超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

王様文庫の「空海の生涯」!

2021-12-14 17:59:25 | 無題
夕方から夜、由良弥生著の王様文庫の「空海の生涯」を読む。
久々に密教の凄い本を読んだ。一般向けの文庫とは思えない内容。
空海は官吏になるために大学で儒教を学んだが、儒教は人間学であり、万物の霊性に触れていない。ヒントになったのは、山岳修行者と虚空蔵求聞持法だ。
その後、華厳経を読み、歴史上の仏陀を越えた「仏」の世界が、そのままこの世界だという教えに目が開かれる。
けれども華厳経には、その仏と一体化するための、具体的な修行法が書かれていない。
それが書いてあるのが大日経だと聞き知って、その時代埋もれていた大日経を読む。
これぞ大日如来という仏の世界がそのままこの世界で、この仏と一体になる即身成仏の方法が書いてある経だと知る。
だがその修行法については、サンスクリット語の音写で書かれているところが多く、詳細はまるでわからない。
ということで、入唐してサンスクリット語をマスターし、唐の密教の第一人者、恵果に判らない点を尋ねる。
恵果は空海こそ密教の奥義を伝授するのにふさわしい人だと悟り、大日経、金剛頂経、理趣経の奥義を授けた。
大日経は仏の慈悲、金剛頂経は、仏の知恵、理趣経は仏身にとって情交はそのまま悟りの境地だと説く秘法である。
印や真言や観想法を直にことごとく教え、不空訳の経を初め、密教系の経や曼荼羅や仏具を授けて恵果は没し、空海は密教の後継者として一刻を惜しんで帰国する。

仏とは宇宙の知恵と説く経に成仏できる鍵を見て取る


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