西東三鬼全句集より、数句、紹介する。
〇梅を噛む少年の耳透き通る
陽に当たって、少年の耳の血潮が見えたのか。
〇手の蛍にほひ少年ねむる昼
蛍の匂いは窺い知れないが、耽美的な作風。
〇熱さらず遠き花火は遠く咲け
病気だろうか。多少自棄だが、美しい。命令形にはっとする。
〇ピアノ鳴りあなた聖なる冬木と日
あなたは、彼方だろう。遠くでピアノ鳴り冬の聖木に日が差す。
〇荒園のましろき犬に見つめらる
周りの句から見て、荒園が冬の季語なのだろう。犬と目が合う。
〇水枕ガバリと寒い海がある
多分、冷えて、寒い海の夢を見たという表現。
〇あひびきの少女とび出せり月夜の蝉
若い頃は無茶な恋愛もあるだろう。
〇わが天使なりやおののく寒雀
寺山の「わが天使なるやもしれぬ小雀を撃ちて硝煙嗅ぎつつ帰る」の元歌。
〇道端のわが天使なる白蝶草 (私の作)
〇梅を噛む少年の耳透き通る
陽に当たって、少年の耳の血潮が見えたのか。
〇手の蛍にほひ少年ねむる昼
蛍の匂いは窺い知れないが、耽美的な作風。
〇熱さらず遠き花火は遠く咲け
病気だろうか。多少自棄だが、美しい。命令形にはっとする。
〇ピアノ鳴りあなた聖なる冬木と日
あなたは、彼方だろう。遠くでピアノ鳴り冬の聖木に日が差す。
〇荒園のましろき犬に見つめらる
周りの句から見て、荒園が冬の季語なのだろう。犬と目が合う。
〇水枕ガバリと寒い海がある
多分、冷えて、寒い海の夢を見たという表現。
〇あひびきの少女とび出せり月夜の蝉
若い頃は無茶な恋愛もあるだろう。
〇わが天使なりやおののく寒雀
寺山の「わが天使なるやもしれぬ小雀を撃ちて硝煙嗅ぎつつ帰る」の元歌。
〇道端のわが天使なる白蝶草 (私の作)