仕事の合間に読んでいた「奥の細道が面白いほどわかる本」土屋博映著・中経出版
読み終わる。
「行く春や鳥啼き魚の目に泪」で江戸を立った芭蕉と曾良がぐるっと陸奥を旅して、大垣を終着点としてゴールインした。
この旅で芭蕉が俳句の極意としてつかんだものは、不易・流行と軽みだという。
時代に流されないしっかりとした持ち味を保ち(不易)、それでいて、時代時代の風情も自在に取り入れる(流行)柔軟さが、俳句に軽みを与える。
それが、仏道の心得もあり、生涯を旅に生き、数々の名句をモノにした芭蕉の俳句の境地であった。
芭蕉の辞世の句は「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」であった。
この本によると、芭蕉は早くからこの辞世の句を用意してあったという。
モロッコで伏した登場人物が病にうなされて夢を見る、ポール・ボウルズの「シェルタリング・スカイ」(ベルトリッチ監督)を連想する辞世の句である。
数々の歌枕となった名所旧跡を訪ねながら、芭蕉の詩情を支えとするライフスタイルが活写されていて、なかなかいい句集かつ紀行文だった(と思わせてくれる参考書だった)。
読むのに半月近く掛かったが、充実感あり。
お勧めである。
日々臥して夢は冬野をひた走る いずれは星に迷う明日でも
読み終わる。
「行く春や鳥啼き魚の目に泪」で江戸を立った芭蕉と曾良がぐるっと陸奥を旅して、大垣を終着点としてゴールインした。
この旅で芭蕉が俳句の極意としてつかんだものは、不易・流行と軽みだという。
時代に流されないしっかりとした持ち味を保ち(不易)、それでいて、時代時代の風情も自在に取り入れる(流行)柔軟さが、俳句に軽みを与える。
それが、仏道の心得もあり、生涯を旅に生き、数々の名句をモノにした芭蕉の俳句の境地であった。
芭蕉の辞世の句は「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」であった。
この本によると、芭蕉は早くからこの辞世の句を用意してあったという。
モロッコで伏した登場人物が病にうなされて夢を見る、ポール・ボウルズの「シェルタリング・スカイ」(ベルトリッチ監督)を連想する辞世の句である。
数々の歌枕となった名所旧跡を訪ねながら、芭蕉の詩情を支えとするライフスタイルが活写されていて、なかなかいい句集かつ紀行文だった(と思わせてくれる参考書だった)。
読むのに半月近く掛かったが、充実感あり。
お勧めである。
日々臥して夢は冬野をひた走る いずれは星に迷う明日でも