ウィトゲンシュタインの「哲学宗教日記」が来て、読んでいる。
論理哲学者みたいな堅物が、ふだんはどんなことを考えているのか
よく判っておもしろい。
友だちと演奏会のブラームス評やブルックナー評
などを話していたりする。
それだけなら、ああ文化人なんだな、という所だが、
恋の悩みや職の悩みなど、きわめて人間的なことも、
書いてある。
同性愛者と聞いていたが、異性に恋して悩んでいたりする。
また、いつ職を失うか考えると怖い、など「わかる」ところも多い。
彼はフロイトも読んでいて、無意識のことも考えていたのが
発見だった。「フロイトは間違えたことをたくさん言っていて、
おそらく、性格もよくないが、きわめて多くの
重要なことを発言に含んでいる、
それは、私も同じだ」という注目すべきことも書いている。
時に自分の稀有な冴えた頭を誇りながら、
時にある日頭が働かなくなって、職を追われる怖さを語る。
宗教については、迷信を思考に入れるべきでないが、全生涯が
霊感に導かれているのを感じている、と言い、神の創世記よりも
神が世界を創造し続けていること、世界が維持されていることが
奇跡であると言っている。
哲学については、再び論理学の本が書けること、論理と一緒に
居られることが何より嬉しい、と言っている。
恋人マルガリートが、結婚のことを考えている、と言ったとき、
彼は全くそのことを考えなかった。そしてマルガリートは泣き、
彼には為すすべがなかった。
日記ならではの素顔が垣間見える、貴重な本だと思う。
苦悩する論理学者の日常が綴られている日記みつかる
論理哲学者みたいな堅物が、ふだんはどんなことを考えているのか
よく判っておもしろい。
友だちと演奏会のブラームス評やブルックナー評
などを話していたりする。
それだけなら、ああ文化人なんだな、という所だが、
恋の悩みや職の悩みなど、きわめて人間的なことも、
書いてある。
同性愛者と聞いていたが、異性に恋して悩んでいたりする。
また、いつ職を失うか考えると怖い、など「わかる」ところも多い。
彼はフロイトも読んでいて、無意識のことも考えていたのが
発見だった。「フロイトは間違えたことをたくさん言っていて、
おそらく、性格もよくないが、きわめて多くの
重要なことを発言に含んでいる、
それは、私も同じだ」という注目すべきことも書いている。
時に自分の稀有な冴えた頭を誇りながら、
時にある日頭が働かなくなって、職を追われる怖さを語る。
宗教については、迷信を思考に入れるべきでないが、全生涯が
霊感に導かれているのを感じている、と言い、神の創世記よりも
神が世界を創造し続けていること、世界が維持されていることが
奇跡であると言っている。
哲学については、再び論理学の本が書けること、論理と一緒に
居られることが何より嬉しい、と言っている。
恋人マルガリートが、結婚のことを考えている、と言ったとき、
彼は全くそのことを考えなかった。そしてマルガリートは泣き、
彼には為すすべがなかった。
日記ならではの素顔が垣間見える、貴重な本だと思う。
苦悩する論理学者の日常が綴られている日記みつかる