。
よく読むと判らなくなることも多く、初心者の読破はきついかも。
フッサールでは「イデーン」が紹介されていて、現象学の知識が要約されている。
そのあと「ヨーロッパの諸学の危機と超越論的現象学」では、
初期の純粋意識を離れて現象学の場を「生活世界」に置くという修正をしたとある。
では、有名な与えられた世界に対する判断停止=エポケーはどうなってしまったのか。
疑問に感じることになってしまう。
フッサールがいわゆる「諸学の危機」で、生活世界を出してきたのは、
ひとつには数学や科学の網目でおおわれてしまう前の世界へ戻れ、と言うことだ。
二つ目は現象学の言う相互主観性、他人にも意識があり、
私の意識と同じく、他人の意識にも眼の前の机が机であることをお互いに
確かめ合うことができるということが、生活世界を保証していることを足場としよう
ということだ。
だから、生活世界へ立ち返れと言ったのは純粋意識を諦めろとか、
与えられた世界を受け入れる自然的態度に後戻りしろ、と言う意味では全くない。
短い要約ではその辺の補足がないので、混乱するおそれがある。
そういうモヤモヤも含めて、楽しめる好著である。
他人にも意識があって現実が共有できる生活世界で