超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

西東三鬼全句集読む

2022-09-09 04:25:25 | 無題
西東三鬼全句集より、数句、紹介する。
〇梅を噛む少年の耳透き通る
陽に当たって、少年の耳の血潮が見えたのか。
〇手の蛍にほひ少年ねむる昼
蛍の匂いは窺い知れないが、耽美的な作風。
〇熱さらず遠き花火は遠く咲け
病気だろうか。多少自棄だが、美しい。命令形にはっとする。
〇ピアノ鳴りあなた聖なる冬木と日
あなたは、彼方だろう。遠くでピアノ鳴り冬の聖木に日が差す。
〇荒園のましろき犬に見つめらる
周りの句から見て、荒園が冬の季語なのだろう。犬と目が合う。
〇水枕ガバリと寒い海がある
多分、冷えて、寒い海の夢を見たという表現。
〇あひびきの少女とび出せり月夜の蝉
若い頃は無茶な恋愛もあるだろう。
〇わが天使なりやおののく寒雀
寺山の「わが天使なるやもしれぬ小雀を撃ちて硝煙嗅ぎつつ帰る」の元歌。

〇道端のわが天使なる白蝶草 (私の作)
コメント
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