超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

一休道歌を読んでみる

2022-09-14 19:40:06 | 無題
一休道歌と言われる作者不詳の、自称一休作の仏教短歌がある。
いくつか紹介してみたい。
〇夢の世に夢のごとくに生まれきて 露と消えなん身こそやすけれ
夢のような現世に夢のように生まれて来て、露と消えるだろうこの身こそ気楽なものだな。
こそ+已然形は係り結びで、意味は強調。
〇仏とは何をいはまの苔むしろ ただ慈悲心にしくものはなし
仏とは何かといえば、岩間の苔むしろのようなものだ。まさに慈悲心に比べられるものはない。
〇世々ごとにみえつかくれつすむ月の 変わらぬ色を誰か知らまし
刻々と見えたり隠れたりする月の、変わらぬ色を誰が知るだろうか。
〇あら楽や虚空を家と住みなして 心にかかる造作もなし
何と楽だろう。虚空を家として住んで、心に気にかかる、家造りの手間暇も要らない。
〇出づるとも入るとも月を思わねば 心にかかる山の端もなし
出るとも、入るとも月を思わなければ、心に月がかかる、山の輪郭もないと言える。
〇今ははや後世の勤めもせざるなり あうんの二字のあるにまかせて
今はもはや、来世の安楽のための修行もしない。仏の道理の二字にまかすのみ。
〇仮りの世にまた旅寝して草枕 夢の世にまた夢を見るかな
移り変わる世の中で、また旅に寝て草を枕とする。夢の世に、また夢をみるだけだ。
〇釈迦と言ふいたづら者が世に出でて多くの者を迷わするかな
釈迦というやんちゃ坊主が謎掛けをしたので、多くの者を迷わせていることよ。

あれこれと言ってはみたが判らない旅の行方は森の只中

コメント
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