超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

ヴィトゲンの同語反復の話

2022-06-12 21:27:20 | 無題
「講義集」のなかで、ウィトゲンシュタインの発言、
「同語反復は意味がない」、が紹介されている。
筆記者は、曇天は曇り空であるとか、
青天は青空であるとかの同語反復は、
他の文章との違いがあるから、全くの無意味ではないだろう、と言う。
だから、ウィトゲンシュタインが同語反復は意味がない、とか
この文章はナンセンスだ、と言うとき、
そこには、通常とは違った文脈があるに違いないと言っている。
ウィトゲンシュタインが、その文は意味がない、と言うとき、
「ある範囲の言語ゲームの中で、意味のやり取りの役に立たない」
ことを言っていると、私は推察する。
だとすれば、すでに、1930年代前半の講義のなかで、
ことばの使用の慣例としての言語ゲーム、という発想が
ある程度頭にあったと思われる。
「論考」と「探究」のあいだの、過渡期の講義だけに、
彼がどこまで「探究」の域に近づいているのか
考えるのは、大いに刺激的である。

曇天は曇り空だと言うことはキャッチボールで役に立たない


コメント (2)
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